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馬車までどうやって戻って来たのか記憶が無かった。控えの間で待たせていた侍女が一緒であるから、端から見たマグノリアの様子に変わったところは見受けられなかったのだろう。
邸へと戻る馬車の中で、膝の上で合わせた手が、まだ体温を戻さずに冷えて感じる。この陽気であるのに。
父が邸に戻れないのは、十中十、ニコラスが原因だろう。
ニコラスが、マグノリアがヴィクターの婚約者に据えられるのを妨げている。何も解らない中で、それだけははっきり解った。
メリーエンダを悲しませたくない。
ただその一点がマグノリアを拘束するものであるのなら、こんな破廉恥で馬鹿馬鹿しい話しは無いだろう。だが、それが罷り通る可能性があるから、父は城に留まっている。
どうしたら良いのだろう。
貴族に生まれて、幸福だけを望んで来た訳では無い。生まれが既に恵まれたものである事を理解しているから、この身は家の為にあるのだと理解している。だが、それは王子の我欲を叶える為の生では無い。
そのニコラスは、メリーエンダの心に憂いを生まない為なら、国も貴族も法も常識も、全てひっくり返して構わないとさえ思っている。そんな気概が窺い知れて、マグノリアは空恐ろしくなってしまった。
同時に湧き起こったのは激しい怒りで、恐怖と困惑と怒りが綯い交ぜになって、マグノリアを酷く混乱させた。
学園は間もなく夏期休暇を迎える。ニコラスは、全てをこの夏の間に纏め上げる心積もりでいるのだろう。仄かな憧れと恋心を抱いた王子から、こんな怒りと恐怖を知らされるだなんて。
その晩、宵も深まった頃に父が邸に帰って来た。まんじりともせずに、寝台でただ横たわるしか出来ずにいたマグノリアは、遠くに馬の蹄と車輪の音がするのを聞き逃さなかった。
そっと寝台を降りて、部屋の扉を小さく開ける。幸い使用人の姿は見えず、そのまま暗い廊下に出た。裸足のまま、音を立てぬ様に薄暗がりの廊下を壁伝いに進んだ。
マグノリアの自室は二階にある。両親の部屋とは大階段を挟んだ反対側にあるのだが、暗がりの向こうに人の気配は無かった。母は既に階下にいて父を出迎えるのだろう。
「マグノリア」
背後から声を掛けられ、思わず小さく身体が跳ねた。
「お姉様、」
「お父様がお帰りになったのね。」
姉も気配に気付き様子を窺いに部屋を出て来たらしい。
姉がマグノリアの左手を握る。
「大丈夫よ、マグノリア。一緒にいるわ。」
三つ年上の姉は、幼いマグノリアをいつもこうして励ましてくれた。懐かしい柔らかな手の温もりに触れて、漸くマグノリアは思った以上に自分が不安に駆られていたのだと思い至った。
ニコラスとの遣り取りは、母と姉には伝えていた。上手く伝えられたかは解らない。けれども、帰ってこない父を案ずる母に、その原因と思しき事がニコラスであるのを話していた。
大階段の手摺りの陰から階下を覗き見れば、家令や執事ら上級使用人と母が父を迎えるところであった。
灯りを絞った薄闇に、玄関ホールばかりが煌々と灯りが灯されている。そこに父の姿が現れて、マグノリアは思わず詰めていた息を吐いた。
足早に進む父からは表情が良く見えない。
母が父に近寄り、一言二言何かを言って、それに父が答えているのだが、ここまではその内容は聴こえなかった。
あっと言う間に父達は奥の執事室へ通じる通路へと姿を消して、後には再び静寂が戻った。
「マグノリア、戻りましょう」
姉の囁き声に促されて、手摺りの陰から身を起こす。そのまま元来た廊下を暗がりの中自室へ戻る。
「明日、お父様が説明して下さるわ。何もかもそれからよ。」
姉の言葉に頷くことしか出来ない。朝が来るのが怖い。折角、自分から動いて得られたヴィクターとの縁が、このまま朝日に溶かされ形を無くしてしまうのではないかと、そんな事が起こったなら、どれほど絶望してしまうのだろうと、自分がもう直ぐ迎える未来が恐ろしく思えた。
「お父様を信じましょう。貴族達の矜持を信じましょう。陛下であれ王太子であれ、我欲に駆られた横暴が罷り通る国では駄目なのだと、必ず声を上げる家があるのだから。我が家はその急先鋒よ。貴女を馬鹿な若造の痴情に絡め取らせなどさせないわ。」
マグノリアの部屋の前で、姉はマグノリアを抱き締めて、その背中を撫で摩すり安堵を促す。その温かさに救われて、マグノリアが寝台で漸く微睡む頃には、東の空が桃色に染まり始めていた。
