鑑定士(仮)の小話らしいですよ?

あてきち

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サポちゃん、頑張る!

スキルサポート、初仕事

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 私の名前は『スキルサポート』。創造主たる主神様が命名しました。

 固有スキル『チュートリアル』のサポートシステムとしての機能が私の役目です。スキル所持者、固有名称『ヒビキ・マナベ』のスキル支援を行います。

 先日、スキル所持者がめでたく『チュートリアル』がレベル2にレベルアップしたため数日前から正式にスキルサポートとしてお役に立てる時を待っていました。

 が、未だに私はスキルサポートとしての仕事をしていません。

 というのも、スキル所持者が未だにスキルを使用していないからです。『チュートリアル』がレベルアップしてからスキル所持者がしたことと言えば、1日中居眠りをし、街を練り歩き、現在はベッドの上でダラダラするだけ。

 ……私、必要ありませんね。

 私は四角い箱に映るスキル所持者をじっと見つめます。この箱は『ぱそこん』という物で、スキル所持者の様子を映し出してくれます。『ぱそこん』の隣には『まいく』という物が置いてあり、私がスキル所持者に話しかける際にはこの『まいく』で語りかけるそうです。

 ここは私の仕事場です。主神様が用意してくれた小部屋で、何でも異世界の『がっこうのほうそうしつ』という物を複製した部屋だそうです。私はここで24時間休みなくスキル所持者の動向を観察しています。

「それって、ストーカーじゃね?」

 聖獣カーバンクル様が何か仰られていましたが、どういう意味だったのでしょうか? 

 あ、スキル所持者が何やら動き始めました。自分の背負袋を取り出して中身を物色しています。それに、ようやくスキルを使用するようです。

『次はステータスの確認かな。『鑑定』!』

 『鑑定』と『辞書』を使いいろいろ調べているようです。そろそろ本格的に私の出番でしょうか?

 おや、『医学書』を使用しました。あれは事前に情報を読解する必要のあるスキルです。

『4万ページ!?消費SPが1/10Pっていうのは、10ページにつきSPを1消費するってこと?それって読破しないとスキルが使えないってことなのか?』

 『辞書』でも理解しきれなかったようです。とうとう私の出番です!

「スキルサポートより報告。『医学書メディカルブック』は読破しなくても閲覧し習得した分の知識・技術から医療活動が実行可能です。しかし、より正確に精密に医療活動を実行したいとお考えの場合、全ページを習得することを推奨します。スキルサポートより以上」

 完璧です。スキル所持者は少々驚いている様子ですがしっかり説明できました。

 ふぅ、ずっと緊張しっぱなしだったので疲れました。脱力です。


『ス、スキルサポートさん?』


 ふぅ…………え? 今、呼びました?

 いけない! すぐに返事を……ああ、返事をする前に『医学書』の閲覧を始めてしまいました。今更返事をしても意味がありません。

 気を抜いてはいけなかったのですね。……次回はもっとしっかり支援します。
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