35 / 38
第35話、サヤカ聖女とトムの婚約発表と凱旋パレード
しおりを挟む広いステージに司会者が上がり、最初に陛下夫妻が壇上に呼ばれて紹介されて、次にトムと私が呼ばれて紹介されると陛下夫妻以上の拍手と歓声が沸き上がり陛下が。
「わしたちより、拍手と歓声が多いな、もう国王を譲って隠居生活をしようか」
王妃様も乗り。
「それも良いわね、新婚に戻って各地を観光して回りましょうか」
トムが渋い顔で陛下夫妻を睨み。
「こんな場所で、不謹慎な事は言わないで下さい」
司会者が次々に紹介を終わると、陛下が挨拶をし始めました。
この広場の模様は、映像と音声で大陸の主要な街に私の魔法で映し出されているのです。
「皆の者! 此のアリーナ女神の誕生祭の良き日に帝国との戦いに勝った祝勝祭を行う事が出来てこれ以上の喜びは無い。此れもひとえに皆さんの協力のお陰と感謝しております。此の目出度い日にもう一つ目出度い報告があります。それは、王太子トムウッド・アスクルトとサヤカ・スタシャリ聖女様が正式に婚約したことです」
大広場を埋め尽くした民衆から割れんばかりの拍手と歓声が沸き上がりました。
司会者に促されて、私がステージの前に出て。
「このような良き日を迎える事が出来て大変嬉しく思います。此れも皆様と愛の女神、アリーナ女神様の加護のお陰と感謝を申し上げます。アリーナ女神様の誕生祭なのでお祈りを捧げたいと思います」
私は、あの図書室での辛い虐めの毎日や、魔の森に捨てられて死にそうになった事、トムに拾われてからの日々、帝国との戦争などを思い、今の幸せに感謝して、片膝を付き胸の前で手を合わせてアリーナ女神様に感謝の祈りを捧げたのでした。
ステージにいる人達や、広場を埋め尽くした人たちも、私と同じ姿勢でアリーナ女神様に祈りを捧げたのです。
すると驚くことに奇跡が起きたのです。
王都の上空に青空なのに7色の虹が現れて、虹からキラキラ光る光の粒子が粉雪のように王都に降り注いたのです。
大広場に集まった人たちや、各地で映像を見ていた人達は、この奇跡に目を見張り、膝を付いて私と同じ姿勢でアリーナ女神様に祈りを捧げたのです。
私たちが帝都に向かう途中に、転んだ子供を抱き上げて治癒魔法を掛けた、街の親子や街の人達も映像を見て歓喜の涙を流していたのです。
此の奇跡の様子は大陸中で語り継がれて私が死んだ後に、大陸の教会には必ず私の銅像が飾られて千年後も聖女は現れず、私は最後の聖女と言われて伝説の聖女と呼ばれたのです。
特設ステージでの行事が終わり、凱旋パレードが始まりました。
騎士たちに先導されて陛下夫妻、高位の貴族達、私はトムと並んでコスモスの花で飾られた屋根の無いオープン馬車に乗り、民衆に手を振りながら王都を回り王宮に戻ったのです。
パレードの途中には都民が。
「天使みたいに綺麗な聖女様だ」
「聖女様と王太子は美男美女で、まるで物語の王子様とお姫様みたい」
などという言葉を掛けられて恥ずかしくて、顔を赤くして手を振っていたのは内緒です。
パレードから戻り、夜の祝賀祭までは時間があるので、私とトムは王都が見渡せる応接室のテラスで、簡単な食事とお茶をしていました。
トムが私をまじまじと見て。
「サヤカは本当に綺麗だね」
「何を言うのよ、トムの方が女心を破壊するような綺麗な顔の癖に」
2人は可笑しくなり同時に噴き出して笑ってしまい、私が。
「こんなことを言うから、馬鹿カップルとジイチャンに言われるのよね」
嫌な予感がして後ろを振り返るとジイチャンがニタニタ笑い。
「フォ、フォ、やっぱり馬鹿カップルじゃな、フォ、フォ」
私はジイチャンを睨みつけて。
「本当に私の使い魔の癖にいつも揶揄うのが好きなんだから」
でも、そんなジイチャンを私は大好きなのです。
何時も私を本当の孫みたいに可愛がり、見守ってくれているジイチャンは、私の死後は、私の墓の近くに住み続けて、皆さんから聖女の守り神として崇められていたのです。
何故、私が私の死後を知っているか、不思議に思うでしょが、内緒ですが、私は死後にアリーナ女神様の天界の元に召されて天使になり、時々は人間の姿になって天界から下界に降りて来ていたのです。ウフフ
12
あなたにおすすめの小説
『処刑されるたびに12歳に戻る悪役令嬢、7回目の人生は「何もせず寝て過ごす」ことに決めたら、なぜか周囲が勝手に勘違いして聖女扱いされています
六角
恋愛
公爵令嬢リリアーナは、18歳の誕生日に必ず断罪・処刑されては12歳に戻るという地獄のループを6回も繰り返していた。 真面目に努力しても、剣を極めても、裏社会を支配しても、結局は殺される運命。 心折れた彼女は、7回目の人生でついに決意する。 「もう頑張らない。どうせ死ぬなら、今回はひたすら寝て過ごそう」と。
しかし、安眠を求めて「うるさい」と敵を黙らせれば『王者の覇気』と恐れられ、寝ぼけて放った魔法は『神の奇跡』と崇められ、枕への異常なこだわりは『深遠なる儀式』と誤解されてしまう。 気がつけば、ストーカー気味のヤンデレ王子、パン屋の元ヒロイン、狂犬の如きライバル令嬢、元部下の暗殺者、そして不眠症の魔王までもが彼女の信者となり、リリアーナは意図せずして国を、そして世界を救う「最強の聖女」へと祭り上げられていく。
「お願いだから、私を寝かせて!」 睡眠欲だけで運命(システム)さえもねじ伏せる、無気力悪役令嬢の痛快勘違いサクセス(?)ストーリー!
