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本当に好きなのですね。
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今日の任務は、とあるバーでの拳銃の取引に乗り込み、妨害すること。
で、突入の合図をヴェインと待っているわけだが。
「ねえねえ、こっち向いてよ。」
「やだ。手離せ。キモい。」
何故か手をガッチリ握られている。振り解こうとしたいが、あまり大きな動きは出来ない。
それをわかってやっているのだろう。
「ねえねえ、今思いついたんだけどさ。」
「なに?っていうか手、離せって。」
ヴェインは俺の言葉に耳をかさない。一体こいつは何をしたいんだか。
ふと、ミスターの言葉を思い出した。
『βさ、マジでヴェインに愛されてんな。』
……いやいやいや、それはない。
第一に俺には好かれるような要素もないし、仮に俺なんかを好きになるような物好きだったとしても、おかしいだろう。
あの日、キ、キ、キs…。
あんなことされたあと、
(決して恥ずかしかったから言い換えたわけではない)
ヴェインは何もなかったような対応だったのだから。
普通、好きでしたんだったら、何かしらはあるべきだろう。それくらい恋愛初心者の俺でもわかる。
でも、あいつは俺を揶揄うためだけにあんな事をするのか?
俺が悶々と考えている間も、手は繋がれたままだった。
「βって左利きじゃん?だからさ、βの右手と俺の左手繋いだままで任務できるんじゃない?」
「何 馬鹿なこと言ってんだよ。」
「あ、合図きた。」
ナイスタイミング!これで手を振り解け___
「手、離しちゃうの?あー、そっかβは片手塞がるくらいで相手に負けちゃうのか。ごめんごめん。」
「…は?お前、俺のことなめてんの?」
昔から、すぐに挑発にのるところ、マジで直そう。
足元に転がった人間達と繋がれたままの右手を見て、そう誓った。
「ほんとに手、繋いで殺れちゃった。俺たち、やっぱ相性いいかも。」
なんて言いながらヴェインは満足そうに笑っていた。
「あ゛?」
「やだー、怖い顔。可愛いのが台無し…にならないな。怖い顔でもかわいい。天使だ。」
俺は呆れながら、聞いた。
「お前さ、こういうことして、何が目的?」
「目的?俺はただ、可愛いから言ってるだけだよ?可愛いものを愛でるのは普通でしょ?」
ヴェインは、何言ってんの?とでも言いたそうな顔で堂々と答えた。
「俺は決して、可愛くない。」
「ぐふふ、そういうところも愛らしいよ。」
「キモい笑い方すんな。それに、愛らしいってなんだよ。」
そして、ヴェインは繋いでいた手を離し、その手を俺の顎に添え、少し上にある自身に目線をあわせるように動かした。
「βがとっても可愛いから、俺は手を繋ぎたいし、この前みたいに、キスもしたいんだよ。」
「っはぁ⁉︎」
俺は慌ててヴェインの顔を思い切り両手で押さえた。
「これは、からかいの域を超えてる。こんなことして何が楽しい。」
俺が顔を背けながら言うと、ヴェインはくすくすと笑いながら言った。
「ごめんごめん、βがかわいくて。もう断りなくこういうのはしないから、警戒しないで。」
先ほどの任務で乱れたままだった服を直したのち、少々困惑している俺を振り返った。
「でもね、βのことは本気で好きなんだよ。今はまだ、深く考えなくてもいいけど、ちゃんとわかってて欲しい。」
そしてヴェインは、じゃあ戻ろっか、なんて言っていつもの調子に戻って、本部に連絡をしだした。
俺は1人、感じたことのない感覚に戸惑っていた。
胸がグッとなって、なにかがつかえているような感じがして、心臓が激しく鼓動していた。
この状況に動揺しているのは確かだ。
だが、それ以上に自分自身に驚いていた。
ヴェインの姿にαの影が見えたからだった。
※物語に水をさすようで申し訳ありません。著者です。
だいぶ誤字や誤変換がありますので、コメント等で指摘していただけたら幸いです。
また、コメントに関しましては、感想、今後の展開予想等でも大歓迎です。
で、突入の合図をヴェインと待っているわけだが。
「ねえねえ、こっち向いてよ。」
「やだ。手離せ。キモい。」
何故か手をガッチリ握られている。振り解こうとしたいが、あまり大きな動きは出来ない。
それをわかってやっているのだろう。
「ねえねえ、今思いついたんだけどさ。」
「なに?っていうか手、離せって。」
ヴェインは俺の言葉に耳をかさない。一体こいつは何をしたいんだか。
ふと、ミスターの言葉を思い出した。
『βさ、マジでヴェインに愛されてんな。』
……いやいやいや、それはない。
第一に俺には好かれるような要素もないし、仮に俺なんかを好きになるような物好きだったとしても、おかしいだろう。
あの日、キ、キ、キs…。
あんなことされたあと、
(決して恥ずかしかったから言い換えたわけではない)
ヴェインは何もなかったような対応だったのだから。
普通、好きでしたんだったら、何かしらはあるべきだろう。それくらい恋愛初心者の俺でもわかる。
でも、あいつは俺を揶揄うためだけにあんな事をするのか?
