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第13話
宰相が倒れた後、マレリアとマーサリンは協力し、宰相が気を失っているのをいいことに指に朱肉を塗りたくり、離縁を承認する書類、また宰相が離任をするという書類に強制的に朱印を押した。
……それは正直、あまりにも酷い不正であったが、しかし聖マリフィナ王国の貴族の中でマレリアを停めようとするものはいなかった。
その際、聖マリフィナ王国の貴族の頭にあったのは現在の宰相が離任されれば次は自分のものになるかもしれないうあまりにも浅い考えだった。
確かにこのまま宰相が離任されればこの中の貴族から次の宰相が選ばれることになる。
……けれどもその結果、マレリアを取り逃がしてしまえば聖マリフィナ王国に残っているのは破滅の道だけでしかないのに聖マリフィナ王国の貴族達は気づくことはなかった。
そして当人達が知らぬ間に、聖マリフィナ王国滅亡は近づいてきていた………
◇◆◇
「……もう時間がない」
宰相の書類を偽造し、帰国へと近づいたマレリア。
けれども自室戻ったマレリアの顔に浮かんだのは悩ましげな表情だった。
確かに通常で考えれば今回の件は、とんでもないスピードでことが進んでいると言えるだろう。
けれども、マレリアに残されたタイムリミットが数日であることを考えれば、今の状態では遅いと言わざるを得ないのだ。
だからこそ、マレリアはその顔に隠しきれない焦燥を浮かべる。
「……本当に鬱陶しいくらい粘る」
マレリアも自身の帰国をあっさりと聖マリフィナ王国の人間が認めるとは思ってはいなかった。
何せ聖マリフィナ王国の人間にとってはマレリアは生命線なのだから。
けれどもだからといってこの結果は聖マリフィナ王国の人間の自業自得に他ならず、だからマレリアは憤慨を隠そうともしない。
「……いざという時は聖マリフィナ王国を潰せば後腐れも無くなる」
だから、マレリアは帰国を早めるためのとある方法を頭に浮かべた。
あまりにも過激で、手段を選ばない方法を。
その瞬間、聖マリフィナ王国の運命が決まったことに誰も気づくことはなかった……
……それは正直、あまりにも酷い不正であったが、しかし聖マリフィナ王国の貴族の中でマレリアを停めようとするものはいなかった。
その際、聖マリフィナ王国の貴族の頭にあったのは現在の宰相が離任されれば次は自分のものになるかもしれないうあまりにも浅い考えだった。
確かにこのまま宰相が離任されればこの中の貴族から次の宰相が選ばれることになる。
……けれどもその結果、マレリアを取り逃がしてしまえば聖マリフィナ王国に残っているのは破滅の道だけでしかないのに聖マリフィナ王国の貴族達は気づくことはなかった。
そして当人達が知らぬ間に、聖マリフィナ王国滅亡は近づいてきていた………
◇◆◇
「……もう時間がない」
宰相の書類を偽造し、帰国へと近づいたマレリア。
けれども自室戻ったマレリアの顔に浮かんだのは悩ましげな表情だった。
確かに通常で考えれば今回の件は、とんでもないスピードでことが進んでいると言えるだろう。
けれども、マレリアに残されたタイムリミットが数日であることを考えれば、今の状態では遅いと言わざるを得ないのだ。
だからこそ、マレリアはその顔に隠しきれない焦燥を浮かべる。
「……本当に鬱陶しいくらい粘る」
マレリアも自身の帰国をあっさりと聖マリフィナ王国の人間が認めるとは思ってはいなかった。
何せ聖マリフィナ王国の人間にとってはマレリアは生命線なのだから。
けれどもだからといってこの結果は聖マリフィナ王国の人間の自業自得に他ならず、だからマレリアは憤慨を隠そうともしない。
「……いざという時は聖マリフィナ王国を潰せば後腐れも無くなる」
だから、マレリアは帰国を早めるためのとある方法を頭に浮かべた。
あまりにも過激で、手段を選ばない方法を。
その瞬間、聖マリフィナ王国の運命が決まったことに誰も気づくことはなかった……
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