神がかり!

ひろすけほー

文字の大きさ
38 / 101

瑠璃の少女

しおりを挟む
第29話「瑠璃るりの少女」

 もう十年ほども前のことだろうか。

 ――当時の俺は下を向いてばかりの子供ガキだった


 とはいえ、世間一般の子供と比べたならそれはかなり少ない方だったろうが……

 俺にとって子供の、”俺の世界”に楽しいことが無いわけでは無かったろう。

 「……」

 その日の俺はなんとなく寝付きが悪く、寝床に潜り込んだままでそんな”くだらない過去こと”を思い出していた。


 ――

 十年ほど前も、その日も俺は拳を堅く握り地面を見ていた。

 「……いやだ……いやだよ……」

 ――そうだ、楽しいことが無いわけじゃ無い

 「早くしなさいっ!朔太郎さくたろう!」

 見知った女の怒声と共にその手が上がり……

 バシッ!

 俺の頬が赤く腫れる。

 「うぅ」

 ぶたれた頬を押さえることも無く涙ぐんで下を向いたままの俺。

 楽しいことが無いわけじゃ無い……

 ――ただ”辛いこと”が多すぎたのだ

 「折山おりやまさん、解っているでしょうが”てる様”もお忙しい身ですから……」

 俺と女……母親を囲んで立った男三人に急かされて、ペコペコと米搗蝗虫コメツキバッタの様に頭を上下させた母親おんなは再び俺を数回ほど引っ叩いてから上半身の服を剥ぎ取った。

 「……」

 俺は厳めしい顔つきの大人達に睨まれ、唯一の身内であるはずの母親おんなにはもっと憎悪の籠もった目で見据えられながら……

 上半身裸でそこに佇んでいた。

 「……」

 途中から抵抗は止めた。

 ぶたれるのが怖いんじゃ無い。

 それはもう……馴れた。

 「……」

 ただ……こんな状況でも……

 まだこの女に母親を望んでいる俺は……

 ――多分、嫌われたくなかったのだろう

 「てる様」

 俺が大人しくなった事を確認した男達はスッと横にズレて、ある人物を俺の前に促す。

 「……」

 当時の俺……

 六、七歳ほどの俺には壁のように感じる威圧的な大人の男達。

 その隙間から同い年くらいの、一人の少女が姿を現す。

 「……」

 ――ってる

 俺はっている。

 といっても一方通行だけど……

 俺は確かにこの娘をっていた。


 「両腕を肩の高さに上げて、上を向いて」

 少女の小さい唇が動き、感情の乏しい声で俺にそう語りかけてくる。

 「……」

 無言でそれに従う俺。

 「……」

 「っ!?」

 ――あれ……?微笑わらった?

 当時の俺は一瞬だけど、そう感じた。

 ――けどそれは勘違いだったろう

 その少女は俺がっている通り、記憶にある通り……

 きっと無表情で俺の前に立っているだけだったはずだ。

 「……」

 大きめの潤んだ瞳は少し垂れぎみであり、ちょこんとした可愛らしい鼻と綻んだ桃の花のように淡い香りがしそうな優しい唇の可憐な少女。

 サラサラと煌めく栗色の髪が愛らしい容姿によく似合っている。

 一見、どう見ても年端もいかぬ可愛らしい少女だが……

 「……」

 ――俺はっている……

 いや、この施設の人間なら全員が知っているだろう。

 ――この少女が”そんな可愛らしいたぐいの存在で無い”ことを……


 「……始めます」

 無表情なまま、そう呟いた少女は俺の裸の胸……

 ここにはいない父親から刻まれた数々の惨たらしい傷に……触れた。

 「!」

 少女の白い指が傷を薄らと伝い……そこから何か……

 わからない波が俺の体に染みこむように……馴染んでくる。

 「うぁ……」

 痛みでは無い。

 普通は経験することが無いだろう、心地良さからくる違和感に情けない声を漏らした俺の視線の先には……

 「……」

 ――あおい……

 深い深海へと続く、いずれ無へ至るだろう鮮やかなあお

 緩やかに死を連想させるそれは、慈愛に満ちたあおの世界……

 ――あお……の瞳

 ”そういう”色に変貌した少女の双瞳ひとみ

 「……」

 当時の俺は、そんな少女に施術を受けながら――

 単純に”こんな宝石を図鑑で見たことがあるなぁ”とか思っていたものだ。

 ――なんだっけ?

