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第二十一章
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「ナタリー夫人」
ビアトリスが改まった口調で呼びかけると、夫人ばかりでなく母までも緊張の面持ちでこちらを見た。
四つの瞳に見つめられても、ビアトリスは怯まないぞと心に決めていたから、心もち背筋を伸ばして言葉を続けた。
「ウォレス様とは、駄目なんです」
単刀直入に言ってみた。四の五の言っても夫人に上手くはぐらかされるばかりだとわかっていた。
母がキュッとハンカチを握り締めているのがわかったが、ビアトリスは怯まない。
「ウォレス様は、身のうちにお持ちの愛を全てアメリア様に捧げておられます」
演劇好きの夫人には、ちょっと舞台がかった大袈裟な言いまわしが効く。
「真実の」
「⋯⋯真実の?」
「愛」
「あ、愛⋯⋯」
夫人はビアトリスに釣られてリピートした。
「ウォレス様は、アメリア様に真実の愛を捧げておいでです。誠に素晴らしいことですわ」
「素晴らしい、のかしら」
「ええ、それはもう。まるで古典に読む愛の物語のようですわ」
母が横で顔色を悪くする。マズい、夫人が演劇脳に切り替わると気づいたようだった。
「そこで私は、ほんのちょっとしたスパイスでした。真実の愛には、愛を阻む枷があったなら効果的なのです」
「貴女が枷?」
「ええ。それはもう立派な枷でしたの。ウォレス様が毎回毎回お茶会から逃げ出すほどには」
「お茶会から逃げ出す⋯⋯。貴女のお父様からも聞いたけれどそれほど?確かにあの子は殿下のお側付きですから忙しいわ。時には止むを得ずお断りすることもあるでしょう。でも、それほど多くはなかったはずよ?」
夫人は知らない。
ウォレスが茶会をすっぽかすのは、ほとんどがビアトリスの邸で開かれるターンだ。三回に二回はすっぽかすが、ヤツはその匙加減を誤らない。
元よりビアトリスの両親は無関心が過ぎたのだが、取り敢えず、ウォレスは両親たちに不審に思われるギリギリの案配を間違えなかった。
そんなところまで小賢しくて、ビアトリスのウォレスに対する信頼は地を這うほどに低くなった。
「ここに証明がございますの」
ビアトリスが背後のマチルダに視線を送ると、母の顔色が更に悪くなった。例のブツを用意していたことに気がついたようだ。
ビアトリスはマチルダから「ウォレス不義理文集」を受け取ると、恭しく夫人に差し出した。
「これは?」
「ウォレス様から頂戴しました茶会のお断り文を、日付順に纏めたものです。初回は婚約を結んだその月から始まっております」
「初回が、その月⋯⋯」
夫人は信じられないというように、不義理文集を手にすると、一枚目を見てビアトリスの言葉が正しいことを理解した。
それから二枚目三枚目とめくるうちに、その不自然さに気づいた。
「同じ文言⋯⋯。謝罪の言葉はどこに?」
裏側に書かれていると思ったのか、上部だけ貼り付けられている文を一枚めくって確かめた。
そんなものはあるわけないから、当然ながら謝罪の言葉は見つからない。
「この三年間でお茶会は計74回予定されておりました。そのうちウォレス様とお会いできたのは21回、お断りされた回数は53回。ちなみに53回中53回が当日朝の土壇場キャンセルですわ。ウォレス様とお会いできたのは確率なら28.38%」
ビアトリスは小数点第二位まで計算して伝えた。途端に、夫人ばかりか母まで唖然となった。
言葉で示され現物を確かめ、具体的な数値で表されると人の心はググっと動く。
「それから」
「まだあるの?」
ここが肝だとビアトリスは真顔になった。
「ウォレス様は、未来永劫、私には指一本触れることはないでしょう」
「え?い、一本くらい⋯⋯」
「夫人、甘いです。蜂蜜くらい甘いですわ」
「え?は、蜂蜜?」
ここからビアトリスは演劇モードにスイッチした。演劇脳の夫人には強烈なアタックが必要だ。
