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第22話 成人し皇太子になり、リズと正式に婚約する
しおりを挟む陛下が別荘で静養に入って4か月が過ぎ、やっと皇宮に戻って来た。
帰ってくると俺に。
「余のいない間良くやってくれた。だが新しく組織を作った手腕は見事だ。余より優れているだろう。リオンはもう直ぐに成人するので余は引退して皇帝の座をお前に譲ろうと思う」
とんでもない事を言われて俺は即座に。
「待ってください。俺にはまだ無理です。まだ陛下が元気なのでもう少し続けてくれませんか。それにお兄さんたちが、俺が皇帝になるのを承知しているのですか」
「問題ない。他の皇子たちは皇帝になる気はないだろう。今回で分かったはずだ。それにあの子らは皇帝に向いていない」
「俺が皇帝になるのは良いですが順序を踏んでからにしていただけませんか」
「うむ、そうか。実権はリオンに譲るが表向きは皇太子にして皇帝代理にすれば良いだろう。それと威厳がないので自分の事を俺と呼ぶのは止めて余と言いなさい。」
そういえば以前は余と言っていたが陛下と同じで紛らわしいのでいつからか俺と言っていたが、陛下の言う通りなので改めて人前では自分を余と言う事にした。
陛下は続けて。
「成人の儀にリオンが皇太子になる事を発表してついでにリズとの婚約も正式に発表しよう」
俺の成人の儀は1カ月後にすることになり、その前に陛下が皇子たちを集めて話をして。
「リオンを次の皇帝にする事にして皇太子にするが反対する者はいないか?」
イルマ第2皇子とクルト第4皇子は最初から皇帝になるきは無く、ウイル第3皇子はこの間に皇帝の仕事をしてみて皇帝になるのが嫌になったのか、3人とも俺が皇帝になるのを賛成した。
俺は3人に自分を余と言い。
「余が皇太子になり皇帝代理になったなら3人は余の臣下になるが良いのか」
ウイル兄が代表して。
「勿論そのつもりだ」
「皇子が遊んでいては国民に申し訳ないので仕事を与える。まずウイルには治安を守る警備長官に付いて貰う。イルマには外交大使、クルトには軍務副大臣に任命する。今は内示だが、余が皇太子になったなら正式に役職についてもらう」
ウイルとクルトは得意分野なので受け入れたがイルマは。
「何で私が外務担当なのだ」
「イルマ皇子は人付き合いが良く女を口説くのが上手いだろう。弁が立つから外交に生かせるから外交官にピッタリだ」
「リオンは良く見ているな」
「今は良いが、今後は余の事は皇太子になるので殿下と呼んでくれ」
イルマが。
「この間まで可愛い末っ子だったのにリオンは立派になったな。これなら皇帝になっても大丈夫だろう。私たちも協力するよ」
何だかんだ言ってもお兄さんたちは優しい兄弟で俺に協力すると言ってくれて嬉しかった。
成人の儀の当日、皇宮の大広間に大勢の貴族と平民の代表が集まり、1番上の段上に陛下、后妃、俺、リズが坐り、1段下の段に3人の皇子が坐り司会者のヨハン宰相が俺を紹介して。
「本日は第5皇子のリオン様の成人のお祝いにお集まりいただきありがとうございます。皆様も知っての通りリオン様は子供の時から天才や神童と言われ才能を発揮して下水、水道を整備して国民の為に尽くし、聖魔法使いを探し治癒魔法で治療院を建て最近は行政の改革と素晴らしい活躍をしております。そんなリオン様の成人を祝って陛下からお知らせがあります。陛下お願い致します」
俺は褒められて恥ずかしかったが陛下が立ち上がり。
「皆の者、今日はリオンの成人のお祝いに参加してくれて礼を言う。今、ヨハン宰相が言った通り、リオンは若いが余の息子ながら優秀で数々の功績を上げて来た。よって余の次の皇帝になる皇太子に任命する。それとショーン公爵の娘、今は大聖女と呼ばれているリズとの婚約したことをお知らせする。余からは以上だ」
司会のヨハンが。
「皇太子殿下、ご挨拶をお願い致します」
俺が立ち上がり挨拶をして。
「皆の者。余の成人のお祝いに参加して頂きありがたく思う。これからは皇太子として国民の為に尽くすつもりだ。まだ若いので諸先輩の意見に謙虚に耳を傾け努力する所存なので宜しく頼む」
俺の挨拶が終わると万雷の拍手が起き隣のリズが。
「威厳のある立派な挨拶でしたね。私も后妃になるので今から勉強しなくては」
お祝いのパーティーが始まると参加した貴族がお祝いの品を渡してくれて言葉をかけてくれている。
それを見てウイル兄が。
「大変だな。俺はやっぱり皇帝にならなくて良かったよ」
そう言い残してサッサとワインを片手に料理を食べに行き俺は、その後2時間も対応に追われていたのだ。
俺の隣では、リズが笑顔で疲れも見せずに一緒に貴族の対応に当たってくれている。
成人のお祝いだけなら簡単に済むが、次の皇帝になるので対応が難しく、お祝いのパーティーが終わった時は精神的に疲れてしまったのだ。
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