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6.甘々食卓で〜番と私の前世について①
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案内された部屋に入ると品の良い大きな長机が置かれてた、高級感あるダイニングホールだ。
すでにそこにはアラン陛下がいる。
私の格好変じゃないかしら・・なんだか恥ずかしいな。
「お・・お待たせいたしました陛下」
『・・・・』
あれ、やはり似合ってないのかなおかしいのかな。。アラン陛下はこちらを見て固まっているので、私は恥ずかしくなって顔を赤くして俯いてしまう。
『うっ・・・』
するとアラン陛下は片手を顔にあて何やらうめいている。
『なんてことだ・・・私のミシェルが可愛すぎる・・』
「え?」
どういうこと?と顔を上げようとしたらもう目の前に陛下がいてあっという間に抱きしめられた。
『可憐な君にぴったりの装いだね。似合いすぎている。誰にも見せたくないほどに・・・』と耳元で話され、私はビクッとした。
あ、またいい匂いだ・・・
アラン陛下も私の首元に顔を埋めて匂いを嗅がれている気がする・・
恥ずかしいけどなぜだか離れられない、離れたくない感覚になり身を委ねていると
『ミシェルの香りが強くなってきた・・あぁ・・・これはいけないな。耐えられなくなる』
と辛そうな顔をしながら引き剥がされた。
私はなんだか寂しい気分になった。
『そんな顔をしないで・・私も我慢の限界だ。食事どころじゃなくなってしまう』
と頬に手を当ててこちらを見つめてくる。あ、顔が近く・・・
「ごほんっ」
執事のシュワルツがそこで咳払いをして、私も我に帰った。
「お食事が冷めてしまう前にお召し上がりください」
『・・・無粋な。だがミシェルにひもじい思いをさせるわけにはいかない。さぁ食事にしよう。』
と長机の上座の席に招かれる。というか、え?
『さぁ、ミシェルはここだよ』
と指しているのは陛下の膝の上。ま・・まさか。
「陛下、お席はいっぱいあります////」
『ん?席をなくせばいいの?』
え?トリッキー!だめだ、絶対に譲らない雰囲気。。
「で・・ですがっ」
何か断る理由をと思ってると、あっという間に抱き上げられ膝の上に強制的に座らせられる。
「ひゃっ」
そこからはあーんと餌付けのように食事を与えられ、食べさせあったりと羞恥でうまく味わえるわけもなく時間を過ごした。
『あぁ、ミシェルを近くに感じて食事をすると全く味が違うよ・・。これまではただ生きるための栄養補給としか思わなかったが、食事とは楽しいものなんだね。』
とアラン陛下が甘々な女性だったら誰もがスライムになりそうなとろける笑顔を向けてきた。
「私も何だか胸がポカポカします///」
『ふふ。さぁ少し話をしようか。 下がりなさい』
すると使用人たちがその場を離れ2人だけになった。
『聞きたいことはあるかい?何でも答えよう』
「番についてお話を聞きたいです。」
『番は魂で深く共鳴する相手なんだ。一つのものが二つに分かれている感覚が近いかな。なので出会っていない時の無の感覚が当たり前と思っていたけれど、私も出会ってしまって二つで一つという感覚が分かったよ。』
「恋愛感情とは違うのですか・・?」
魂として決まっている相手。ということは相手がどんな性格でどんな人であれ求めずにはいられないということよね。なんだかそれは私を見てくれていると言えるのかしら・・・?
『正確には違うのかもしれない。竜族でも番ではないが愛する伴侶を得るということはある。魂と感情は必ずしも一致するとは限らないのかもしれないね。』
「それって、なんだか少し悲しいです。伴侶とは言っても愛の有無は関係なく強制的な仕組みのようなものなんですね。」
『ミシェル・・私がまだどんなに言葉を重ねても信じてはくれないかもしれないが、私は魂の強制力だけではなく、君に惹かれているんだよ。純粋で自分の気持ちに正直なミシェル。確かにきっかけは番だからというものではあったが、もっと君を知りたいと強く思っている。人に興味を持ったことも初めてなんだ。初恋なんてそんな軽い言葉では表せない。少しずつわからせてあげるよ。』
と甘く囁かれながら抱き寄せられる。
う!恥ずかしい!けど、そこまで人に思われるって・・・胸がいっぱいになってくる・・・
「私も・・もっと陛下のことが知りたいですっ。あっ、そういえば私陛下からとても良い匂いを感じることがあって・・・これも番だからなのでしょうか?」
『え?そんなことが・・・』
とアラン陛下は眉間に皺を寄せて考えている。美形って悩んでも美しい・・と呑気に見惚れていると
『番に対しては人によって異なるようだが魅力ある匂いを感じるんだ。通常番は竜族同士だとお互いが強く求めあうのだが、私とミシェルのように片方が人間の場合は、人間の方は番だと認識できる感覚がない。一方的に番だと言われて混乱させうまくいかないケースもあるくらいだ。そもそも竜族も今や絶滅寸前。だからミシェルがなぜ・・・』
え、、そんな特異なことなんだ。もしかして前世を思い出したことが関係あるのかしら・・?ゲームでも悪役令嬢ミシェルが実は・・みたいな展開はなかったし。
