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第四十五章
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「ちゃんとお話したのよ?私は死んだことにしてって」
ああ、アメリアの父親は、侯爵は知っているのだ。
「だって、とってもしつこいお方なの。大公様って。お断りしても、お断りしても、お断りしても申し込んでいらっしゃるの。ホント迷惑よね」
アメリアは、心底迷惑したという顔をした。それから、付け加えるように言った。
「死んだと聞いたら諦めると思ったし、それに」
「⋯⋯それに?」
「貴女は婚約してしまったし」
「はい?」
ビアトリスは、自分は疲れているらしいと思った。言葉の意味が理解できない。早く帰って寝たほうがいい。
「見たくなかったの。貴女が誰かを愛する姿なんて」
アメリアはそう言って、ハロルドをキッと睨んだ。
「あのぅ」
「あのまま学園にいたら、ソイツをどうにかしたくなっちゃう」
「ソイツ⋯⋯」
アメリアは、ハロルドに向けて顎をしゃくった。
「ハロルド様?」
ビアトリスがハロルドへと振り返れば、彼もアメリアをキッと睨みつけていた。バチバチと二人の間に何かが飛び交う。
ビアトリスは、アメリアとハロルドの真ん中にいて睨む視線のサンドウィッチになっていた。
「ねえ、ビアトリス様」
ハロルドへ向いていたビアトリスは、アメリアに名を呼ばれてそちらへと振り返った。
「最後に貴女の前では、なりたい自分にならせてくれる?」
「え?それは⋯⋯」
アメリアはそこで、ビアトリスに微笑んだ。
ティムズやウォレスや数多の男子生徒を虜にした、蕩けるような笑みである。
だが次の瞬間、アメリアは表情を切り替えた。それは一瞬の出来事で、ビアトリスは目を離すことができなかった。
アメリアはビアトリスを見つめながら、きりりと表情を変えた。
蕩ける垂れ目は涼し気に、だが切なげに眉が寄せられて、ビアトリスはなぜなのか胸に痛みを覚えた。
アメリアは、男の子になっていた。いや、麗しい青年の姿になった。
「ビアトリス嬢、君のことが好きだった」
アメリアは、多分わかっていたのではないか。ビアトリスと会うのは、もうこれが最後だと。
彼女は本当の姿になって、ビアトリスに本心を打ち明けた。
だが、その言葉がビアトリスの耳に届くことはなかった。なぜならハロルドが、ビアトリスの背後から両耳に手の平を押し当てて塞いでしまったから。
アメリアはすっくと立ち上がると、持ち場に戻ると言って回廊のほうへ駆け出した。行き成りのことに呆然となったビアトリスに微笑むと、ハロルドの前を通り過ぎながら、彼のスネを横蹴りにした。
「うっ」
「大丈夫!?ハロルド様」
ハロルドが脛を押さえて小さく呻いた。ビアトリスがハロルドを覗き込んでるうちに、アメリアは回廊に戻って何もなかったように直立の姿勢になっていた。
アメリアはその後、公国に嫁いでいった。見習い騎士は見習いで終わった。
彼女の父である侯爵は、アメリアの全てを理解していた。
アメリアは親友のロゼリアに打ち明け、どこにも嫁げぬように自身に瑕疵をつけようとしたが、全ては侯爵の手の平で守られてのことだった。
そうでなければ、王太子を巻き込む醜聞を起こせる筈もない。王家には、ほんの十年前に第三王子が関わった騒動がある。
王家と宰相と侯爵家に、ロゼリアの生家である公爵家も加わって、何某かの盟約が交わされていたらしい。
だが、それすら大公の思惑の範疇だった。アメリアを欲する大公こそが、王家と密約を交わしていたのだろう。王国と公国は、アメリアが輿入れすると、友好国として交易に関する条約を結んでいる。
アメリアは、侯爵という父の手の平を更に覆う大公の手の平に囲われて、精一杯藻掻いて足掻いて、結局は大公の手の中に収まった。
自身の真実を打ち明けて縁談を断ったアメリアに、大公は「愛する方法ならいくらでもある」と言ったという。