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
【完結】旦那様、どうぞ王女様とお幸せに!~転生妻は離婚してもふもふライフをエンジョイしようと思います~
魯恒凛
恋愛
地味で気弱なクラリスは夫とは結婚して二年経つのにいまだに触れられることもなく、会話もない。伯爵夫人とは思えないほど使用人たちにいびられ冷遇される日々。魔獣騎士として人気の高い夫と国民の妹として愛される王女の仲を引き裂いたとして、巷では悪女クラリスへの風当たりがきついのだ。
ある日前世の記憶が甦ったクラリスは悟る。若いクラリスにこんな状況はもったいない。白い結婚を理由に円満離婚をして、夫には王女と幸せになってもらおうと決意する。そして、離婚後は田舎でもふもふカフェを開こうと……!
そのためにこっそり仕事を始めたものの、ひょんなことから夫と友達に!?
「好きな相手とどうやったらうまくいくか教えてほしい」
初恋だった夫。胸が痛むけど、お互いの幸せのために王女との仲を応援することに。
でもなんだか様子がおかしくて……?
不器用で一途な夫と前世の記憶が甦ったサバサバ妻の、すれ違い両片思いのラブコメディ。
※5/19〜5/21 HOTランキング1位!たくさんの方にお読みいただきありがとうございます
※他サイトでも公開しています。
【完結】無自覚人たらしマシュマロ令嬢、王宮で崇拝される ――見た目はぽっちゃり、中身は只者じゃない !
恋せよ恋
ファンタジー
富豪にして美食家、オラニエ侯爵家の長女ステファニー。
もっちり体型から「マシュマロ令嬢」と陰口を叩かれる彼女だが、
本人は今日もご機嫌に美味しいものを食べている。
――ただし、この令嬢、人のオーラが色で見える。
その力をひけらかすこともなく、ただ「気になるから」と忠告した結果、
不正商会が摘発され、運気が上がり、気づけば周囲には信奉者が増えていく。
十五歳で王妃に乞われ、王宮へ『なんでも顧問』として迎えられたステファニー。
美食を愛し、人を疑わず、誰にでも礼を尽くすその姿勢は、
いつの間にか貴族たちの心を掴み、王子たちまで惹きつけていく。
これは、
見た目はぽっちゃり、されど中身は只者ではないマシュマロ令嬢が、
無自覚のまま王宮を掌握していく、もっちり系・人たらし王宮譚。
🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。
🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。
🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。
🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。
🔶 エール📣いいね❤️励みになります!
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
夫に顧みられない王妃は、人間をやめることにしました~もふもふ自由なセカンドライフを謳歌するつもりだったのに、何故かペットにされています!~
狭山ひびき
恋愛
もう耐えられない!
隣国から嫁いで五年。一度も国王である夫から関心を示されず白い結婚を続けていた王妃フィリエルはついに決断した。
わたし、もう王妃やめる!
政略結婚だから、ある程度の覚悟はしていた。けれども幼い日に淡い恋心を抱いて以来、ずっと片思いをしていた相手から冷たくされる日々に、フィリエルの心はもう限界に達していた。政略結婚である以上、王妃の意思で離婚はできない。しかしもうこれ以上、好きな人に無視される日々は送りたくないのだ。
離婚できないなら人間をやめるわ!
王妃で、そして隣国の王女であるフィリエルは、この先生きていてもきっと幸せにはなれないだろう。生まれた時から政治の駒。それがフィリエルの人生だ。ならばそんな「人生」を捨てて、人間以外として生きたほうがましだと、フィリエルは思った。
これからは自由気ままな「猫生」を送るのよ!
フィリエルは少し前に知り合いになった、「廃墟の塔の魔女」に頼み込み、猫の姿に変えてもらう。
よし!楽しいセカンドラウフのはじまりよ!――のはずが、何故か夫(国王)に拾われ、ペットにされてしまって……。
「ふふ、君はふわふわで可愛いなぁ」
やめてえ!そんなところ撫でないで~!
夫(人間)妻(猫)の奇妙な共同生活がはじまる――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる