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第一章
王女殿下の誕生日(中)
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「…そろそろ戻らないといけませんね。」
アロンダイトはともかく、本日の主役であるティターニアが式典に遅刻するわけにはいかない。
「…もう少し2人っきりでお祝いしたかったのですが…仕方ないですね…。」
ソファから立ち上がろうとしていたティターニアの耳元に唇を寄せてアロンダイトは名残惜しそうに呟いた。
ティターニアの顔は湯気が出そうなくらいに赤い。
「…もう、からかわないでくださいませ…。」
「酷いな、本心なのに。…それに、余計な肩の力は抜けたでしょう?」
悪びれる様子のないアロンダイトにティターニアは頬を膨らませてみせたが、ふいに目と目があった瞬間2人とも笑いだしてしまった。
ひとしきり笑った後、図書室のドアを開けて2人は廊下に出る。
ティターニアの部屋に向かって2人で歩いていると、近くから数名の少女の声が聞こえた。
きっと今日の式典に出席する令嬢たちだろう。
思わず2人は物陰に身を隠した。
令嬢たちは2人に全く気づく様子もなくお喋りを続けている。
「そういえば、ご存知?王女殿下とカマエメラム伯爵家のアロンダイト様のお噂。」
「ええもちろん、存じておりますわ!」
「何ですの?わたくしは知りませんわ。」
「まぁ、コーラル様はご存知ないんですの?」
令嬢たちが自分たちの噂話を始めたことにぎょっとするアロンダイト。ティターニアは何を思っているのか表情を変えることなく黙っている。
噂の張本人2人が近くに居ることも知らず、令嬢たちは噂話で盛り上がっていた。
「あのノマドの騎士様が今度は王女殿下に言い寄ってらっしゃるとか。」
「まぁ…王女殿下と言ったら…あの“黒百合の魔女”でしょう?アロンダイト様も物好きでいらっしゃるわねぇ…。」
「美味しいものばかり食べていたら、たまに変わったものが食べたくなるって言うじゃない?きっとそれですわ。」
クスクスと笑い合う令嬢たちの姿にアロンダイトは堪えきれずに飛び出そうとしたが、ティターニアがそれを制した。
アロンダイトの腕を掴んで、ティターニアは首を振る。
しぶしぶアロンダイトが出て行くのをやめると、ティターニアは意外な行動をとった。
「…皆様ごきげんよう。ずいぶん楽しそうにお話されてますわね。」
物陰から出たティターニアは、胸を張りしっかりと令嬢たちを見据えて言い放つ。
そんなティターニアに令嬢たちだけでなく、置いてきぼりを食らったアロンダイトも唖然としていた。
「そのお話…わたくしも混ぜてくださらないかしら?」
落ち着いたトーンでニッコリと微笑みながら話すティターニアの何と堂々としたことか。
逆に令嬢たちは青ざめて慌てふためいている。
「もっ…申し訳ありませんでしたーっ…!!」
ひとりの令嬢がそう叫んで脱兎のごとく走り去ると、ほかの令嬢も同じように謝罪の言葉を述べて逃げ去っていった。
令嬢たちの姿が見えなくなると、気が抜けたティターニアはへなへなと座り込んでしまう。
そこに慌ててアロンダイトが駆け寄った。
「…大丈夫ですか!?」
「ええ、わたくしは大丈夫です…。ただ…。」
ティターニアは何かを言いかけて言葉に詰まる。そんな彼女の身体は小刻みに震えていた。
アロンダイトは思わずティターニアの肩を抱き締める。
「とりあえずお部屋に戻りましょう?戻りが遅いと使用人たちも心配しているかもしれません。」
アロンダイトはティターニアを立ち上がらせると、支えるように腰に手を回しティターニアの部屋へと向かう。
ティターニアの部屋に着くとメイドのサラが2人分の紅茶を用意して待っていた。
途中ティターニアたちを探しに来ていたサラと出くわし、軽く事情を話してティターニアが落ち着けるように先に部屋に戻って温かい紅茶を用意しておいて欲しいと頼んでいたのだ。
「…少し2人にしてもらえるだろうか…?」
