終末日本

めんま

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2021/3/19

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2021年3月19日
今日は伊戸川に言われていた射撃訓練をすることになった。誰かを頼って教えてもらうのは嫌だったが、銃の扱いに関しては仕方ない。プロに教えてもらえるならその機会をちゃんと活用した方がいいし、自分の身を守れるようになるためだから必要なことだ。ある程度教わったら話す必要もなくなるだろう。射撃訓練は森の奥の方で行われた。民家に近いところでやってしまうと、音でゾンビが集まってしまうかもしれない。山の奥に行って、最初は正しい構え方から教わり、次に太い木に向かって撃ってみた。50発は弾を取ってきていたので、数発は木に撃って練習した。そして、最後はゾンビを撃つことになった。練習していたら銃声でゾンビが1体現れた。見た目は女のゾンビだった。そのゾンビを撃てたら合格と言われたので、構えてよく引き付けた。頭を狙って一発で殺せるように集中していた。ゾンビがゆっくり近づいてくるにつれ、ゾンビの全身がよく見えた。足はずっと裸足だったのか、ケガをしていて泥だらけだった。上半身は生きていた頃の服を泥だらけで所々破れてはいたが身にまとっていた。服を見た瞬間、俺の頭の中で嫌な記憶が蘇った。この岐阜にたどり着く前。とあるガソリンスタンドで車に乗って俺たちを置いて颯爽さっそうと走り去っていくときの記憶。あの日、あの女も同じ服を着ていた。俺は目の前のゾンビの顔を恨めしい顔をしてにらんだ。見覚えのあるその顔に俺はゾンビを撃つことの恐れより、激しくこみ上げてくる怒りの感情に意識を支配されていった。そして、殺してやる、という想いで撃とうとしたが、手が震えて思うように狙えなくなっていた。10メートル先にはもうゾンビが迫っていた。俺は徐々に近づくゾンビに、焦りで息が過呼吸になってしまった。いっそのことゾンビを見なければ撃てると思ったので、目を閉じて引き金に指を添えた。そのとき、後ろに立っていた伊戸川が俺の両手に上から手を添えて支えてくれた。息を整えて、ゾンビになってしまった前田久美子の頭に銃口をあてて発砲した。
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