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第5章(1)ツバサside
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しおりを挟む幼い頃から俺を知る人は、そんな自分を"少食なんだ"と簡単に片付けてくれたから、今までそんなに大して気に止めてこなかった。
……けど、やっぱり自分は何が違うんだろうか?
ジャナフの反応を見て、そう思わずにはいられなかった。
天使の血ーー。
かつてはそう呼ばれていた、とも聞いた俺達一族の血は、遠い昔先祖が天界の者と恋に落ち、交わり、子を遺した事から始まった。
その子供は特殊な血液型ー希血ーと、普通の人間が持っている筈のない不思議な能力持ち、生まれてきた。
けれど、人と交わった事で混血となったその子供らには共通して普通の人よりも劣る部分があったそうだ。
それは不思議な能力を持つ故の代償かーー?
ある者は身体が弱く短命。
人の言葉が話せない。
能力以外の学力や身体能力が乏しい……。
など、それぞれ様々。
現に俺の父さんも私生活に支障はないが、匂いだけで酒に酔ったり、歌を唄う事と絵を描く事は極端に下手だった。
……でも、俺にはないんだ。
これまで生きてきて能力に悩まされる事はあったけど、これと言った思い当たる代償となるに値する欠点が今のところない。学力も身体能力も健康面でも、どちらかと言えば普通よりも優れている方だ。
そんな自分を思い返して、俺は思った。
それは、俺が容姿に漆黒を持つ希血だからじゃないかーー?
かつて天使が、自分達には絶対にあり得ないその漆黒の美しい容姿に惹かれて人間と交わったと言われている。その想いの強さ故か、天界と下界の者が関わってはいけないという掟を破った罰か……。希血を持つ者は、決して漆黒の容姿を受け継いで生まれてこなかった。
ーーー希血の者は決して漆黒の容姿を受け継がない。
その法則が破られた時、その者は更なる能力を発揮するであろうーーー
それは、ただあまりにも漆黒の容姿の子供が生まれないから言われているだけの、言い伝えかも知れない。
そもそもこの話自体が作り話の可能性があれば、天使が本当にこの世に存在したのかなんて、今や誰も証明出来ない。
……けど。
こんな時に、父の弟であるアラン叔父さんから聞いたその話が甦ってきた。
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