兄のやり方には思うところがある!

野犬 猫兄

文字の大きさ
15 / 21

一石二鳥……いや、三鳥

しおりを挟む

「兄さん、僕に隠し事はないですか?」

 兄が何もいってこないので、就寝時にそれとなく話にのせてみた。

 ベッドのそばに置かれた座り心地の良さそうな椅子に腰掛けながら本を読んでいるのをやめた兄はこちらに視線を向ける。

「多少はあるが朋に伝えるほど重要な案件はないぞ」

 しれっと否定する兄を複雑な気持ちで見つめる。家族になる相手を紹介することは一大事だと思うのだが、兄にとっては重要なことだとは思っていないらしい。

 速水くんのお兄さんと恋人同士になったことなど微塵も感じさせない姿に疑問を持つ。

 ──本当に?

 隠したい何かがあるのだろうかと穿った考えをもってしまう。

「ところで速水くんのお兄さんはどうされましたか? お知り合いだったんですよね? 文化祭の時は気づいたら二人が生徒会室からいなくなっていたので気になっていました」

「あぁ、アイツな。仕事先の相手だよ」

 ──『アイツな』?!

 速水くんのお兄さんを親しげな呼び方をしたことで恋人説が濃厚になってしまった。心臓が早鐘を打ちはじめる。

「に、にににに兄さんは、ハァハァ」

 これはまずい。動悸と息切れと極度の緊張で喉はカラカラ、もはや酸欠状態だ。

「過呼吸か?!」

「だ、大丈夫です。落ち着けば問題ありません」

 なぜか自分のパジャマを脱いで口に当ててくる。──殺す気か!?