アロンダイトにそう言われて、サラは少し思案する。未婚の女性、しかも王女が自室で男性と2人きりというのはいかがなものだろうか、と。まぁいつも図書室でティターニアとアロンダイトは2人きりになっているので今更なのだが。
「…サラ、少しだけ…下がっていて貰える?」
悩んでいたところで主であるティターニアからそう言われ、サラは下がることにした。
「何かあればすぐにお呼びくださいね…。」
そう言ってサラは部屋から出て行った。
残されたのはティターニアとアロンダイトだけ。
「…ごめんなさい…。」
「どうしてティターニア様が謝るのですか?」
今にも泣き出しそうな表情で謝るティターニア。だがアロンダイトはティターニアが何故謝っているのかわからない。
「…わたくしの…っ…。わたくしのせいで…アロン様まであのように…。」
「そのようなことは…。」
先ほどのことでティターニアは自分を責めているようだった。アロンダイトはティターニアのせいだなんて全く思っていないのに。
むしろアロンダイトは自分のせいでティターニアを巻き込んでしまったと考えていた。
アロンダイトは今まで人目も気にせずたくさんの女性を口説いてきた。それ故にアロンダイトは女性関係の噂が絶えることはなかった。
それは単に女遊びが好きだからというだけでなく、いい加減で不真面目な自分をまわりに印象づけるためにわざと目立つようにしていたところもあったのだ。
その作戦は成功したのだが、まさかこんな弊害が出るなんて…ティターニアを巻き込んでしまうなんて考えが及ばなかった。
そしてそれをティターニアが自分のせいだと自身を責めてしまうなんて…。
「…やはり、わたくし達は親しくするべきではなかったのです…。」
「ティターニア様?それはどういう…。」
ふるふると唇を噛み締め俯くティターニア。
アロンダイトはティターニアの言葉に呆然とする。少し前まではあんなに笑いあっていたのに。やはり今回のことで自分のことが嫌になったのだろうか、とアロンダイトが考えていると…。
「わたくしのそばに居ると皆辛い思いをしてしまう…。わたくしが…わたくしの見た目が人とは違うから…っ…。」
「ティターニア様…。」
「父も母も…わたくしに良くしてくれる使用人も…。そして…わたくしの味方だと言ってくださったアロン様も…皆…。」
ティターニアの目からは涙がはらはらと零れ落ちる。ティターニアはアロンダイトのことが嫌になったのではなかった。
ただ自分と一緒に居ることでアロンダイトが傷つくのを恐れていたのだ。
「そんなにご自分を責めないでください。1番辛い思いをされているのはティターニア様ご自身なのに…。」
「わたくしは何を言われても良いのです。魔女と呼ばれても、悪魔憑きだと罵られても…。ただ…わたくしのせいで大切な人たちまでもが悪く言われてしまうのが辛いのです。」
「ティターニア様…。」
「父は世継ぎが黒髪だなんてと言われ、母などは化け物を産んだと罵られました。わたくしに良くしてくれる使用人たちは魔女の手下だと蔑まれ…アロン様もあのように…っ…。」
アロンダイトはずっと勘違いしていた。人前に出ないのも、前髪で顔を隠しているのも、ティターニア自身がまわりから奇異の目を向けられることが嫌なのだとアロンダイトは思っていたのだが、それは違った。
ティターニアは自分と関わる者が自身のせいで悪く言われてしまうのが嫌だから、人前に出ずなるべく誰とも関わらないようにしていたのだ。前髪で顔を隠していたのも、自分が黒髪であるだけでも父親や母親たちが色々言われている状況で更に何か言われるのを危惧してのことだったのかもしれない。
(俺は何もわかっていなかった。)
自分は何を言われても良いと言ったティターニア。
(何を言われても良いなんて…きっとそんなことはないはずだ…。)
平気な訳がない。1番辛いのは、苦しんでるのはティターニア自身のはずなのに。
でもそれ以上に彼女は自分の大切な者たちが傷つく方が嫌だと泣いた。そしてその大切な者の中にアロンダイトも入っているのだ。
(…俺は貴女を利用としていたのに。)
