14 / 24
そこで待っていたのは
「くそ、くそがっ! どうして、こうなった……」
私がそう自室の机にあたることとなったのは、パーティーの終わった後だった。
あの宣言の後、マレシアはカシュアが自身に手紙を送ったこと、間違いなく真の聖女であることを保証した。
カシュアは、間違いなく聖獣に見いだされた聖女だと。
その上で、カシュアと話したいと自室に来るように誘って見せたのだ。
そのマレシアの言葉は、今まで疑われていたはずのカシュアの疑いをはらすのに十分な言葉だった。
何せ、今やマレシアの名前は各地で賞賛される程のものなのだから。
……そしてその結果、疑念を抱かれることになったのは私だった。
その際必死にカシュアに謝罪し、マレシアにも頭を下げて謝罪したことにより、私が元凶だと判明することはなかった。
けれど、ライハートに証拠が偽造だと見抜かれたせいで、私の立場は圧倒的に悪いものになることとなった。
つまり、私は偽造の証拠で真の聖女を断罪しようとした愚かな王子、そんなレッテルを貼られることとなったのだ。
……そしてその評価は、今の私にとって致命的なものだった。
「余計なことをしよって!」
やりようのない怒りに私は再度、机をたたく。
それほどに現状は最悪な事態だった。
「恨むなよ、マレシア。この手を使うことになったのはお前のせいだからな……!」
けれど、打つ手がなくなった訳ではなかった。
凄惨な笑みを浮かべながら自室を出た私はある部屋へと向って歩き出した。
今まで私は、カシュアを陥れる準備をするにあったて様々な手を使ってきた。
そのうちの一つとして、私は自分の手の内のものをカシュアの侍女の中に潜り込ませている。
──そしてその手の者はカシュアと一緒にマレシアの場所に招待されているのだ。
もちろん、パーティーの後その手の者と接触する時間はほとんどなかったが、マレシアを昏睡する用の薬だけは渡すことができた。
それだけであの手の者は何をすべきか理解するだろう。
すなわち、マレシアを誘拐しろ言われているのだと。
マレシアさえ誘拐できれば、一気に状況を意のままにできるようになる。
カシュアに誘拐の罪を擦り付ければ、相対的に私の評判も元に戻るはずだ。
そう確信しながら、私は緊急時に用意された隠し部屋の扉を開ける。
しかしそこにいたのは、まるで想像しない男だった。
「やっときたか」
その、褐色の肌を大きく露出する異国風の姿。
この辺りでは一切見かけない衣装を身にまとったその美貌の男は、私を睨んで告げる。
「お前、やっていいことの区別もつかないのか?」
……その言葉には、隠しきれない怒りが滲んでいた。
私がそう自室の机にあたることとなったのは、パーティーの終わった後だった。
あの宣言の後、マレシアはカシュアが自身に手紙を送ったこと、間違いなく真の聖女であることを保証した。
カシュアは、間違いなく聖獣に見いだされた聖女だと。
その上で、カシュアと話したいと自室に来るように誘って見せたのだ。
そのマレシアの言葉は、今まで疑われていたはずのカシュアの疑いをはらすのに十分な言葉だった。
何せ、今やマレシアの名前は各地で賞賛される程のものなのだから。
……そしてその結果、疑念を抱かれることになったのは私だった。
その際必死にカシュアに謝罪し、マレシアにも頭を下げて謝罪したことにより、私が元凶だと判明することはなかった。
けれど、ライハートに証拠が偽造だと見抜かれたせいで、私の立場は圧倒的に悪いものになることとなった。
つまり、私は偽造の証拠で真の聖女を断罪しようとした愚かな王子、そんなレッテルを貼られることとなったのだ。
……そしてその評価は、今の私にとって致命的なものだった。
「余計なことをしよって!」
やりようのない怒りに私は再度、机をたたく。
それほどに現状は最悪な事態だった。