俺が悶々と考えている間も、手は繋がれたままだった。
「βって左利きじゃん?だからさ、βの右手と俺の左手繋いだままで任務できるんじゃない?」
「何 馬鹿なこと言ってんだよ。」
「あ、合図きた。」
ナイスタイミング!これで手を振り解け___
「手、離しちゃうの?あー、そっかβは片手塞がるくらいで相手に負けちゃうのか。ごめんごめん。」
「…は?お前、俺のことなめてんの?」
昔から、すぐに挑発にのるところ、マジで直そう。
足元に転がった人間達と繋がれたままの右手を見て、そう誓った。
「ほんとに手、繋いで殺れちゃった。俺たち、やっぱ相性いいかも。」
なんて言いながらヴェインは満足そうに笑っていた。
「あ゛?」
「やだー、怖い顔。可愛いのが台無し…にならないな。怖い顔でもかわいい。天使だ。」
俺は呆れながら、聞いた。
「お前さ、こういうことして、何が目的?」
「目的?俺はただ、可愛いから言ってるだけだよ?可愛いものを愛でるのは普通でしょ?」
ヴェインは、何言ってんの?とでも言いたそうな顔で堂々と答えた。
「俺は決して、可愛くない。」
「ぐふふ、そういうところも愛らしいよ。」
「キモい笑い方すんな。それに、愛らしいってなんだよ。」
そして、ヴェインは繋いでいた手を離し、その手を俺の顎に添え、少し上にある自身に目線をあわせるように動かした。
「βがとっても可愛いから、俺は手を繋ぎたいし、この前みたいに、キスもしたいんだよ。」
「っはぁ⁉︎」
俺は慌ててヴェインの顔を思い切り両手で押さえた。
「これは、からかいの域を超えてる。こんなことして何が楽しい。」
俺が顔を背けながら言うと、ヴェインはくすくすと笑いながら言った。
「ごめんごめん、βがかわいくて。もう断りなくこういうのはしないから、警戒しないで。」
先ほどの任務で乱れたままだった服を直したのち、少々困惑している俺を振り返った。
「でもね、βのことは本気で好きなんだよ。今はまだ、深く考えなくてもいいけど、ちゃんとわかってて欲しい。」
そしてヴェインは、じゃあ戻ろっか、なんて言っていつもの調子に戻って、本部に連絡をしだした。
俺は1人、感じたことのない感覚に戸惑っていた。
胸がグッとなって、なにかがつかえているような感じがして、心臓が激しく鼓動していた。
この状況に動揺しているのは確かだ。
だが、それ以上に自分自身に驚いていた。
ヴェインの姿にαの影が見えたからだった。
※物語に水をさすようで申し訳ありません。著者です。
だいぶ誤字や誤変換がありますので、コメント等で指摘していただけたら幸いです。
また、コメントに関しましては、感想、今後の展開予想等でも大歓迎です。
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