 ――ええと……

 ――そうだ!たしか……らぴ……すり?

 ――瑠璃ラピスラズリだ!瑠璃色ラピスラズリ双瞳ひとみ!!


 「…………終わりました。次の方を」

 俺がほうけがちで少女に見惚れている間にその行為は終わっていた。

 ――

 途端にサッと肩を掴まれ、俺は大人の男に雑に横にどかされた。

 母親は先ほどにも増して何度も何度も頭を下げてはブツブツと念仏の様に呟いている。

 「てる様、有り難う御座います……ああてる様……てる様……」

 いや、それは”よう”では無くまさに念仏そのもの。

 六花むつのはな てるという神秘の力を授かった……

 教団の”現つ神あきつかみ”に捧げる言葉であった。


 「……」

 その時分の折山おりやま家は両親と俺の三人家族だった。

 父親はろくに働かず。酒、ギャンブル、女と絵に描いたようなクズだった。

 そして生活のためなのか、それとも生来そういう女なのか、母親は父親の留守に男を連れ込んでは情事を繰り返し、その相手に”はした金”を無心する毎日……

 当然、家庭内は争いが絶えず……

 やがてその矛先は子供だった俺に向いた。


 母親に行いを責められた父親の腹いせに蹴り飛ばされ……

 父親に殴られた母親のストレス先として殴られ……


 身体からだに大きな傷の残るような時は病院では無く、母親が入信しているこの教団に連れて来られた。

 傷の治療は勿論俺の為では無い。

 世間の目を逃れるためだ。


 教団……”蛍燦けいさん会”には奇跡を起こせる癒やしの少女がいる。

 俺は母親がこの教団に入信し、何度か連れられて来た時々で遠目からその少女を見ることがあったが、話した事は無い。

 今日のような酷い怪我をした時は、こうして治療として施術を受けられるのだが……

 その時も言葉を交わすなんて不敬なことは”一信者”の子供”なんかには許されていない。

 ――その少女も……

 ――俺とそんなに年の変わらなさそうな少女も……

 それを習知しているのだろう。

 無表情で黙々と施術を行い、それらが全て終わればさっさと奥の間に姿を消す。

 ――まれなくらい可愛らしい少女

 俺はその少女を初めて見たとき、子供心にも”話してみたい!”とか思ったりもしたが……

 今はもうそんなことは微塵も思わない。


 ――何故?

 簡単だ。

 彼女は”神様”だから……


 本当のところは子供の俺には解らなかったが、母親がそう言って盲目的に敬い、周りの大人達が付き従い……

 ――彼女は実際に奇跡を起こす

 それは当時の俺にとっては……本当に手の届かない存在の証明。

 いや、当時の俺に手の届くモノなんてそもそも有りはしなかったけど……


 「……」

 ――それは現在いまも……大差ないか

 俺は独り自嘲すると再びまぶたを閉じる。

 ――

 俺の睡眠時間は三時間ほど……

 一般的には決して十分とは言えない時間だ。

 だからこそか、今まで寝付きは良い方だったんだが……

 今夜は一向にそうすることが出来ないでいた。

 「………………」

 目を閉じた俺はもう無理に眠ることは諦め、睡魔が襲ってくるまでは暫く、自身の”くだらない思い出”に付き合うことにしたのだった。


 ――そうだな……

 かく、そういう存在だった彼女が……

 ”蛍燦けいさん会”には六花むつのはな てるという少女がいた。


 そして実は、彼女との接点が俺には過去に”一度だけ”ある。

 多くの信者の一人……

 その子供の俺の事など彼女は憶えてもいないだろうが。

 俺が学園であいつに再会したときもそうだったように。

 「…………影薄いのか?俺」

 そんなことを色々と考えながら俺の意識は次第に微睡まどろんでいった。

 ――
 ―


 「たぶん、こうっ!こうか?……いや、こうだっ!!」

 子供の俺はバシッ!と壁を蹴って、その反動で逆方向の空中で高々と右足をあげる!