「それはどんな方法?」
「ビアトリスは知らなくていいよ。そのまま黙ってハロルドに愛されとけ」
ルーファスは、「愛する方法」については教えてくれなかった。
エリック集団の中で、このことを知っていたのはエリックとロゼリアであるが、当然ながら宰相の子息であるブライアンも承知していた。
「なんでルーファスは知っていたの?」
「見ていればわかるだろう。自分が仕える主君だよ?」
「そんな、見ているだけで?なら、ウォレス様は?ティムズ様だって」
「あいつらが見ていたのはアメリアだ。それも上辺ばかりの偽りの姿だ」
「ルーファスは、アメリア様のこと気づいていたの?」
ルーファスは、ビアトリスの疑問に答えてくれた。
「ああ。見てればわかるだろう?」
どこが。
ルーファスは、アメリアの内面について幼い頃から薄々気づいていたという。
「アイツ、剣の話になると目の色が変わるんだ」
ルーファスは、アメリアを「アイツ」呼ばわりした。そういえば、ハロルドもアメリアを男子扱いしていたと思い出す。そうでなければあんなふうに令嬢の手をはたくなんてことはしない。
ハロルドも、気がついていたのだろうか。
ルーファスの話を聞いたビアトリスは、そこで思い出した。アメリアに談判した子爵令嬢ジェマイマの婚約者は、騎士を目指していた。あの時アメリアはジェマイマに、婚約者とは「趣味が合う」と話していたのではなかったか。
「それに」
ルーファスはそう言いかけて、ビアトリスをじっと見た。
「アイツはお前には、特別優しかった」
どこが?
ルーファスは、驚き固まるビアトリスに、若干呆れ気味に「お前は黙ってハロルドに愛されとけ」ともう一度繰り返した。
「わかりやすいヤツだったろう」
「アメリア様が?」
「真っ直ぐだったじゃないか」
「なにに?」
「やる事なす事、全部だよ。大公は、そんなアメリアをよほど気に入ったんだろうな」
大公がアメリアをどうなふうに愛したのか。それはきっと、性別なんて垣根を軽々越えた、広くて大きな愛だったのだろう。
アメリアは、間もなく懐妊したのだから。
ああ、アメリアの父親は、侯爵は知っているのだ。
「だって、とってもしつこいお方なの。大公様って。お断りしても、お断りしても、お断りしても申し込んでいらっしゃるの。ホント迷惑よね」
アメリアは、心底迷惑したという顔をした。それから、付け加えるように言った。
「死んだと聞いたら諦めると思ったし、それに」
「⋯⋯それに?」
「貴女は婚約してしまったし」
「はい?」
ビアトリスは、自分は疲れているらしいと思った。言葉の意味が理解できない。早く帰って寝たほうがいい。
「見たくなかったの。貴女が誰かを愛する姿なんて」
アメリアはそう言って、ハロルドをキッと睨んだ。
「あのぅ」
「あのまま学園にいたら、ソイツをどうにかしたくなっちゃう」
「ソイツ⋯⋯」
アメリアは、ハロルドに向けて顎をしゃくった。
「ハロルド様?」
ビアトリスがハロルドへと振り返れば、彼もアメリアをキッと睨みつけていた。バチバチと二人の間に何かが飛び交う。
ビアトリスは、アメリアとハロルドの真ん中にいて睨む視線のサンドウィッチになっていた。
「ねえ、ビアトリス様」
ハロルドへ向いていたビアトリスは、アメリアに名を呼ばれてそちらへと振り返った。
「最後に貴女の前では、なりたい自分にならせてくれる?」
「え?それは⋯⋯」
アメリアはそこで、ビアトリスに微笑んだ。
ティムズやウォレスや数多の男子生徒を虜にした、蕩けるような笑みである。
だが次の瞬間、アメリアは表情を切り替えた。それは一瞬の出来事で、ビアトリスは目を離すことができなかった。
アメリアはビアトリスを見つめながら、きりりと表情を変えた。
蕩ける垂れ目は涼し気に、だが切なげに眉が寄せられて、ビアトリスはなぜなのか胸に痛みを覚えた。
アメリアは、男の子になっていた。いや、麗しい青年の姿になった。
「ビアトリス嬢、君のことが好きだった」
