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第一幕 断罪の夢
7. 氷と炎
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ライラ嬢の件は、兄と相談してすぐに両親へ報告し、再び父から皇宮へ正式な抗議を行った。だが今度の返答は冷淡なものだった。この国では側妃を迎えるのが常であり、抗議など取るに足らぬといった態度だった。むしろ皇宮からは、私の皇妃としての立場を確かなものにするため、殿下の卒業と同時に婚姻を結ぶべきだという提案があった。それを実現するには、二年で学院を自主退学するか、三年分の課程を二年で修了しなければならない。
私は学院を卒業したかった。学院長と協議の末、一部授業の出席は免除され、試験に合格すれば単位を認められる特例を受けることになった。殿下は火遊びに現を抜かしているのに、私はこれまで以上に勉学に勤しまないといけなくなった。
一方、図書館の一件以降、リアスは何かと私に関わってくるようになった。加えて、授業が戦闘魔法中心になると、私の魔力を真正面から受け止められるのは彼しかおらず、実習でペアを組むことも多くなった。
「ランケア・ゲリダ!!――氷の槍」
私の詠唱と同時に、冷気がほとばしり、無数の氷槍が空気を裂いてリアスをめがけて飛ぶ。大気が一瞬で白く凍りつき、鋭い結晶が光を反射して煌めいた。
「レクイエム・イグニス!――炎の鎮魂歌」
彼の声が響き、紅蓮の炎が波紋となって解き放たれる。氷の槍と衝突した瞬間、轟音とともに眩い閃光が走り、爆ぜた蒸気が視界を覆った。氷と炎がぶつかり合うたびに、甲高い音が弾け、熱と冷気が交錯した。
「……くっ!」
思わず一歩踏み込む。よけきれず、リアスが放った炎が私の左足に迫る。
「熱いっ!」
「ふっ!お前の実力はその程度か?」
リアスが不敵に笑う。コイツにだけは負けたくない。普段こんなことはないのだが、リアスとやり合っているとつい冷静さを欠いてしまう。気づけば私は、さらに魔力を注ぎ込んでいた。その時だった。
「もう、やめなさい!」
先生が止めに入った。見ると周りの他の生徒たちが呆然と立ち尽くしている。しまった、広範囲に魔法を展開し過ぎた。
「君たちがすごいのはよく分かっている。だが、ここは一年生の実習だ。周りに他の生徒もいるんだ。控えめに頼むよ。」
「す、すみませんでした。」
私はすぐ謝ったが、リアスはどこ吹く風だ。アイツが煽るから、こんな大規模な魔法を展開してしまったのだ。
「ちょっと、リアス聞いているの?」
「それよりお前、足。痛くないのか。」
私の左足は、炎に焼かれてただれている。パッと見は大怪我に見えるが、この程度ならポーションで治せる。
「これは、ポーションで治癒するから。」
「貸してみろ、その足。」
リアスがかがみこむ。詠唱と共に、パーッと私の足を光が覆う。みるみる皮膚の色が元に戻っていく。
「……ありがとうございます。」
「これで、大丈夫。治癒魔法を使えないんなら、あんまり無理すんなよ。」
リアスは耳打ちした。治癒魔法は無属性、つまり魔力さえあれば、誰でも簡単な治癒魔法くらい使えるはずなのに、何故だか私は扱えない。幸い治癒魔法は選択教科だから、学院生活で困ることはないが、恥ずかしいから誰にも言っていなかった。
「どうして知っているんですか?私が治癒魔法が使えないって。」
「ふふ。視れば分かるよ。」
「は?私のことを馬鹿にしているんですか?」
私たちが言い争っていると、また先生が仲裁に入った。
「まあまあ。君たちにこの授業のレベルが合っていないことは、私自身の課題でもある。すまなかった。では、まだ上手く魔法が扱えない生徒の練習に付き合ってもらってもいいかな?」
「はい。」
リアスのせいで、また先生にご迷惑をかけてしまった。アイツが相手だとつい頭に血が上る。一体なんなんだ。
私は学院を卒業したかった。学院長と協議の末、一部授業の出席は免除され、試験に合格すれば単位を認められる特例を受けることになった。殿下は火遊びに現を抜かしているのに、私はこれまで以上に勉学に勤しまないといけなくなった。
一方、図書館の一件以降、リアスは何かと私に関わってくるようになった。加えて、授業が戦闘魔法中心になると、私の魔力を真正面から受け止められるのは彼しかおらず、実習でペアを組むことも多くなった。
「ランケア・ゲリダ!!――氷の槍」
私の詠唱と同時に、冷気がほとばしり、無数の氷槍が空気を裂いてリアスをめがけて飛ぶ。大気が一瞬で白く凍りつき、鋭い結晶が光を反射して煌めいた。
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「……くっ!」
思わず一歩踏み込む。よけきれず、リアスが放った炎が私の左足に迫る。
「熱いっ!」
「ふっ!お前の実力はその程度か?」
リアスが不敵に笑う。コイツにだけは負けたくない。普段こんなことはないのだが、リアスとやり合っているとつい冷静さを欠いてしまう。気づけば私は、さらに魔力を注ぎ込んでいた。その時だった。
「もう、やめなさい!」
先生が止めに入った。見ると周りの他の生徒たちが呆然と立ち尽くしている。しまった、広範囲に魔法を展開し過ぎた。
「君たちがすごいのはよく分かっている。だが、ここは一年生の実習だ。周りに他の生徒もいるんだ。控えめに頼むよ。」
「す、すみませんでした。」
私はすぐ謝ったが、リアスはどこ吹く風だ。アイツが煽るから、こんな大規模な魔法を展開してしまったのだ。
「ちょっと、リアス聞いているの?」
「それよりお前、足。痛くないのか。」
私の左足は、炎に焼かれてただれている。パッと見は大怪我に見えるが、この程度ならポーションで治せる。
「これは、ポーションで治癒するから。」
「貸してみろ、その足。」
リアスがかがみこむ。詠唱と共に、パーッと私の足を光が覆う。みるみる皮膚の色が元に戻っていく。
「……ありがとうございます。」
「これで、大丈夫。治癒魔法を使えないんなら、あんまり無理すんなよ。」
リアスは耳打ちした。治癒魔法は無属性、つまり魔力さえあれば、誰でも簡単な治癒魔法くらい使えるはずなのに、何故だか私は扱えない。幸い治癒魔法は選択教科だから、学院生活で困ることはないが、恥ずかしいから誰にも言っていなかった。
「どうして知っているんですか?私が治癒魔法が使えないって。」
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「は?私のことを馬鹿にしているんですか?」
私たちが言い争っていると、また先生が仲裁に入った。
「まあまあ。君たちにこの授業のレベルが合っていないことは、私自身の課題でもある。すまなかった。では、まだ上手く魔法が扱えない生徒の練習に付き合ってもらってもいいかな?」
「はい。」
リアスのせいで、また先生にご迷惑をかけてしまった。アイツが相手だとつい頭に血が上る。一体なんなんだ。
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