 ブオッ!

 これは世間で言うところの”三角飛び蹴り”だ。

 「やった!出来たっ!ひっっさーーつ…………って、ええっ!?」

 空中で無理な姿勢を取ったため、俺はそのままバランスを崩して落下する。

 ――どぢゃっ!

 無様な格好で顔から着地した俺は……泥だらけだった。

 「くっ……なんだよ!これっ!?」

 その日は土砂降りの雨の次の日……

 舗装もされていない地面は泥溜まりだった。

 「くそっ……わわっ!?」

 慌てて立ち上がろうとした俺は泥に足を取られ、今度は背中から倒れる。

 ――ずちゃっ!

 「……」

 俺は今度は直ぐには立ち上がらなかった。

 すっかり変色して重くなった服のまま――

 「……」

 俺は暫く、昨日とは打って変わった青い空を見上げていた。

 「どうでもいいや……もう……どうせ泥だらけなんだ」

 そうしてゆっくりと状態を起こした俺の視線の先には……

 「くすくす」

 口元を押さえて笑う一人の少女の姿。

 「……」

 大きめの瞳は少し垂れぎみで、ちょこんとした可愛らしい鼻と綻んだ桃の花のように淡い香りがしそうな優しい唇の…………可憐な少女。

 サラサラと煌めく栗色の髪が愛らしい容姿によく似合う、薄いピンクのワンピースを着た可愛らしい少女がいつの間にかそこにいたのだ。

 「な、なんだよ!見てたのか!?」

 思わず見蕩みとれれてしまったことを誤魔化すように怒鳴る俺。

 「う、うん……ごめんね。なんかキミが変な踊りを踊っているところから……くすくす」

 ――変な踊りっ!? 

 俺は瞬間的に頭にきた!

 苦労して練習していた俺の”必殺技”を変な踊り!?

 「あのなっ!あれは”せいとうは正義のダークヒーロー、キングカイザー”の必殺技で、キングカイザー・ブレイク・クリムゾン・ブラック・シュートだぞっ!!」

 泥の滴をまき散らしながら身振り手振りで流行のテレビヒーローの必殺技とやら、それを示して叫ぶ俺に少女は大きな瞳を丸くする。

 「ぷっ!あははっ」

 今度は行儀悪く、少女は可愛らしい小さい口を開けて笑っていた。

 「なっなんだよっ!」

 「だって……おかしいから」

 「だからなにがっ!?」

 「正統派なのにダークヒーローってなに?」

 「……え?」

 その指摘に頭が真っ白になる。

 ――あれ?なんかおかしいのか?それ?

 「あと”クリムゾン・ブラック”って、赤なの黒なの?」

 ――え?え?

 混乱する俺に矢継ぎ早に真っ当なツッコミを続ける少女。

 「極めつけはねぇ……」

 一変してキョトンするだけの俺を見るのが楽しいのか、少女は勿体つけた言い方と共に腰に手を当てて、もう片方の手の人差し指を泥の中の俺に向けた。

 「そもそも”キングカイザー”って?”王様皇帝”って何者?あははっ!偉すぎるよ!そのひと」

 少女はもう楽しくて楽しくて仕方ないのか、垂れ目気味の瞳に……

 綺麗で大きな瞳に涙を溜めて笑っていた。

 「…………う、うぅ」

 俺は……俺はと言うと……

 泥の中で黙ってしまう。

 夢見る幼気いたいけな少年に対する完全なる論破オーバーキルだ!