「アメリア様に真実の愛、純愛を貫くウォレス様が、私なんぞに触れるなんてことがあるのでしょうか。彼は生涯、尊い愛と操をアメリア様に捧げるのです。私などと褥だの同衾だの閨なんてことが、果たしてあるというのでしょうか!」
演劇というより演説に寄ったが、熱意はきっと伝わったはずである。
「したがって、尊い真実の愛をアメリア様に捧げるウォレス様とは、私がお子を儲けることは確率ならば0%!皆無です!皆無!」
ビアトリスの朗々とした演説は、ブラウン伯爵邸の応接室に響鳴して、壁を伝って廊下まで響いた。部屋の中にも外にも響いて使用人たちの耳にも届いて、そのうちの多くが不憫な令嬢に同情するあまり涙を滲ませた。
「ビアトリス」
うっかり隙があったのか、ビアトリスは背後を取られた。しまった、油断したつもりはなかったのに見つかってしまった。
ビアトリスは一旦は無視しようと思った。
「ビアトリス!」
五月蝿いなあ。と言えたならどんなに気持ちがスカッとするか。だが弱者を演じるビアトリスは、周囲に二人を見つめる生徒たちの目があることを忘れない。
「なんでございましょう、ウォレス様」
しおらしい感満載で振り向けば、ウォレスも勢いをなくした。
「ちょっと、ちょっと⋯⋯」
折角振り向いたのに、ウォレスは小声でちょっとちょっとと困惑した様子で言う。
「話がある。別のところへ」
「ええ?駄目です。男女の二人きりは誤解を生みますわ」
「私と君の仲だろう」
これまでの冷ややかな関係しか思い浮かばず、ビアトリスは「んん?」と考えた。
「その、婚約者だろう」
「間もなく無くな」「ちょっと待て、なぜそんな」
ウォレスはビアトリスの言葉を遮り、一歩前に踏み出した。それでビアトリスは一歩後ろに後ずさった。
「なぜ、母上にあんなことを」
「あんなこと?」
「断りの文を」
「ああ、『ウォレス様の不義理文集』ですか?」
「可怪しな名をつけるな。それから不義理ではない、ちゃんと理由が」
「へえ。急用とは万能な断り文句ですわね」
ウォレスは、これまで反抗らしいことをしなかったビアトリスの冷ややかな言葉に、ぐっと息を呑んだ。
ビアトリスが改まった口調で呼びかけると、夫人ばかりでなく母までも緊張の面持ちでこちらを見た。
四つの瞳に見つめられても、ビアトリスは怯まないぞと心に決めていたから、心もち背筋を伸ばして言葉を続けた。
「ウォレス様とは、駄目なんです」
単刀直入に言ってみた。四の五の言っても夫人に上手くはぐらかされるばかりだとわかっていた。
母がキュッとハンカチを握り締めているのがわかったが、ビアトリスは怯まない。
「ウォレス様は、身のうちにお持ちの愛を全てアメリア様に捧げておられます」
演劇好きの夫人には、ちょっと舞台がかった大袈裟な言いまわしが効く。
「真実の」
「⋯⋯真実の?」
「愛」
「あ、愛⋯⋯」
夫人はビアトリスに釣られてリピートした。
「ウォレス様は、アメリア様に真実の愛を捧げておいでです。誠に素晴らしいことですわ」
「素晴らしい、のかしら」
「ええ、それはもう。まるで古典に読む愛の物語のようですわ」
母が横で顔色を悪くする。マズい、夫人が演劇脳に切り替わると気づいたようだった。
「そこで私は、ほんのちょっとしたスパイスでした。真実の愛には、愛を阻む枷があったなら効果的なのです」
「貴女が枷?」
「ええ。それはもう立派な枷でしたの。ウォレス様が毎回毎回お茶会から逃げ出すほどには」
「お茶会から逃げ出す⋯⋯。貴女のお父様からも聞いたけれどそれほど?確かにあの子は殿下のお側付きですから忙しいわ。時には止むを得ずお断りすることもあるでしょう。でも、それほど多くはなかったはずよ?」
夫人は知らない。
ウォレスが茶会をすっぽかすのは、ほとんどがビアトリスの邸で開かれるターンだ。三回に二回はすっぽかすが、ヤツはその匙加減を誤らない。
元よりビアトリスの両親は無関心が過ぎたのだが、取り敢えず、ウォレスは両親たちに不審に思われるギリギリの案配を間違えなかった。
そんなところまで小賢しくて、ビアトリスのウォレスに対する信頼は地を這うほどに低くなった。