俯いて涙を零すティターニアを、アロンダイトは胸を締め付けられるような思いでただただ眺めることしか出来なかった。
アロンダイトはともかく、本日の主役であるティターニアが式典に遅刻するわけにはいかない。
「…もう少し2人っきりでお祝いしたかったのですが…仕方ないですね…。」
ソファから立ち上がろうとしていたティターニアの耳元に唇を寄せてアロンダイトは名残惜しそうに呟いた。
ティターニアの顔は湯気が出そうなくらいに赤い。
「…もう、からかわないでくださいませ…。」
「酷いな、本心なのに。…それに、余計な肩の力は抜けたでしょう?」
悪びれる様子のないアロンダイトにティターニアは頬を膨らませてみせたが、ふいに目と目があった瞬間2人とも笑いだしてしまった。
ひとしきり笑った後、図書室のドアを開けて2人は廊下に出る。
ティターニアの部屋に向かって2人で歩いていると、近くから数名の少女の声が聞こえた。
きっと今日の式典に出席する令嬢たちだろう。
思わず2人は物陰に身を隠した。
令嬢たちは2人に全く気づく様子もなくお喋りを続けている。
「そういえば、ご存知?王女殿下とカマエメラム伯爵家のアロンダイト様のお噂。」
「ええもちろん、存じておりますわ!」
「何ですの?わたくしは知りませんわ。」
「まぁ、コーラル様はご存知ないんですの?」
令嬢たちが自分たちの噂話を始めたことにぎょっとするアロンダイト。ティターニアは何を思っているのか表情を変えることなく黙っている。
噂の張本人2人が近くに居ることも知らず、令嬢たちは噂話で盛り上がっていた。
「あのノマドの騎士様が今度は王女殿下に言い寄ってらっしゃるとか。」
「まぁ…王女殿下と言ったら…あの“黒百合の魔女”でしょう?アロンダイト様も物好きでいらっしゃるわねぇ…。」
「美味しいものばかり食べていたら、たまに変わったものが食べたくなるって言うじゃない?きっとそれですわ。」
クスクスと笑い合う令嬢たちの姿にアロンダイトは堪えきれずに飛び出そうとしたが、ティターニアがそれを制した。
アロンダイトの腕を掴んで、ティターニアは首を振る。
しぶしぶアロンダイトが出て行くのをやめると、ティターニアは意外な行動をとった。
「…皆様ごきげんよう。ずいぶん楽しそうにお話されてますわね。」
物陰から出たティターニアは、胸を張りしっかりと令嬢たちを見据えて言い放つ。
そんなティターニアに令嬢たちだけでなく、置いてきぼりを食らったアロンダイトも唖然としていた。
「そのお話…わたくしも混ぜてくださらないかしら?」
落ち着いたトーンでニッコリと微笑みながら話すティターニアの何と堂々としたことか。
逆に令嬢たちは青ざめて慌てふためいている。
「もっ…申し訳ありませんでしたーっ…!!」
ひとりの令嬢がそう叫んで脱兎のごとく走り去ると、ほかの令嬢も同じように謝罪の言葉を述べて逃げ去っていった。
令嬢たちの姿が見えなくなると、気が抜けたティターニアはへなへなと座り込んでしまう。
そこに慌ててアロンダイトが駆け寄った。
「…大丈夫ですか!?」
「ええ、わたくしは大丈夫です…。ただ…。」
ティターニアは何かを言いかけて言葉に詰まる。そんな彼女の身体は小刻みに震えていた。
アロンダイトは思わずティターニアの肩を抱き締める。
「とりあえずお部屋に戻りましょう?戻りが遅いと使用人たちも心配しているかもしれません。」
アロンダイトはティターニアを立ち上がらせると、支えるように腰に手を回しティターニアの部屋へと向かう。
ティターニアの部屋に着くとメイドのサラが2人分の紅茶を用意して待っていた。
途中ティターニアたちを探しに来ていたサラと出くわし、軽く事情を話してティターニアが落ち着けるように先に部屋に戻って温かい紅茶を用意しておいて欲しいと頼んでいたのだ。
「…少し2人にしてもらえるだろうか…?」
アロンダイトにそう言われて、サラは少し思案する。未婚の女性、しかも王女が自室で男性と2人きりというのはいかがなものだろうか、と。まぁいつも図書室でティターニアとアロンダイトは2人きりになっているので今更なのだが。
