可笑しくなった親友と距離を置いたら、いろいろすっ飛ばして急展開した後に隣の席の子と急接近した俺の話

スメラギ

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本編

(9)距離を置いた可笑しくなった親友が理解し難い行動をするようになったー親之SIDEー

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 真を遊びに誘い迎えに行くと、満面の笑みを浮かべた愛羅がおり、奥には頬に湿布を貼った真が見えた。

 「親之!来るなら連絡くらいしてよね!ビックリしたじゃん」
 「連絡なら真にしてある。何故、用のない愛羅に連絡を取らなくてはならないんだ?」

 「え…真?誰?」と呟いているが愛羅の横を素通りして真の元へ行く。信じられないというような表情でこちらを見ていたが無視だ無視。

 「真?どうした頬が少し腫れているぞ。」と言って頬に触れると顔を真っ赤にして俺を凝視している。心なしか息も荒い。

 「あっ…えっと…そのっ…ぐえっ!」
 「ちょっとした不注意でぶつけただけだよ!親之が気にする必要はないよ。それより、僕と一緒にどこか遊びに行こうよ」

 いつかの再現みたいに真を押し退けて愛羅が俺の目の前に陣取る。

 「怪我人には優しくしてやれ」
 「親之は最近、僕に優しくないよね」

 そう言って悲しそうな顔をするが…何も感じなかった。可笑しくなる前にそういう表情を見ていたならこちらも悲しくなっていたような気がするが、今は全くない。
 以前よりさらに感情が冷めている事に驚いた。ちなみに真は押し退けられた頬を撫でながら伺うようにこちらを見ている。

 「学園で…」
 「へ?が、がくえん?」
 「学園で俺が愛羅をいじめているという事実無根な噂が立っているとクラスメイトが教えてくれたんだが?」
 「へ?あっ…」
 「しかも、その発生源が愛羅、お前だと聞いた」
 「そんなのデタラメだよ!誰かが僕を陥れようとしてるんだよ!真君?それって真君が親之に言ったの?」

 ウルウルと瞳を濡らしてこちらを見上げてくるが、不快感しかわかなかった。

 「ぼ、僕じゃないよ!」
 「だって最近、親之の近くにいるじゃない!そこまでして僕と親之の仲を裂きたいの?酷いよ!」

 そう言って泣き始めた。「え~何これ…とばっちりじゃん…」という死んだような目をした真がボソッと呟いた。
 真すまん。ちょっと和んでしまった。

 「真ではない。寧ろ被害者だろ。」という俺の台詞に賛同するかのように真は高速で頷いている。

 恐らく愛羅は真をどうにかして消したいようだ…いただけない状況だ。これは早く手を打たなければ…真の安全を確保しなくてはならない。今の愛羅ならば何の躊躇いもなく危害を加えるだろう。

 今の愛羅の戯言を信じる者は居ないだろうが…恐らく真を悪役にでっち上げる為ならばいろいろとやりそうだ。
 そう思った瞬間に行動へと移した。俺は少し離れてとある場所へと連絡をとった。



 電話をした後に双方から許可が下りたので、二人の所へ戻った。

 「真」
 「は、はい!」
 「荷物を纏めろ。」
 「へ?」
 「お互いに違う部屋だったら安心できるだろ?許可は下りたから問題ない。」

 真は驚いて少しフリーズしたが、復活して言われた通りに荷造りをし始めた。とは言っても、ちょっとした小物や学園で使用する物と布団くらいなので時間はかからないだろう。

 他は寮室の設備品なので置いておくが、特例としてベッドのマットは取り外して持って行く事になる。

 「ルームメイトをチェンジするから」
 「えっ…じゃあ、親之がこの部屋で僕と一緒に生活するの?」

 という愛羅の声に首を振って否定した。

 「違う。俺のルームメイトがここに来る」と言った瞬間、真が荷物を落とした。
 嫌なのかと不安に思ったが、表情を見る限り違うようだ。
 愛羅に生徒会のメンバーがココへ入るからと言ったら直ぐに落ち着いて今ではニコニコとティータイムを楽しんでいる。
 まぁ、愛羅の言っていた攻略対象ではないのは確かだが…嘘は言っていないのでセーフだろ…


 
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