アメリアは、多分わかっていたのではないか。ビアトリスと会うのは、もうこれが最後だと。
彼女は本当の姿になって、ビアトリスに本心を打ち明けた。
だが、その言葉がビアトリスの耳に届くことはなかった。なぜならハロルドが、ビアトリスの背後から両耳に手の平を押し当てて塞いでしまったから。
アメリアはすっくと立ち上がると、持ち場に戻ると言って回廊のほうへ駆け出した。行き成りのことに呆然となったビアトリスに微笑むと、ハロルドの前を通り過ぎながら、彼のスネを横蹴りにした。
「うっ」
「大丈夫!?ハロルド様」
ハロルドが脛を押さえて小さく呻いた。ビアトリスがハロルドを覗き込んでるうちに、アメリアは回廊に戻って何もなかったように直立の姿勢になっていた。
アメリアはその後、公国に嫁いでいった。見習い騎士は見習いで終わった。
彼女の父である侯爵は、アメリアの全てを理解していた。
アメリアは親友のロゼリアに打ち明け、どこにも嫁げぬように自身に瑕疵をつけようとしたが、全ては侯爵の手の平で守られてのことだった。
そうでなければ、王太子を巻き込む醜聞を起こせる筈もない。王家には、ほんの十年前に第三王子が関わった騒動がある。
王家と宰相と侯爵家に、ロゼリアの生家である公爵家も加わって、何某かの盟約が交わされていたらしい。
だが、それすら大公の思惑の範疇だった。アメリアを欲する大公こそが、王家と密約を交わしていたのだろう。王国と公国は、アメリアが輿入れすると、友好国として交易に関する条約を結んでいる。
アメリアは、侯爵という父の手の平を更に覆う大公の手の平に囲われて、精一杯藻掻いて足掻いて、結局は大公の手の中に収まった。
自身の真実を打ち明けて縁談を断ったアメリアに、大公は「愛する方法ならいくらでもある」と言ったという。
「それはどんな方法?」
「ビアトリスは知らなくていいよ。そのまま黙ってハロルドに愛されとけ」
ルーファスは、「愛する方法」については教えてくれなかった。
エリック集団の中で、このことを知っていたのはエリックとロゼリアであるが、当然ながら宰相の子息であるブライアンも承知していた。
「なんでルーファスは知っていたの?」
「見ていればわかるだろう。自分が仕える主君だよ?」
「そんな、見ているだけで?なら、ウォレス様は?ティムズ様だって」
「あいつらが見ていたのはアメリアだ。それも上辺ばかりの偽りの姿だ」
「ルーファスは、アメリア様のこと気づいていたの?」
ルーファスは、ビアトリスの疑問に答えてくれた。
「ああ。見てればわかるだろう?」
どこが。
ルーファスは、アメリアの内面について幼い頃から薄々気づいていたという。
「アイツ、剣の話になると目の色が変わるんだ」
ルーファスは、アメリアを「アイツ」呼ばわりした。そういえば、ハロルドもアメリアを男子扱いしていたと思い出す。そうでなければあんなふうに令嬢の手をはたくなんてことはしない。
ハロルドも、気がついていたのだろうか。
ルーファスの話を聞いたビアトリスは、そこで思い出した。アメリアに談判した子爵令嬢ジェマイマの婚約者は、騎士を目指していた。あの時アメリアはジェマイマに、婚約者とは「趣味が合う」と話していたのではなかったか。
「それに」
ルーファスはそう言いかけて、ビアトリスをじっと見た。
「アイツはお前には、特別優しかった」
どこが?
ルーファスは、驚き固まるビアトリスに、若干呆れ気味に「お前は黙ってハロルドに愛されとけ」ともう一度繰り返した。
「わかりやすいヤツだったろう」
「アメリア様が?」
「真っ直ぐだったじゃないか」
「なにに?」
「やる事なす事、全部だよ。大公は、そんなアメリアをよほど気に入ったんだろうな」
大公がアメリアをどうなふうに愛したのか。それはきっと、性別なんて垣根を軽々越えた、広くて大きな愛だったのだろう。
アメリアは、間もなく懐妊したのだから。
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