陛下もここまで真剣に向き合おうとして話してくれてるんだもの・・・私も話をしよう。
すでにそこにはアラン陛下がいる。
私の格好変じゃないかしら・・なんだか恥ずかしいな。
「お・・お待たせいたしました陛下」
『・・・・』
あれ、やはり似合ってないのかなおかしいのかな。。アラン陛下はこちらを見て固まっているので、私は恥ずかしくなって顔を赤くして俯いてしまう。
『うっ・・・』
するとアラン陛下は片手を顔にあて何やらうめいている。
『なんてことだ・・・私のミシェルが可愛すぎる・・』
「え?」
どういうこと?と顔を上げようとしたらもう目の前に陛下がいてあっという間に抱きしめられた。
『可憐な君にぴったりの装いだね。似合いすぎている。誰にも見せたくないほどに・・・』と耳元で話され、私はビクッとした。
あ、またいい匂いだ・・・
アラン陛下も私の首元に顔を埋めて匂いを嗅がれている気がする・・
恥ずかしいけどなぜだか離れられない、離れたくない感覚になり身を委ねていると
『ミシェルの香りが強くなってきた・・あぁ・・・これはいけないな。耐えられなくなる』
と辛そうな顔をしながら引き剥がされた。
私はなんだか寂しい気分になった。
『そんな顔をしないで・・私も我慢の限界だ。食事どころじゃなくなってしまう』
と頬に手を当ててこちらを見つめてくる。あ、顔が近く・・・
「ごほんっ」
執事のシュワルツがそこで咳払いをして、私も我に帰った。
「お食事が冷めてしまう前にお召し上がりください」
『・・・無粋な。だがミシェルにひもじい思いをさせるわけにはいかない。さぁ食事にしよう。』
と長机の上座の席に招かれる。というか、え?
『さぁ、ミシェルはここだよ』
と指しているのは陛下の膝の上。ま・・まさか。
「陛下、お席はいっぱいあります////」
『ん?席をなくせばいいの?』
え?トリッキー!だめだ、絶対に譲らない雰囲気。。
「で・・ですがっ」
何か断る理由をと思ってると、あっという間に抱き上げられ膝の上に強制的に座らせられる。
「ひゃっ」
そこからはあーんと餌付けのように食事を与えられ、食べさせあったりと羞恥でうまく味わえるわけもなく時間を過ごした。
『あぁ、ミシェルを近くに感じて食事をすると全く味が違うよ・・。これまではただ生きるための栄養補給としか思わなかったが、食事とは楽しいものなんだね。』
とアラン陛下が甘々な女性だったら誰もがスライムになりそうなとろける笑顔を向けてきた。
「私も何だか胸がポカポカします///」
『ふふ。さぁ少し話をしようか。 下がりなさい』
すると使用人たちがその場を離れ2人だけになった。
『聞きたいことはあるかい?何でも答えよう』
「番についてお話を聞きたいです。」
『番は魂で深く共鳴する相手なんだ。一つのものが二つに分かれている感覚が近いかな。なので出会っていない時の無の感覚が当たり前と思っていたけれど、私も出会ってしまって二つで一つという感覚が分かったよ。』
「恋愛感情とは違うのですか・・?」
魂として決まっている相手。ということは相手がどんな性格でどんな人であれ求めずにはいられないということよね。なんだかそれは私を見てくれていると言えるのかしら・・・?
『正確には違うのかもしれない。竜族でも番ではないが愛する伴侶を得るということはある。魂と感情は必ずしも一致するとは限らないのかもしれないね。』
「それって、なんだか少し悲しいです。伴侶とは言っても愛の有無は関係なく強制的な仕組みのようなものなんですね。」
『ミシェル・・私がまだどんなに言葉を重ねても信じてはくれないかもしれないが、私は魂の強制力だけではなく、君に惹かれているんだよ。純粋で自分の気持ちに正直なミシェル。確かにきっかけは番だからというものではあったが、もっと君を知りたいと強く思っている。人に興味を持ったことも初めてなんだ。初恋なんてそんな軽い言葉では表せない。少しずつわからせてあげるよ。』
と甘く囁かれながら抱き寄せられる。
う!恥ずかしい!けど、そこまで人に思われるって・・・胸がいっぱいになってくる・・・
「私も・・もっと陛下のことが知りたいですっ。あっ、そういえば私陛下からとても良い匂いを感じることがあって・・・これも番だからなのでしょうか?」
『え?そんなことが・・・』
とアラン陛下は眉間に皺を寄せて考えている。美形って悩んでも美しい・・と呑気に見惚れていると
『番に対しては人によって異なるようだが魅力ある匂いを感じるんだ。通常番は竜族同士だとお互いが強く求めあうのだが、私とミシェルのように片方が人間の場合は、人間の方は番だと認識できる感覚がない。一方的に番だと言われて混乱させうまくいかないケースもあるくらいだ。そもそも竜族も今や絶滅寸前。だからミシェルがなぜ・・・』
え、、そんな特異なことなんだ。もしかして前世を思い出したことが関係あるのかしら・・?ゲームでも悪役令嬢ミシェルが実は・・みたいな展開はなかったし。
陛下もここまで真剣に向き合おうとして話してくれてるんだもの・・・私も話をしよう。
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