「恨むなよ、マレシア。この手を使うことになったのはお前のせいだからな……!」
けれど、打つ手がなくなった訳ではなかった。
凄惨な笑みを浮かべながら自室を出た私はある部屋へと向って歩き出した。
今まで私は、カシュアを陥れる準備をするにあったて様々な手を使ってきた。
そのうちの一つとして、私は自分の手の内のものをカシュアの侍女の中に潜り込ませている。
──そしてその手の者はカシュアと一緒にマレシアの場所に招待されているのだ。
もちろん、パーティーの後その手の者と接触する時間はほとんどなかったが、マレシアを昏睡する用の薬だけは渡すことができた。
それだけであの手の者は何をすべきか理解するだろう。
すなわち、マレシアを誘拐しろ言われているのだと。
マレシアさえ誘拐できれば、一気に状況を意のままにできるようになる。
カシュアに誘拐の罪を擦り付ければ、相対的に私の評判も元に戻るはずだ。
そう確信しながら、私は緊急時に用意された隠し部屋の扉を開ける。
しかしそこにいたのは、まるで想像しない男だった。
「やっときたか」
その、褐色の肌を大きく露出する異国風の姿。
この辺りでは一切見かけない衣装を身にまとったその美貌の男は、私を睨んで告げる。
「お前、やっていいことの区別もつかないのか?」
……その言葉には、隠しきれない怒りが滲んでいた。
あなたにおすすめの小説
婚約破棄をされ、谷に落ちた女は聖獣の血を引く
基本二度寝
恋愛
「不憫に思って平民のお前を召し上げてやったのにな!」
王太子は女を突き飛ばした。
「その恩も忘れて、お前は何をした!」
突き飛ばされた女を、王太子の護衛の男が走り寄り支える。
その姿に王太子は更に苛立った。
「貴様との婚約は破棄する!私に魅了の力を使って城に召し上げさせたこと、私と婚約させたこと、貴様の好き勝手になどさせるか!」
「ソル…?」
「平民がっ馴れ馴れしく私の愛称を呼ぶなっ!」
王太子の怒声にはらはらと女は涙をこぼした。
修道女エンドの悪役令嬢が実は聖女だったわけですが今更助けてなんて言わないですよね
星井ゆの花
恋愛
『お久しぶりですわ、バッカス王太子。ルイーゼの名は捨てて今は洗礼名のセシリアで暮らしております。そちらには聖女ミカエラさんがいるのだから、私がいなくても安心ね。ご機嫌よう……』
悪役令嬢ルイーゼは聖女ミカエラへの嫌がらせという濡れ衣を着せられて、辺境の修道院へ追放されてしまう。2年後、魔族の襲撃により王都はピンチに陥り、真の聖女はミカエラではなくルイーゼだったことが判明する。
地母神との誓いにより祖国の土地だけは踏めないルイーゼに、今更助けを求めることは不可能。さらに、ルイーゼには別の国の王子から求婚話が来ていて……?
* この作品は、アルファポリスさんと小説家になろうさんに投稿しています。
* 2025年12月06日、番外編の投稿開始しました。
【完結】二度目の子育て~我が子を可愛がったら溺愛されました
三園 七詩
恋愛
私は一人娘の優里亜の母親だった。
優里亜は幼い頃から体が弱く病院でほとんどの時間を過ごしていた。
優里亜は本が好きでよく私にも本の話をしてくれた。
そんな優里亜の病状が悪化して幼くして亡くなってしまう。
絶望に打ちひしがれている時事件に巻き込まれ私も命を落とした。
そして気がつくと娘の優里亜が大好きだった本の世界に入り込んでいた。
皇子の婚約者になりたくないので天の声に従いました
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
幼い頃から天の声が聞こえるシラク公爵の娘であるミレーヌ。
この天の声にはいろいろと助けられていた。父親の命を救ってくれたのもこの天の声。
そして、進学に向けて騎士科か魔導科を選択しなければならなくなったとき、助言をしてくれたのも天の声。
ミレーヌはこの天の声に従い、騎士科を選ぶことにした。
