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第1章(1)ジャナフside
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しおりを挟むあっという間の出来事で、「何で?何で?」って驚く僕にツバサが言った。「俺筋肉がつきにくいからスピードで勝負してるんだ」って。つまり、素早い判断力と瞬発力。「GO!」の掛け声を相手よりも早く聴き取って、相手が力を込めるより前に先に動いて瞬時で決着を着けるのだ。
強さは力ではないーー。
ツバサに出会って、それは嘘じゃないって改めて教えてもらった。
そして今日、ボクは更に驚かされる。
「!っ、え……?!
ちょ、ツバサ!そっち、走れないじゃん?!」
てっきりいつも通りに広場や街中をぐるっと周って戻って来ると思っていたボクは、広場にある子供達が遊ぶ"ジャングルジム"ってやつに向かって行くツバサを見てギョッとした。
まるで柵の建物みたいなそれは、人が走り抜けて通れるようなスペースはなくて、そのまま行けばぶつかってしまうだろう。
危ないーーッ!!!!!
見ていられなくて、思わずボクは目をギュッと目を閉じてしまった。
きっとすぐにガツーンッ!!って、あの鉄の柵にぶつかった音が聞こえて、その近くで鼻血を出したツバサが倒れててーー……。
……
…………あ、あ……れ???
しかし。
ガツーンッ!!って音は、聞こえてこなかった。
おそるおそる目を開けると、ツバサは倒れていなければジャングルジムの辺りにもいない。
一体何処にーー???
……って。
ッ……えぇぇええーーーッ?!!!
広場を見渡して、ツバサを見付けたボクは度肝を抜かれた。
なんと、ツバサは走り続けてる。
だが、ただ単に走っているだけではない。
彼は広場に置いてある遊具や椅子、フェンスや壁……。わざわざ障害物がある方へ向かって行き、一切止まる事なく跳んだり、登ったり、足場が悪い場所で絶妙なバランスを取りながら走ったり、時に飛び降りる際に身体を捻ったり前転やバク宙をしていたのだ。
その、恐るべき身体能力に唖然。
……いや、違う。
そのあまりの凄さと美しさに、ボクは見惚れていたんだ。
ツバサはその名前の通り、本当に翼が生えてるみたいでーー……。
「ーー……っ、しゃ!ゴールッ!!
はぁ~……疲れた!ジャナフ、タイムどうだった?」
「!っえ……ッ、あ……ご、ごめんっ!」
気付いたら目の前に戻って来ていたツバサが、呼吸を整えながら微笑ってた。声を掛けられてハッとした時には遅くて、手の中のストップウォッチは止まらず秒を刻み続けている。
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