 「う……うぅ」

 未だ尻餅をついた状態で……

 幼かった俺には難しい言葉で……

 でも、なんとなく間違いを指摘されているのは解って、言い返す言葉の無い俺は……

 唯一ギラギラとさせていた瞳さえ伏せて黙ってしまう。

 「うう……ぐす……うぅ」

 ――そうだ、俺は……

 「うぅ……」

 ――当時の俺は下を向いてばかりいた


 「……」

 「……」

 ――

 「……え?」

 そんな俺を見ていた少女はいつの間にか笑うのを止め、静かに右手を俺に差し出す。

 「え……と……あの……ごめんね?」

 「う……ぐす……??」

 戸惑う俺に、右手を差し出したままの少女はニッコリと微笑んだ。

 「う……うぅ」

 俺は怖ず怖ずとその手を取る。

 「う…………ぁ」

 柔らかくて綺麗な手。

 白い……華奢な手。

 泥だらけの俺の手で汚してしまうのは、子供の俺でも戸惑われるような……

 白くて可愛らしい手だった。

 「キミ……知ってるよ。折山おりやま……えっと……太郎たろう……くん?」

 ――っ!?

 突然名を呼ばれ……

 いや、正確には間違っていたけども……

 とにかく、何故か俺の名を知る少女に俺は驚いて思わず……

 ――ずりゅっ!

 「わっ!」

 「きゃっ!」

 ――ばしゃっ!!

 再び足元がお留守になった俺は彼女を巻き込んで盛大に泥の中にダイブしていた。

 「ごっ!ごめんっ!!だ、だいじょうぶ!?そ……その……」

 慌てて相手を確認する俺に――

 綺麗なワンピースの服も、白い手も足も……

 そして可愛らしい顔も……

 「えへへ……お仲間になっちゃったね、キミと……」

 泥にまみれた少女は、それでも――

 「……」

 俺が馬鹿みたいに口を開けて見蕩れるほどに……可愛らしく微笑んでいた。


 ――ああ……しってる

 ――俺はってる……このを……

 大きめの潤んだ瞳は少し垂れぎみであり、ちょこんとした可愛らしい鼻と綻んだ桃の花のように淡い香りがしそうな優しい唇の可憐な少女。

 サラサラと煌めく栗色の髪が愛らしい容姿によく似合っている。

 一見、どう見ても小さくて可愛らしい少女だけど……


 ――俺はってる

 そうだ、この施設の人間だったらみんなが……


 ――この……

 六花むつのはな てるが、そんな可愛らしい種類の女の子で無い事を……

第29話「瑠璃るりの少女」END
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

あの日、幼稚園児を助けたけど、歳の差があり過ぎてその子が俺の運命の人になるなんて気付くはずがない。

NOV
恋愛
俺の名前は鎌田亮二、18歳の普通の高校3年生だ。 中学1年の夏休みに俺は小さい頃から片思いをしている幼馴染や友人達と遊園地に遊びに来ていた。 しかし俺の目の前で大きなぬいぐるみを持った女の子が泣いていたので俺は迷子だと思いその子に声をかける。そして流れで俺は女の子の手を引きながら案内所まで連れて行く事になった。 助けた女の子の名前は『カナちゃん』といって、とても可愛らしい女の子だ。 無事に両親にカナちゃんを引き合わす事ができた俺は安心して友人達の所へ戻ろうとしたが、別れ間際にカナちゃんが俺の太ももに抱き着いてきた。そしてカナちゃんは大切なぬいぐるみを俺にくれたんだ。 だから俺もお返しに小学生の頃からリュックにつけている小さなペンギンのぬいぐるみを外してカナちゃんに手渡した。 この時、お互いの名前を忘れないようにぬいぐるみの呼び名を『カナちゃん』『りょうくん』と呼ぶ約束をして別れるのだった。 この時の俺はカナちゃんとはたまたま出会い、そしてたまたま助けただけで、もう二度とカナちゃんと会う事は無いだろうと思っていたんだ。だから当然、カナちゃんの事を運命の人だなんて思うはずもない。それにカナちゃんの初恋の相手が俺でずっと想ってくれていたなんて考えたことも無かった…… 7歳差の恋、共に大人へと成長していく二人に奇跡は起こるのか? NOVがおおくりする『タイムリープ&純愛作品第三弾(三部作完結編)』今ここに感動のラブストーリーが始まる。 ※この作品だけを読まれても普通に面白いです。 関連小説【初恋の先生と結婚する為に幼稚園児からやり直すことになった俺】     【幼馴染の彼に好きって伝える為、幼稚園児からやり直す私】

