鬼の花嫁

スメラギ

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鬼の花嫁―短編―

成るべくして成る*―いつきside―

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 今日は朝から紅輝にベッタリと引っ付いていた。自分で言うのも何だけど…凄く珍しい事に僕から・・・である。
 紅輝が何処に行くにしてもトイレ以外は腰巾着みたいに引っ付いていた。

 紅輝はウザがる事もなく、したいようにさせてくれている。僕の様子を伺っており、手を出して良いのか考えあぐねているようだ。
 そういうところは前より慎重になっている。
 前ならば、なし崩しにそういう雰囲気にもっていかれていた…知らぬ間に全裸って事も少なくはなかった。
 落ち着いたと言われればそれまでなんだけど―…

 政夜を出産してから段々と落ち着いてきてはいたんだ…
 我が儘かもしれないけど…前みたいに性的にもいろいろと甘えてほしいと思う時がある……今日がその時なんだけど…
 だから、分かりにくいかもしれないけれど、引っ付いているのだ。

 中途半端に発情していたならば、羞恥などかなぐり捨てられるし、紅輝に乞う事も出来る。
 今はしらふ、発情の『は』の字もない。
 流石にムリだ。紅輝を盗み見ていると目がバッチリ合った。

 紅輝は少し考えるような素振りを見せた後、僕をヒョイっと抱き上げて膝に乗せた。僕は抗うことなく素直に収まると、紅輝の肩の辺りの服をギュッと握った。

 「いつき?どうかしたか?」
 「んー」
 「眠いのか?」
 「ううん。違うよ」
 「どうした?」
 「んー」

 僕のはっきりしない返事にも怒ったりしない。それどころか優しく背中を擦ってくれる。
 僕は握っていた手を解くと、紅輝の首に腕を回して抱きついた。自分からキスをするのはまだ、恥ずかしいので今の僕でもギリギリ出来る範囲…口の端に軽く口付ける。
 紅輝は意図を察したらしく、離れていく僕の口を追うように僕の口を塞いだ。

 「いつき…甘えてるのか?」という言葉にコテンと首を傾げて「………ダメ?」と聞くと、優しい表情で「ダメなわけないだろう。ただ―…俺の理性が保つかは分からないけどな」と言うと少し笑った。

 優しくキスを繰り返される。その紅輝の口内に自ら・・舌を入れた。これは結構、難易度が高いが、紅輝のキスとその表情に発情しかかっている僕には出来た。

 紅輝が目を開けてこちらの様子を伺っているのが分かる。まだ、紅輝からは絡めてはくれないらしいと思い、舌をおずおずと戻そうとする。
 すると、僕の口内に紅輝の舌がスルリと入り込んできた。

 絡め取って、十分に口内を犯した紅輝は微かに口を離し、僕にこう囁いた。

 「良いんだな?」と、『何が?』なんて野暮なことは聞かない。その代わりに、僕は首に回していた腕に力を入れて紅輝と密着させると、再び口付けた…今度は口に…

 紅輝はそれを無事に『YES』と受け取ってくれたようで、迷うことなく口内に舌を侵入させると、深く口付けながら僕の服の中に手を入れてくるのかと思いきや、抱き上げると口を離して歩き始める。

 「こぉき?」
 「寝室…あそこの方がいつきへの負担が少ない。」

 最早、思考回路もぐずぐずに蕩け始めていた僕は素直に紅輝に従い、寝室に着くまでに紅輝の首筋に吸い付いたり、舐めたりとしていた。
 紅輝は相変わらず、したいようにさせてくれている。紅輝の足が止まったので、首から顔を離し見上げると、優しく押し倒された。

 どうやら寝室に到着したらしい。紅輝は僕の足と足の間に陣取り、僕にキスをしながら服の中に手をスルリと侵入させてきた。

 服の下をまさぐられ、擽ったさの中に快楽を拾い始めていた頃、紅輝に身体を軽く抱き上げられ、衣類を全て剥ぎ取られた。
 紅輝は欲情した表情で僕に刻まれている紋章に強く吸い付いたと思うと、噛み付くようなキスをする。

 「んっ…ぁ…」

 首を横に向けると、舌を這わせながら首筋から鎖骨、胸へと顔を下げていく。
 薄く開いた紅輝の口は何の躊躇いもなく、僕の胸の先端を咥え込んだ。

 「ひっ…ぁんっ…」
 「可愛い…」
 「ぁあっ!こぉき!?」

 いきなり孔に指を挿入してきたので吃驚して声を出してしまった。
 グチュグチュとやらしい音を立てて秘部が解されている。
 知らぬ間に紅輝の指が3本挿入されており、バラバラに動かされていた指先が前立腺を掠めた瞬間、快楽が身体中を駆け巡る。
 2回イカされた後、紅輝が避妊具をつけて僕の中に入って来ようとしたので、1回止めて貰った。

