ヒビキとクロードの365日

あてきち

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10月

10月21日『あかりの日』

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クロード「むむむ、右か左か……くっ、どっちがジョーカーなのだ!?」

 ヒビキ「ババ抜きくらいでそこまで悩まなくても。まあ、負ける気はないけどね」

クロード「……決めました! 右だー! おっ!?」

 ヒビキ「あっ、そっちは――え?」

クロード「……真っ暗ですね」

 ヒビキ「急に部屋の明かりが消えちゃったね。電球が壊れちゃったかな? それとも停電? とりあえず、生活魔法『ライト』」

クロード「ほぅ、とりあえず明るくなりました……が、普段と比べると薄暗いです」

 ヒビキ「うちは日本仕様の最新LED100ワット相当の電球を使ってたからね。魔法は便利だけど、こういうところでは科学技術の方が優秀だよ」

クロード「しかし、なぜ明かりが落ちてしまったのでしょうか?」

 ヒビキ「本当だよ。今日10月21日は『あかりの日』だっていうのに、そんなに日家の明かりが消えちゃうなんて縁起でもない」

クロード「あかりの日? なぜ今日がそんな記念日なのですか?」

 ヒビキ「『日本照明学会』ほか三つの照明関連団体が合同で制定した記念日だよ。1879年10月21日に、アメリカの発明家『トーマス・エジソン』が京都産の竹の繊維を炭化させたフィラメントを用いて白熱電球を完成させたことにちなんで作られたんだ。人類の英知の結晶である『あかり』のありがたみを認識する日なんだって」

クロード「確かに、照明のあるなしで生活は大いに違いますからね。こうして夜もヒビキ様とババ抜きができるわけですし」

 ヒビキ「ちょっとありがたみの方向性に疑問を呈したいけど、夜間の行動がしやすくなった点や、夜でも街頭が街を照らしてくれることによって安全性が増したことなんかは、今となっては当たり前のことだけど本当にありがたい恩恵だよね」

クロード「電球も日々進化していると聞きました。なんでも今うちで使用している『えるいーでー』は、今までの電球に比べて虫が寄りにくいとか」

 ヒビキ「虫は紫外線に反応して電球の光に寄せられているんだけど、LED電球は従来の白熱電球よりも圧倒的に紫外線を発する量が少ないんだって。だから、以前と比べると光に寄って来る虫は少ないそうだよ。ただし、対象となっているのは蛾やハエ、カメムシなんかで、夏の大敵である蚊やゴキブリには効果がないらしい。こいつらには紫外線への感受性がないんだってさ」

クロード「蛾やハエが近寄りにくくなっただけでも十分ですが、蚊に効かないのは少々残念ですね……て、話はそれくらいにして停電の原因を確認しませんか?」

 ヒビキ「そういえばそうだった。よし、じゃあ、ブレーカーを見てみよう」

クロード「……ふむ、原因は不明ですが家全体のぶれーかーが落ちただけのようですね。よし、ではスイッチを上げてっと」

 ヒビキ「あ、点いた。よーし、それじゃあババ抜きを再開しようか」

クロード「はい。では私は右を! ……ぐぅ、ジョーカーだったか」

 ヒビキ「んじゃ、俺の番だね。えいっ! やったね、俺の勝ち♪」

クロード「……ヒビキ様、最初に私が右を取ろうとした時、確か『あっ』って顔をしていませんでしたっけ?」

 ヒビキ「さあ、何のこと? ぴゅーぴゅー♪」

クロード「ぐぬぬぬ、声で口笛の真似などして……なんで消えたんだ、あかり」

 ヒビキ「あかりの大切さが身に染みるバトルだったねぇ」



★★★★★
その他の記念日『バック・トゥ・ザ・リサイクルの日』
※映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』
※ごみを燃料にした車型タイムマシンが到着した未来『2015年10月21日』に由来。
※『ごみがごみでなくエネルギーに生まれ変わる日』とした記念日。
※リサイクル技術の開発などを行う、日本環境設計株式会社が制定。


クロード「ごみを燃料にできたら確かによいことですね」
 ヒビキ「一応廃棄物発電とかの技術はあるんだけどね」
クロード「それはよいことなのでは?」
 ヒビキ「日本でも取り組んでいるけど、廃棄物発電そのものがごみの減量・リサイクル化に逆行するものだって意見もあるらしいよ。日本よりはアメリカの方が進んでいるかもしれないね」
クロード「ごみの問題とはなかなか難しいのですね……」
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