 押しつけてくる腕をぺしりと叩けば簡単にはずれた。

 呼吸が楽になるまで兄は心配そうに背中を撫でてくれている。

 兄の視線や撫でる手が優しさに満ち溢れていると思えたのは初めてかもしれない。

 兄を好きだと自覚したからだろうか。

 直接尋ねるのは死刑宣告を率先して聞くようで勇気がいる。このままでは心臓がもちそうにない。

 モヤモヤする気持ちはあるが、兄が伝えてくれるまで待つしかないようだ。

 断腸の思いではあるが、兄の為なら祝福もしたいと思う。

「平気か? 辛いようだったら言ってくれ」

 その優しさが今の僕にとってはつらい。
 聞きたいのは『恋人』ができたかどうか、兄の『好きな相手』な訳だが、これ以上は墓穴を掘りそうで話を続けるのを諦めた。

「ほら、兄さん寝るんでしょう? いつまでも本を読んでいないでベッドに入ってください」

「特訓は……?」

「しっかり睡眠を取ることが特訓です!」

「……そうか、わかった」

 素直に頷いて布団へ入る兄を可愛いと思ってしまった僕は、想いを霧散させるには当分先だと感じた。

 ヘッドボードのライトを消し、枕を背に当てて兄の様子を窺う。布団に入ったばかりの兄は眠るまでに時間がかかりそうだった。

 子守唄なんて知らないし、赤ん坊でもない兄をどうやって寝かしつけたらいいのかもわからない。

「眠れませんか?」

「あぁ、まだベッドに入ったばかりだからな」

 そっと兄の髪に触れる。

 優しく撫でることくらいしかできないが、何もしないよりはいくらか僕の気が紛れる。

「どうですか?」

「気持ちがいい」

「それは良かったです」

 暗闇の中、温かで優しい気持ちにさせる空間がそこにはあった。兄と一緒だと寂しくもないし不思議と心が休まる。

 しばらく撫でていると健やかな寝息が聞こえてきた。

 こんなに簡単に寝るとは思わなかった。僕が感じたように兄も心を休めることができたのだろうか。そうだといいなと僕は思う。

 ロボのような無表情の兄とは思えないほど穏やかな寝顔だ。

 まるで僕が母親のような構図に苦笑が漏れる。

 さて寝るか、と寝ている兄の隣りに滑り込むように布団に入った。兄が目を覚ます気配はない。

 ひとつあくびをして目を閉じた。



 朝起きたら兄が僕に絡まっていた。身動きもできない。

 そして違和感に気づく。尻になにかが出入りしているようだった。腰がウズウズしてゾクゾクとする。

「兄さん、なにしているんですか……」

「今さっき起きたところだ。こんなに眠れるとは思わなかった。朋効果だと思う」

 そんなこと聞いてない。

「指を僕の尻に突っ込んでいるのはどういうわけでしょうか?!」

「朝練という特訓だ。俺のが少し回復したと思わないか? 確認してみてくれ」

 確認と言われてゴクリと喉が鳴ってしまった。

 言わずもがな確認するのは兄の兄だろう。

 何度も触れてはいるが好きだと自覚してからは初めて触れる。

「……じゃ、じゃぁ、兄さんの秘所に触れますよ」

「あぁ、確かめてくれ」

 パジャマのズボンを下げようとしたら、ダイレクトに触れた。
 いきなり素肌に接触するとは思わなかった。そういえば触れているのはなめらかな肌だ。

 驚きはしたものの、気持ちを切り替える。まずは兄のことだろう。いまだ柔らかさはあるが芯を持ったように硬さと張りが出てきたように思える。

 瀕死は脱却したらしい。生命力の神秘を目の当たりにした気持ちでうっすらと涙がでてきた。

「すごいです! ちゃんと元気が出てきたようですね! ところで兄さんはなぜ裸なんですか? あれ? ぼ、僕まで?!」

 昨日着ていたパジャマが消えている。僕まで裸になっていた。

「これなら効率的だからな。朋を抱いて眠れば温かいし一石二鳥、いや三鳥だ」

 そう言って尻に続き、乳首まで弄り始める。

「う、うあーーーっ!」

 そして兄に追い詰められ呆気なくイかされてしまった。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

初体験

nano ひにゃ
BL
23才性体験ゼロの好一朗が、友人のすすめで年上で優しい男と付き合い始める。

王様お許しください

nano ひにゃ
BL
魔王様に気に入られる弱小魔物。 気ままに暮らしていた所に突然魔王が城と共に現れ抱かれるようになる。 性描写は予告なく入ります、冒頭からですのでご注意ください。

愛する者の腕に抱かれ、獣は甘い声を上げる

すいかちゃん
BL
獣の血を受け継ぐ一族。人間のままでいるためには・・・。 第一章 「優しい兄達の腕に抱かれ、弟は初めての発情期を迎える」 一族の中でも獣の血が濃く残ってしまった颯真。一族から疎まれる存在でしかなかった弟を、兄の亜蘭と玖蘭は密かに連れ出し育てる。3人だけで暮らすなか、颯真は初めての発情期を迎える。亜蘭と玖蘭は、颯真が獣にならないようにその身体を抱き締め支配する。 2人のイケメン兄達が、とにかく弟を可愛がるという話です。 第二章「孤独に育った獣は、愛する男の腕に抱かれ甘く啼く」 獣の血が濃い護は、幼い頃から家族から離されて暮らしていた。世話係りをしていた柳沢が引退する事となり、代わりに彼の孫である誠司がやってくる。真面目で優しい誠司に、護は次第に心を開いていく。やがて、2人は恋人同士となったが・・・。 第三章「獣と化した幼馴染みに、青年は変わらぬ愛を注ぎ続ける」 幼馴染み同士の凛と夏陽。成長しても、ずっと一緒だった。凛に片思いしている事に気が付き、夏陽は思い切って告白。凛も同じ気持ちだと言ってくれた。 だが、成人式の数日前。夏陽は、凛から別れを告げられる。そして、凛の兄である靖から彼の中に獣の血が流れている事を知らされる。発情期を迎えた凛の元に向かえば、靖がいきなり夏陽を羽交い締めにする。 獣が攻めとなる話です。また、時代もかなり現代に近くなっています。

[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった

ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン モデル事務所で メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才 中学時代の初恋相手 高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が 突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。 昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき… 夏にピッタリな青春ラブストーリー💕

今日もBL営業カフェで働いています!?

卵丸
BL
ブラック企業の会社に嫌気がさして、退職した沢良宜 篤は給料が高い、男だけのカフェに面接を受けるが「腐男子ですか?」と聞かれて「腐男子ではない」と答えてしまい。改めて、説明文の「BLカフェ」と見てなかったので不採用と思っていたが次の日に採用通知が届き疑心暗鬼で初日バイトに向かうと、店長とBL営業をして腐女子のお客様を喜ばせて!?ノンケBL初心者のバイトと同性愛者の店長のノンケから始まるBLコメディ ※ 不定期更新です。

ヤバい奴に好かれてます。

たいら
BL
主人公の野坂はある日、上司である久保田に呼び出された。その日から久保田による偏狭的な愛を一身に受ける日々が始まった。 他サイトにも掲載しています。

ヤンデレ執着系イケメンのターゲットな訳ですが

街の頑張り屋さん
BL
執着系イケメンのターゲットな僕がなんとか逃げようとするも逃げられない そんなお話です

優しい檻に囚われて ―俺のことを好きすぎる彼らから逃げられません―

無玄々
BL
「俺たちから、逃げられると思う?」 卑屈な少年・織理は、三人の男から同時に告白されてしまう。 一人は必死で熱く重い男、一人は常に包んでくれる優しい先輩、一人は「嫌い」と言いながら離れない奇妙な奴。 選べない織理に押し付けられる彼らの恋情――それは優しくも逃げられない檻のようで。 本作は織理と三人の関係性を描いた短編集です。 愛か、束縛か――その境界線の上で揺れる、執着ハーレムBL。 ※この作品は『記憶を失うほどに【https://www.alphapolis.co.jp/novel/364672311/155993505】』のハーレムパロディです。本編未読でも雰囲気は伝わりますが、キャラクターの背景は本編を読むとさらに楽しめます。 ※本作は織理受けのハーレム形式です。 ※一部描写にてそれ以外のカプとも取れるような関係性・心理描写がありますが、明確なカップリング意図はありません。が、ご注意ください

処理中です...