「…サラ、少しだけ…下がっていて貰える?」
悩んでいたところで主であるティターニアからそう言われ、サラは下がることにした。
「何かあればすぐにお呼びくださいね…。」
そう言ってサラは部屋から出て行った。
残されたのはティターニアとアロンダイトだけ。
「…ごめんなさい…。」
「どうしてティターニア様が謝るのですか?」
今にも泣き出しそうな表情で謝るティターニア。だがアロンダイトはティターニアが何故謝っているのかわからない。
「…わたくしの…っ…。わたくしのせいで…アロン様まであのように…。」
「そのようなことは…。」
先ほどのことでティターニアは自分を責めているようだった。アロンダイトはティターニアのせいだなんて全く思っていないのに。
むしろアロンダイトは自分のせいでティターニアを巻き込んでしまったと考えていた。
アロンダイトは今まで人目も気にせずたくさんの女性を口説いてきた。それ故にアロンダイトは女性関係の噂が絶えることはなかった。
それは単に女遊びが好きだからというだけでなく、いい加減で不真面目な自分をまわりに印象づけるためにわざと目立つようにしていたところもあったのだ。
その作戦は成功したのだが、まさかこんな弊害が出るなんて…ティターニアを巻き込んでしまうなんて考えが及ばなかった。
そしてそれをティターニアが自分のせいだと自身を責めてしまうなんて…。
「…やはり、わたくし達は親しくするべきではなかったのです…。」
「ティターニア様?それはどういう…。」
ふるふると唇を噛み締め俯くティターニア。
アロンダイトはティターニアの言葉に呆然とする。少し前まではあんなに笑いあっていたのに。やはり今回のことで自分のことが嫌になったのだろうか、とアロンダイトが考えていると…。
「わたくしのそばに居ると皆辛い思いをしてしまう…。わたくしが…わたくしの見た目が人とは違うから…っ…。」
「ティターニア様…。」
「父も母も…わたくしに良くしてくれる使用人も…。そして…わたくしの味方だと言ってくださったアロン様も…皆…。」
ティターニアの目からは涙がはらはらと零れ落ちる。ティターニアはアロンダイトのことが嫌になったのではなかった。
ただ自分と一緒に居ることでアロンダイトが傷つくのを恐れていたのだ。
「そんなにご自分を責めないでください。1番辛い思いをされているのはティターニア様ご自身なのに…。」
「わたくしは何を言われても良いのです。魔女と呼ばれても、悪魔憑きだと罵られても…。ただ…わたくしのせいで大切な人たちまでもが悪く言われてしまうのが辛いのです。」
「ティターニア様…。」
「父は世継ぎが黒髪だなんてと言われ、母などは化け物を産んだと罵られました。わたくしに良くしてくれる使用人たちは魔女の手下だと蔑まれ…アロン様もあのように…っ…。」
アロンダイトはずっと勘違いしていた。人前に出ないのも、前髪で顔を隠しているのも、ティターニア自身がまわりから奇異の目を向けられることが嫌なのだとアロンダイトは思っていたのだが、それは違った。
ティターニアは自分と関わる者が自身のせいで悪く言われてしまうのが嫌だから、人前に出ずなるべく誰とも関わらないようにしていたのだ。前髪で顔を隠していたのも、自分が黒髪であるだけでも父親や母親たちが色々言われている状況で更に何か言われるのを危惧してのことだったのかもしれない。
(俺は何もわかっていなかった。)
自分は何を言われても良いと言ったティターニア。
(何を言われても良いなんて…きっとそんなことはないはずだ…。)
平気な訳がない。1番辛いのは、苦しんでるのはティターニア自身のはずなのに。
でもそれ以上に彼女は自分の大切な者たちが傷つく方が嫌だと泣いた。そしてその大切な者の中にアロンダイトも入っているのだ。
(…俺は貴女を利用としていたのに。)
俯いて涙を零すティターニアを、アロンダイトは胸を締め付けられるような思いでただただ眺めることしか出来なかった。
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