7 / 35
第二章 求婚
1. 結婚申込書
夜会の翌日、アルバ家からの正式な結婚申込書が、当家のタウンハウスに届いた。ロレンシオは、昨日の夜会で私の婚約破棄を知ったはずだ。なのに、いくらなんでも行動が早すぎる。ロレンシオだけならまだしも、その両親であるアルバ公爵や公爵夫人が、ロレンシオの私への求婚をあっさり認めたことも驚きだった。
そういえばアルバ公爵は、貴族社会では稀に見る恋愛婚だと聞いている。年をとってもその愛は変わらないようで、昨日も夫人の傍に、ぴたりと張り付いて一時も離れる様子がなかった。
――もしかして、あれが"番"ってやつなのか。
ロレンシオは確かに私を"姉"として慕ってはいるけれど、執念とか執着というものは、一度も感じたことがない。現に最近はお互い忙しくて年に会うのは1回、2回ほどだし、後は手紙のやり取りだけだ。ただ私が婚約破棄されたと報告するたびに、お茶をしようと誘ってきて、根掘り葉掘りうれしそうに話を聞いてくるのは、正直むかつく。でも、あれはあれで彼なりに励ましてくれているんだと思う。
正式な申込書が来てしまった以上、こちらとしてもきちんと対応しなければならない。まずは公爵家で、ロレンシオとお茶をすることになった。
自分の書斎でクッキーをつまみながら、仕事をする。取引関連の手紙を読んでいると、ブランカが部屋に入ってきた。
「フロレンシア様、お紅茶を取り換えに参りました。」
「あら、ありがとう。」
少し心配そうな顔で、ブランカがこちらをみた。
「顔色がよくないですよ、フロレンシア様。少しお休みになられては。」
「昨日はちっとも寝れなかったのよ、誰かさんのせいでね。」
「でも、フロレンシア様も不思議な方ですね。婚約破棄された時よりも、次期公爵に婚約を申し込まれた時の方がお悩みになられるなんて。いくら年下すぎるって言っても、よく知ったロレンシオ様ならいいじゃないですか。」
「もしかして、あなたまで私を揶揄っているの?」
「いいえ、まさか。でも単純にうらやましいです。私も玉の輿に乗りたいです!」
「玉の輿ねえ。」
確かに、ロレンシオは王族ともゆかりがある高位貴族だ。私にはもったいないくらい。他人からもやっかまれるだろうなと思った。
そういえばアルバ公爵は、貴族社会では稀に見る恋愛婚だと聞いている。年をとってもその愛は変わらないようで、昨日も夫人の傍に、ぴたりと張り付いて一時も離れる様子がなかった。
――もしかして、あれが"番"ってやつなのか。
ロレンシオは確かに私を"姉"として慕ってはいるけれど、執念とか執着というものは、一度も感じたことがない。現に最近はお互い忙しくて年に会うのは1回、2回ほどだし、後は手紙のやり取りだけだ。ただ私が婚約破棄されたと報告するたびに、お茶をしようと誘ってきて、根掘り葉掘りうれしそうに話を聞いてくるのは、正直むかつく。でも、あれはあれで彼なりに励ましてくれているんだと思う。
正式な申込書が来てしまった以上、こちらとしてもきちんと対応しなければならない。まずは公爵家で、ロレンシオとお茶をすることになった。
自分の書斎でクッキーをつまみながら、仕事をする。取引関連の手紙を読んでいると、ブランカが部屋に入ってきた。
「フロレンシア様、お紅茶を取り換えに参りました。」
「あら、ありがとう。」
少し心配そうな顔で、ブランカがこちらをみた。
「顔色がよくないですよ、フロレンシア様。少しお休みになられては。」
「昨日はちっとも寝れなかったのよ、誰かさんのせいでね。」
「でも、フロレンシア様も不思議な方ですね。婚約破棄された時よりも、次期公爵に婚約を申し込まれた時の方がお悩みになられるなんて。いくら年下すぎるって言っても、よく知ったロレンシオ様ならいいじゃないですか。」
「もしかして、あなたまで私を揶揄っているの?」
「いいえ、まさか。でも単純にうらやましいです。私も玉の輿に乗りたいです!」
「玉の輿ねえ。」
確かに、ロレンシオは王族ともゆかりがある高位貴族だ。私にはもったいないくらい。他人からもやっかまれるだろうなと思った。
あなたにおすすめの小説
片思いの貴方に何度も告白したけど断られ続けてきた
アリス
恋愛
幼馴染で学生の頃から、ずっと好きだった人。
高校生くらいから何十回も告白した。
全て「好きなの」
「ごめん、断る」
その繰り返しだった。
だけど彼は優しいから、時々、ご飯を食べに行ったり、デートはしてくれる。
紛らわしいと思う。
彼に好きな人がいるわけではない。
まだそれなら諦めがつく。
彼はカイル=クレシア23歳
イケメンでモテる。
私はアリア=ナターシャ20歳
普通で人には可愛い方だと言われた。
そんなある日
私が20歳になった時だった。
両親が見合い話を持ってきた。
最後の告白をしようと思った。
ダメなら見合いをすると言った。
その見合い相手に溺愛される。
【完結】番である私の旦那様
桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族!
黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。
バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。
オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。
気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。
でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!)
大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです!
神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。
前半は転移する前の私生活から始まります。
前世で私を嫌っていた番の彼が何故か迫って来ます!
ハルン
恋愛
私には前世の記憶がある。
前世では犬の獣人だった私。
私の番は幼馴染の人間だった。自身の番が愛おしくて仕方なかった。しかし、人間の彼には獣人の番への感情が理解出来ず嫌われていた。それでも諦めずに彼に好きだと告げる日々。
そんな時、とある出来事で命を落とした私。
彼に会えなくなるのは悲しいがこれでもう彼に迷惑をかけなくて済む…。そう思いながら私の人生は幕を閉じた……筈だった。
狂おしいほど愛しています、なのでよそへと嫁ぐことに致します
ちより
恋愛
侯爵令嬢のカレンは分別のあるレディだ。頭の中では初恋のエル様のことでいっぱいになりながらも、一切そんな素振りは見せない徹底ぶりだ。
愛するエル様、神々しくも真面目で思いやりあふれるエル様、その残り香だけで胸いっぱいですわ。
頭の中は常にエル様一筋のカレンだが、家同士が決めた結婚で、公爵家に嫁ぐことになる。愛のない形だけの結婚と思っているのは自分だけで、実は誰よりも公爵様から愛されていることに気づかない。
公爵様からの溺愛に、不器用な恋心が反応したら大変で……両思いに慣れません。
【完結】ハメられて追放された悪役令嬢ですが、爬虫類好きな私はドラゴンだってサイコーです。
美杉日和。(旧美杉。)
恋愛
やってもいない罪を被せられ、公爵令嬢だったルナティアは断罪される。
王太子であった婚約者も親友であったサーシャに盗られ、家族からも見捨てられてしまった。
教会に生涯幽閉となる手前で、幼馴染である宰相の手腕により獣人の王であるドラゴンの元へ嫁がされることに。
惨めだとあざ笑うサーシャたちを無視し、悲嘆にくれるように見えたルナティアだが、実は大の爬虫類好きだった。
簡単に裏切る人になんてもう未練はない。
むしろ自分の好きなモノたちに囲まれている方が幸せデス。
【完結】番としか子供が産まれない世界で
さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。
何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。
そんなニーナが番に出会うまで
4話完結
出会えたところで話は終わってます。
【完結】「元カノが忘れられないんでしょう?」と身を引いた瞬間、爽やか彼氏の執着スイッチが入りました
恋せよ恋
恋愛
「元カノが忘れられないなら、私が身を引くわくべきよね」
交際一周年、愛するザックに告げた決別の言葉。
でも、彼は悲しむどころか、見たこともない
暗い瞳で私を追い詰めた。
「僕を捨てる? 逃げられると思っているの、アン」
私の知る爽やかな王子の仮面が剥がれ落ち、
隠されていた狂おしいほどの独占欲が牙を剥く。
🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。
🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。
🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。
🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。
🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!