 「どうした?」
 「ぼく、ひにんやく避妊薬っ…ちゃんとのんだからぁ、んっ…」

 そう、紅輝がトイレに行っている間にしっかりと確認して飲んでおいたのだ。
 念のため、情事後も飲んでおくけどね…

 「そう、なのか?」
 「ちゃんとかくにんもしたぁ…ひぅっ…」
 「そうか…」
 「だからぁ、ちょくせつ…いれてぇ…んんっ…したあとのも、のむからぁ」

 お願いお願いと紅輝に言い続けていると、まだパッケージの開いていない避妊具を手にしていた紅輝は静かにそれを置くと、直ぐに挿入し始めた。

 「ぁあっ!あっ、やぁんっ…まっ、てぇ!」

 多分、半分も入っていないだろう、紅輝の首に腕を回して、しがみついた。そして、紅輝の顔を見つめる。

 「っ…いつき?」ギュウギュウ締め付けている僕の中に半分とはいえ入っている紅輝は一瞬、息を詰めるが、何とか整えたようで、その体勢で僕の背中を優しく撫でる。

 「もぅ、はいらないよぉっ…んっ…ぁ…」と甘えた声で泣き言を言うと、紅輝は困ったように僕の額にキスをする。

 「いつも、入ってるから問題ないと思うが―…奥まで挿れても、良いだろ?」ここまできたら、途中で止められないぞ。と僕のペニスをしごき上げる。

 「ぁあっ!こぉき!だめぇっ…」甲高い声を出し、思わず紅輝の頭を掻き抱いて背を反らすと達してしまった。
 まだ、イクのを我慢する事が出来ると思っていた僕は泣きそうになった。

 「えっ…」と漏らしたのは紅輝の口だった。戸惑ったような紅輝の声音にさらに泣きそうになる。いつもなら一番奥まで入った時に1回達するのだが、今回は半分も入っていないところでの射精…

 「ふぇぇ…」と情けなく泣くのは僕の方…紅輝は慰めるように擦ってくれるが、少々やらしい手付きだ。

 「1回奥まで挿れるから…」
 「まって、やらぁ!…ぁ…イったばっかだからぁ…んんっ…」
 「すまない。待てそうにない…」
 「もぅ、はいらないよぉっ…はぁ…んっ…むりだもんっ…」

 ダメダメ、ヤダヤダと首を振って甘えた声で紅輝に縋り付いてはいるが、腰は誘うように動いていた。
 情事中は特に甘えたり我が儘を言ったりして振り回したくなる。シラフのときとは違うから…

 「全部、入ったら好きなだけ抱きついてろ、って!」そう言った瞬間、一気に奥まで穿たれた。

 グチュンっ…と入った感覚に頭が真っ白になった。火がついたかのように紅輝の首に腕を回したまま本能に従い腰を振り始めた僕を紅輝は興奮を隠しきれない様子で見つめている。

 「ぁあ……、ぁんっ…ひゃぁ!」

 「気持ち良さそうだな、いつき、気持ち良いのか?」と喘ぎまくっている僕にギラついた視線で問うてくる紅輝に何度も頷き返した。

 「ぅ、うん!うん!っ…こぉき!こぉきぃ!き、きもちいいよぉ…っ…ぁあっ!」そう言った僕の顔を見ながら悪戯を思い付いた子どものような表情を浮かべて紅輝は口を開いた。

 「どんな風に気持ち良いんだ?」教えてくれと甘美な毒のようなその声音に素直に答える。
 「おおきくてっ…かたいのぉっ…ぁあっ!あァんっ…」
 「可愛い過ぎだろ!もう、止まらないからな!」
 「いっぱい、こぉきのいっぱいちょーだい!…っ…や、ひゃぁ!」

 その宣言通り、紅輝の腰は止まらなかった…何時間していたのかは覚えていないけど、かなりの量をお強請りした通りに僕の中に注ぎ込んでくれた。
 
 紅輝はアフターケアも後片付けもバッチリしてくれており、僕もちゃんと情事後に避妊薬を飲むと、そのまま紅輝の腕の中で眠りについたのだった。
 
 当たり前だが、立てなかった………

 


 
*end*
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