周りに愛される主人公

あかさ

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1章

8徹は猫系と見せかけて犬系

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~光希視点~

俺の肩に寄りかかる徹
その姿は本当に絵になった
これはもう、受賞ものだ
今ならモナ・リザも越えるかもしれない
そう思うほどだ


光希「綺麗だな」
徹「んぅ、」
光希「可愛い声……」


俺は徹の髪を触った
サラサラとした清潔感のある髪だった
これ、
どこのシャンプー使ってんだろ
女子も羨むほどの質感
男子が惚れるほどの端正な横顔
老若男女問わずモテる徹はとてつもなく警戒心の強いやつだった
動物で例えるなら

そんな警戒心の強い猫が今は俺の恋人
こんなこと、
有り得るか、

光希「まぁ、こんなん学校中に知れ渡ったらめんどくさい事になるよな」

ただでさへ
徹はネガティブなのに
もっとネガティブになって
家に引きこもるかもしれない

光希「まぁ、その時はその時で、、どうせそんな簡単にバレないと思うけど……
保険くらいはかけておこうかな、」

そう言いながら
俺は徹の肩を揺らす

光希「起きろ~もうそろそろで学校が閉まるぞ~」
徹「んみゃっ!うそ!」
光希「俺が嘘ついたことあるのか~」
徹「う、無いです、」
光希「たく、寝すぎだぞ」
徹「だって、今日天気がよくて眠たいんですもん」
光希「はいはい、」


徹は急いで起き上がり
涎を拭いた
うん、
可愛い、

光希「寝てる時だらしない顔してたぞw」
徹「え!うそ!?」
光希「本当、本当、」
徹「うぅ、恥ずかしい///」

そう言いながら徹は顔を隠す
自分の可愛さを分かってて
この反応してるのか

光希「たくっ、早く行くぞ徹」
徹「あ!待ってください!?」
光希「誰が待つか~正門まで競走だ」
徹「え!?」
光希「早くしないと置いてかれるぞ~」
徹「光希先輩早いですよ~!!」


一生懸命俺を追いかける徹
飼い主を追いかける犬みたいだ
可愛い
どことなしか耳と尾が見える

徹「(;´Д`)ハァハァ……」
光希「お~、大丈夫か徹」
徹「も、もう、誰のせいだと……」
光希「寝てたお前だろ」
徹「うぐっ、それは、そうですけど」
光希「なら文句言うな~これやるから機嫌直せよ」

俺はお茶を渡した
徹はキラキラした顔をしながら
俺の買ったお茶を両手で受け取って
すぐに飲んだ

徹「ん~生き返る~」
光希「徹、本当に体力ないんだな」
徹「う、すみませんね体力なくて」
光希「まぁ、そんな所も可愛いからいいけど」
徹「……へぁ///」

あ、照れた
可愛い
徹は褒められ慣れてないのか
俺が褒めたらすぐ
白い頬をリンゴのように赤く染めた


徹「そんな直球に言われると、恥ずかしいですよ、もぅ///」
光希「ふふっ、俺は本当のこと言っただけだよ」
徹「うぅ、先輩そういう所ですよ、一体何人の女子がそれで犠牲になったか」
光希「さぁ?」
徹「天然ですか」

そう会話しながら
他愛のない話をする
自分が天然なんて1度も思ったことがない
なんならこれは偽天然だ
いわば徹の真似
徹は天然だからな

光希「そんなわけないだろ、天然は俺の目の前にいる徹だよ、たくっ」
徹「うぐっ、酷い、俺、全然天然じゃないですよ」
光希「いやぁ、天然だよ」
徹「だって、そんなこと1度も言われたことないですもん」
光希「それは徹が冗談として受け取ってるか素通りしてるかだろ」
徹「うぅ、信じてくださいよ~!」

そう言いながら
俺の腕に縋り付く
うん、
こういうとこだな
本当に、
俺の恋人は人を誑かすのが好きだな、
よしよしと徹の頭を撫でたら
もっとと言わんばかりに
俺の手にスリスリと頭を擦り付ける
犬だな

光希「徹、犬みたいってよく言われるだろ……」
徹「まさか!?俺は人間です!?」
光希「うん、そういうことじゃない」
徹「?」

首をコテンと傾げて
クゥーンと鳴きそうな瞳で俺を見る
うぐっ、
やばい
心臓がこの世から去りそうだ……
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