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信じること 疑うこと
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ミスターにこの前のことを話すと、怪訝そうな顔をして答えた。
「心配って、もしかしてヴェインのやつ、マリーさんが侵入者だとでも思ってんのか。」
「そういうことだと、ミスターも思うよな。」
ミスターにそう返す。
「なんか、あいつ昨日、てか最近変だよな。βも勘付いてるんだろ?」
ミスターに聞かれ、頷く。
「そもそもさ、マリーさんが侵入者なんて考えられないよな。
マリーさんが昨日、βを狙っていたとしたら、あまりにも危険すぎる。自分が当たる確率は十分あるからな。
ただ、言いたくないけど、ヴェインだったら…。」
「まあ、辻褄は合うよな。」
言葉を濁したミスターに俺が続けると、少し暗い顔でまた、話し始めた。
「そう。マリーさんを疑うのはおかしいし、撃ったやつを殺したのも、下手に捕まって情報をもらされないようにするため、とも考えられる。
それに、こんなことが起こるようになったのはあいつが来てからだよな。
…ねえ、もし、ヴェインだったら、どうすんの?」
もし、そうだったら。
「β、ちゃんと殺せる?他の奴らと同じように、出来る?」
ヴェインが俺たちの命を狙っているのだとしたら。
「俺は…。」
なぜだろう。
答えることができなかった。
今までであれば、誰であっても躊躇なく、標的を殺すことができていた。
ただ、今は、あんなに避けていたヴェインに、敵であってほしくないと願ってしまっている。
そんな自分自身に困惑している俺の様子を見て、ミスターは続ける。
「最初から全て仕組まれていたとしたら?
ヴェインが来たことも、αが死んだのも、ヴェインがαに似ているのも、全部計画があったとしたら?」
そして、俺の目を見て、はっきりと告げた。
「私がβなら、絶対許せないよ。」
「心配って、もしかしてヴェインのやつ、マリーさんが侵入者だとでも思ってんのか。」
「そういうことだと、ミスターも思うよな。」
ミスターにそう返す。
「なんか、あいつ昨日、てか最近変だよな。βも勘付いてるんだろ?」
ミスターに聞かれ、頷く。
「そもそもさ、マリーさんが侵入者なんて考えられないよな。
マリーさんが昨日、βを狙っていたとしたら、あまりにも危険すぎる。自分が当たる確率は十分あるからな。
ただ、言いたくないけど、ヴェインだったら…。」
「まあ、辻褄は合うよな。」
言葉を濁したミスターに俺が続けると、少し暗い顔でまた、話し始めた。
「そう。マリーさんを疑うのはおかしいし、撃ったやつを殺したのも、下手に捕まって情報をもらされないようにするため、とも考えられる。
それに、こんなことが起こるようになったのはあいつが来てからだよな。
…ねえ、もし、ヴェインだったら、どうすんの?」
もし、そうだったら。
「β、ちゃんと殺せる?他の奴らと同じように、出来る?」
ヴェインが俺たちの命を狙っているのだとしたら。
「俺は…。」
なぜだろう。
答えることができなかった。
今までであれば、誰であっても躊躇なく、標的を殺すことができていた。
ただ、今は、あんなに避けていたヴェインに、敵であってほしくないと願ってしまっている。
そんな自分自身に困惑している俺の様子を見て、ミスターは続ける。
「最初から全て仕組まれていたとしたら?
ヴェインが来たことも、αが死んだのも、ヴェインがαに似ているのも、全部計画があったとしたら?」
そして、俺の目を見て、はっきりと告げた。
「私がβなら、絶対許せないよ。」
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