戦姫のトロイメライ~断罪される未来が視えたので先に死んだことにしました

志熊みゅう

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第三幕 エーヴェルトの墓所

8. 計画

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 スヴェンたちは翌日も、翌々日も朝から屋敷を空けた。出払っているので、彼らが戻るまで、双子たちと修練場でトレーニングを行った。

「いま戻った。調査結果、あの周辺に他の魔物はいなかった。しばらくは兵士を置くが。今回のトロールはたまたまだろう。」 

「よかったです。やはり別の森から紛れ込んじゃったんですかね。私たちもあの洞窟の調査は終わりました。」

「そうかそうか。じゃあまたもう一戦!」

「臨むところ……!」

「おい、エディーはエーヴェルトの墓所を調査しに来たんじゃないのか?」

 それから遠巻きで皆の様子を見ていたリアスが、少し不機嫌そうにこちらに寄ってきた。

「ああ、エーヴェルトの墓所か。そんなこと言っていたな。あそこは見つかった時には既に盗掘されていて、行っても面白くないぞ。」

 スヴェンがつまらなそうに答えた。まあ確かに、私もエーヴェルトと同じ未来視を持っていなかったら、彼の史実に強烈な興味を持つこともなかっただろう。

「それでここからどのくらいあるんだ?かなり分かりにくい場所なんだろう?」

「ああ。あそこは、馬ではいけない。歩きで一時間ちょっとか。もともとあの遺跡を発見したのはうちの私兵なんだ。明日、案内してやるよ。」

「ありがとう、スヴェン。」

 礼を言うと、子どもたちも騒ぎ出した。

「僕たちも遺跡行きたい!」

「あたしも行きたい!」

「おお、そうだな。連れて行ってもいいか?遺跡と言っても、大したもんじゃないがな。」

「いいわね。皆で行きましょう!」

「シモンも行こう。どうせなら、皆で行くぞ。」

「おいこれは、ピクニックじゃなくてちゃんとした魔法研究所の調査なんだぞ。不慣れなものが入って、残存した呪いがあったらどうする?」

 リアスが少し不機嫌そうに言った。 

「あそこは何にもないぞ。それに呪いなんて俺が吹き飛ばしてやる。ははは。」

 それから居間で下調べの資料を見せて、遺跡の構造について説明した。皆で行くなら、予め情報を共有しておいた方が良いだろう。

「まず、入ってすぐが階段。下層に降りるとまず前室があって、その廊下の奥が霊廟です。前室と廊下に複数罠が仕掛けられていますが、右側を歩けばそれにかかることはありません。今回の調査対象は前室と霊廟に残された壁画です。あと魔力残滓についても調査します。」

「チビたち、俺から絶対に離れるなよ。」

「はーい。」

「そこの小生意気な坊主も、返事は?」

「俺は護衛もいるし、遺跡調査には慣れているから大丈夫だ。」

 そう言って、リアスがあごで私をさした。全く相変わらず、かわいげがない態度だな。

「遺跡は稀に未発掘の隠し罠や部屋が見つかることがあります。防具と数日分の食料は持参したほうがいいでしょう。」

「うちは魔獣討伐でよく遠出をする。用意ならいくらでもあるから、好きに使え。」

「ありがとうございます!」

「ねえねえ、エディー。遺跡には現代では失われた魔法が見れるんでしょ?」

「新しい魔法覚えたい!」

 スヴェンの双子が飛び跳ねた。皆で倉庫を漁り、荷造りを整えた。
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