「ここに証明がございますの」
ビアトリスが背後のマチルダに視線を送ると、母の顔色が更に悪くなった。例のブツを用意していたことに気がついたようだ。
ビアトリスはマチルダから「ウォレス不義理文集」を受け取ると、恭しく夫人に差し出した。
「これは?」
「ウォレス様から頂戴しました茶会のお断り文を、日付順に纏めたものです。初回は婚約を結んだその月から始まっております」
「初回が、その月⋯⋯」
夫人は信じられないというように、不義理文集を手にすると、一枚目を見てビアトリスの言葉が正しいことを理解した。
それから二枚目三枚目とめくるうちに、その不自然さに気づいた。
「同じ文言⋯⋯。謝罪の言葉はどこに?」
裏側に書かれていると思ったのか、上部だけ貼り付けられている文を一枚めくって確かめた。
そんなものはあるわけないから、当然ながら謝罪の言葉は見つからない。
「この三年間でお茶会は計74回予定されておりました。そのうちウォレス様とお会いできたのは21回、お断りされた回数は53回。ちなみに53回中53回が当日朝の土壇場キャンセルですわ。ウォレス様とお会いできたのは確率なら28.38%」
ビアトリスは小数点第二位まで計算して伝えた。途端に、夫人ばかりか母まで唖然となった。
言葉で示され現物を確かめ、具体的な数値で表されると人の心はググっと動く。
「それから」
「まだあるの?」
ここが肝だとビアトリスは真顔になった。
「ウォレス様は、未来永劫、私には指一本触れることはないでしょう」
「え?い、一本くらい⋯⋯」
「夫人、甘いです。蜂蜜くらい甘いですわ」
「え?は、蜂蜜?」
ここからビアトリスは演劇モードにスイッチした。演劇脳の夫人には強烈なアタックが必要だ。
「アメリア様に真実の愛、純愛を貫くウォレス様が、私なんぞに触れるなんてことがあるのでしょうか。彼は生涯、尊い愛と操をアメリア様に捧げるのです。私などと褥だの同衾だの閨なんてことが、果たしてあるというのでしょうか!」
演劇というより演説に寄ったが、熱意はきっと伝わったはずである。
「したがって、尊い真実の愛をアメリア様に捧げるウォレス様とは、私がお子を儲けることは確率ならば0%!皆無です!皆無!」
ビアトリスの朗々とした演説は、ブラウン伯爵邸の応接室に響鳴して、壁を伝って廊下まで響いた。部屋の中にも外にも響いて使用人たちの耳にも届いて、そのうちの多くが不憫な令嬢に同情するあまり涙を滲ませた。
「ビアトリス」
うっかり隙があったのか、ビアトリスは背後を取られた。しまった、油断したつもりはなかったのに見つかってしまった。
ビアトリスは一旦は無視しようと思った。
「ビアトリス!」
五月蝿いなあ。と言えたならどんなに気持ちがスカッとするか。だが弱者を演じるビアトリスは、周囲に二人を見つめる生徒たちの目があることを忘れない。
「なんでございましょう、ウォレス様」
しおらしい感満載で振り向けば、ウォレスも勢いをなくした。
「ちょっと、ちょっと⋯⋯」
折角振り向いたのに、ウォレスは小声でちょっとちょっとと困惑した様子で言う。
「話がある。別のところへ」
「ええ?駄目です。男女の二人きりは誤解を生みますわ」
「私と君の仲だろう」
これまでの冷ややかな関係しか思い浮かばず、ビアトリスは「んん?」と考えた。
「その、婚約者だろう」
「間もなく無くな」「ちょっと待て、なぜそんな」
ウォレスはビアトリスの言葉を遮り、一歩前に踏み出した。それでビアトリスは一歩後ろに後ずさった。
「なぜ、母上にあんなことを」
「あんなこと?」
「断りの文を」
「ああ、『ウォレス様の不義理文集』ですか?」
「可怪しな名をつけるな。それから不義理ではない、ちゃんと理由が」
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ウォレスは、これまで反抗らしいことをしなかったビアトリスの冷ややかな言葉に、ぐっと息を呑んだ。
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