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~

Gaku
ファンタジー
「次の人生は、自由に走り回れる丈夫な体が欲しい」 病室で短い生涯を終えた僕、ガクの切実な願いは、神様のちょっとした(?)サービスで、とんでもなく盛大な形で叶えられた。 気がつけば、そこは剣と魔法が息づく異世界。貴族の三男として、念願の健康な体と、ついでに規格外の魔力を手に入れていた! これでようやく、平和で自堕落なスローライフが送れる――はずだった。 だが、僕には一つ、致命的な欠点があった。それは、この世界の魔法に関する常識が、綺麗さっぱりゼロだったこと。 皆が必死に唱える「詠唱」を、僕は「気合を入れるためのおまじない」だと勘違い。僕の魔法理論は、いつだって「体内のエネルギーを、ぐわーっと集めて、どーん!」。 その結果、 うっかり放った火の玉で、屋敷の壁に風穴を開けてしまう。 慌てて土魔法で修復すれば、なぜか元の壁より遥かに豪華絢爛な『匠の壁』が爆誕し、屋敷の新たな観光名所に。 「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。 僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに! 行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。 そんな僕が、ついに魔法学園へ入学! 当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート! しかし、そんな規格外な僕に興味を持つ、二人の変わり者が現れた。 魔法の真理を探求する理論オタクの「レオ」と、強者との戦いを求める猪突猛進な武闘派女子の「アンナ」。 この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――! 勘違いと無自覚チートで、知らず知らずのうちに世界を震撼させる! 腹筋崩壊のドタバタコメディを軸に、個性的な仲間たちとの友情、そして、世界の謎に迫る大冒険が、今、始まる!

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

僕の異世界攻略〜神の修行でブラッシュアップ〜

リョウ
ファンタジー
 僕は十年程闘病の末、あの世に。  そこで出会った神様に手違いで寿命が縮められたという説明をされ、地球で幸せな転生をする事になった…が何故か異世界転生してしまう。なんでだ?  幸い優しい両親と、兄と姉に囲まれ事なきを得たのだが、兄達が優秀で僕はいずれ家を出てかなきゃいけないみたい。そんな空気を読んだ僕は将来の為努力をしはじめるのだが……。   ※画像はAI作成しました。 ※現在毎日2話投稿。11時と19時にしております。

異世界帰りの少年は現実世界で冒険者になる

家高菜
ファンタジー
ある日突然、異世界に勇者として召喚された平凡な中学生の小鳥遊優人。 召喚者は優人を含めた5人の勇者に魔王討伐を依頼してきて、優人たちは魔王討伐を引き受ける。 多くの人々の助けを借り4年の月日を経て魔王討伐を成し遂げた優人たちは、なんとか元の世界に帰還を果たした。 しかし優人が帰還した世界には元々は無かったはずのダンジョンと、ダンジョンを探索するのを生業とする冒険者という職業が存在していた。 何故かダンジョンを探索する冒険者を育成する『冒険者育成学園』に入学することになった優人は、新たな仲間と共に冒険に身を投じるのであった。

ダンジョントランスポーター ~ 現代に現れたダンジョンに潜ったらレベル999の天使に憑依されて運び屋になってしまった

海道一人
ファンタジー
二十年前、地球の各地に突然異世界とつながるダンジョンが出現した。 ダンジョンから持って出られるのは無機物のみだったが、それらは地球上には存在しない人類の科学や技術を数世代進ませるほどのものばかりだった。 そして現在、一獲千金を求めた探索者が世界中でダンジョンに潜るようになっていて、彼らは自らを冒険者と呼称していた。 主人公、天城 翔琉《あまぎ かける》はよんどころない事情からお金を稼ぐためにダンジョンに潜ることを決意する。 ダンジョン探索を続ける中で翔琉は羽の生えた不思議な生き物に出会い、憑依されてしまう。 それはダンジョンの最深部九九九層からやってきたという天使で、憑依された事で翔は新たなジョブ《運び屋》を手に入れる。 ダンジョンで最強の力を持つ天使に憑依された翔琉は様々な事件に巻き込まれていくのだった。

処理中です...