なぜなら、魔導科を選ぶと、皇子の婚約者という立派な役割がもれなくついてきてしまうからだ。
※完結しました。新年早々、クスっとしていただけたら幸いです。軽くお読みください。
冷酷騎士団長に『出来損ない』と捨てられましたが、どうやら私の力が覚醒したらしく、ヤンデレ化した彼に執着されています
放浪人
恋愛
平凡な毎日を送っていたはずの私、橘 莉奈(たちばな りな)は、突然、眩い光に包まれ異世界『エルドラ』に召喚されてしまう。 伝説の『聖女』として迎えられたのも束の間、魔力測定で「魔力ゼロ」と判定され、『出来損ない』の烙印を押されてしまった。
希望を失った私を引き取ったのは、氷のように冷たい瞳を持つ、この国の騎士団長カイン・アシュフォード。 「お前はここで、俺の命令だけを聞いていればいい」 物置のような部屋に押し込められ、彼から向けられるのは侮蔑の視線と冷たい言葉だけ。
元の世界に帰ることもできず、絶望的な日々が続くと思っていた。
──しかし、ある出来事をきっかけに、私の中に眠っていた〝本当の力〟が目覚め始める。 その瞬間から、私を見るカインの目が変わり始めた。
「リリア、お前は俺だけのものだ」 「どこへも行かせない。永遠に、俺のそばにいろ」
かつての冷酷さはどこへやら、彼は私に異常なまでの執着を見せ、甘く、そして狂気的な愛情で私を束縛しようとしてくる。 これは本当に愛情なの? それともただの執着?
優しい第二王子エリアスは私に手を差し伸べてくれるけれど、カインの嫉妬の炎は燃え盛るばかり。 逃げ場のない城の中、歪んだ愛の檻に、私は囚われていく──。
出来損ないの私がお姉様の婚約者だった王子の呪いを解いてみた結果→
AK
恋愛
「ねえミディア。王子様と結婚してみたくはないかしら?」
ある日、意地の悪い笑顔を浮かべながらお姉様は言った。
お姉様は地味な私と違って公爵家の優秀な長女として、次期国王の最有力候補であった第一王子様と婚約を結んでいた。
しかしその王子様はある日突然不治の病に倒れ、それ以降彼に触れた人は石化して死んでしまう呪いに身を侵されてしまう。
そんは王子様を押し付けるように婚約させられた私だけど、私は光の魔力を有して生まれた聖女だったので、彼のことを救うことができるかもしれないと思った。
お姉様は厄介者と化した王子を押し付けたいだけかもしれないけれど、残念ながらお姉様の思い通りの展開にはさせない。
傷物の大聖女は盲目の皇子に見染められ祖国を捨てる~失ったことで滅びに瀕する祖国。今更求められても遅すぎです~
たらふくごん
恋愛
聖女の力に目覚めたフィアリーナ。
彼女には人に言えない過去があった。
淑女としてのデビューを祝うデビュタントの日、そこはまさに断罪の場へと様相を変えてしまう。
実父がいきなり暴露するフィアリーナの過去。
彼女いきなり不幸のどん底へと落とされる。
やがて絶望し命を自ら断つ彼女。
しかし運命の出会いにより彼女は命を取り留めた。
そして出会う盲目の皇子アレリッド。
心を通わせ二人は恋に落ちていく。
悪役令嬢と呼ばれて追放されましたが、先祖返りの精霊種だったので、神殿で崇められる立場になりました。母国は加護を失いましたが仕方ないですね。
蒼衣翼
恋愛
古くから続く名家の娘、アレリは、古い盟約に従って、王太子の妻となるさだめだった。
しかし、古臭い伝統に反発した王太子によって、ありもしない罪をでっち上げられた挙げ句、国外追放となってしまう。
自分の意思とは関係ないところで、運命を翻弄されたアレリは、憧れだった精霊信仰がさかんな国を目指すことに。
そこで、自然のエネルギーそのものである精霊と語り合うことの出来るアレリは、神殿で聖女と崇められ、優しい青年と巡り合った。
一方、古い盟約を破った故国は、精霊の加護を失い、衰退していくのだった。
※カクヨムさまにも掲載しています。