「マグノリア。お前に婚約の申し込みを頂戴している。」
いつもより早く食堂に入り、両親が揃うのを姉と待っていたマグノリアに、父は極めて厳しい顔でそう告げた。
もうその表情だけで、次に何を言われるのか解ってしまった。
碌な返事も返せず項垂れたマグノリアには構わずに、父は続きを述べた。
「ヴィクター第一殿下からだ。」
「え?」
「殿下がお前を御所望だ。」
「お父様、」
「だが、お目出度うにはまだ早い。」
「ニコラス殿下でしょうか。」
「うむ。お前の話しは聞いている。」
そこで父は「はあ」と溜め息を一つついた。
「どうも近頃のニコラス殿下は危なっかしい。あれもこれもとご自分の欲から強請ってばかり。国が我欲でどうにでもなると思われるのだろうか。お前の言った通りであったな。あの令嬢はこのまま国を傾けそうだ。ご自分達の世界を望まれるのなら、どうかお二人で子供部屋にでも籠もって頂いて、そこで好きなだけ積み木の城を建ててもらいたいものだな。」
ニコラスは、どうあってもメリーエンダにマグノリアを充てがいたいのだろう。
顔色を失うマグノリアに、父は意識して声音を明るいものにした。
「全てがニコラス殿下の好き勝手にはならんさ。国は玩具箱では無いのだ。あまり過ぎた事をお求めになるなら、話しは元の木阿弥、件の令嬢を正妃に迎える事すら叶わなくなると、宰相から苦言を呈されていた。」
「それで、殿下は、」
「あれは一体何を考えておられるのだろうな。陛下も陛下だ。お子は他にもおられる。お一人は既に成人なされておられる。」
はにかむ紺碧の笑みが、マグノリアの瞼に蘇った。
邸へと戻る馬車の中で、膝の上で合わせた手が、まだ体温を戻さずに冷えて感じる。この陽気であるのに。
父が邸に戻れないのは、十中十、ニコラスが原因だろう。
ニコラスが、マグノリアがヴィクターの婚約者に据えられるのを妨げている。何も解らない中で、それだけははっきり解った。
メリーエンダを悲しませたくない。
ただその一点がマグノリアを拘束するものであるのなら、こんな破廉恥で馬鹿馬鹿しい話しは無いだろう。だが、それが罷り通る可能性があるから、父は城に留まっている。
どうしたら良いのだろう。
貴族に生まれて、幸福だけを望んで来た訳では無い。生まれが既に恵まれたものである事を理解しているから、この身は家の為にあるのだと理解している。だが、それは王子の我欲を叶える為の生では無い。
そのニコラスは、メリーエンダの心に憂いを生まない為なら、国も貴族も法も常識も、全てひっくり返して構わないとさえ思っている。そんな気概が窺い知れて、マグノリアは空恐ろしくなってしまった。
同時に湧き起こったのは激しい怒りで、恐怖と困惑と怒りが綯い交ぜになって、マグノリアを酷く混乱させた。
学園は間もなく夏期休暇を迎える。ニコラスは、全てをこの夏の間に纏め上げる心積もりでいるのだろう。仄かな憧れと恋心を抱いた王子から、こんな怒りと恐怖を知らされるだなんて。
その晩、宵も深まった頃に父が邸に帰って来た。まんじりともせずに、寝台でただ横たわるしか出来ずにいたマグノリアは、遠くに馬の蹄と車輪の音がするのを聞き逃さなかった。
そっと寝台を降りて、部屋の扉を小さく開ける。幸い使用人の姿は見えず、そのまま暗い廊下に出た。裸足のまま、音を立てぬ様に薄暗がりの廊下を壁伝いに進んだ。
マグノリアの自室は二階にある。両親の部屋とは大階段を挟んだ反対側にあるのだが、暗がりの向こうに人の気配は無かった。母は既に階下にいて父を出迎えるのだろう。
「マグノリア」
背後から声を掛けられ、思わず小さく身体が跳ねた。
「お姉様、」
「お父様がお帰りになったのね。」
姉も気配に気付き様子を窺いに部屋を出て来たらしい。
姉がマグノリアの左手を握る。
「大丈夫よ、マグノリア。一緒にいるわ。」
三つ年上の姉は、幼いマグノリアをいつもこうして励ましてくれた。懐かしい柔らかな手の温もりに触れて、漸くマグノリアは思った以上に自分が不安に駆られていたのだと思い至った。
ニコラスとの遣り取りは、母と姉には伝えていた。上手く伝えられたかは解らない。けれども、帰ってこない父を案ずる母に、その原因と思しき事がニコラスであるのを話していた。
大階段の手摺りの陰から階下を覗き見れば、家令や執事ら上級使用人と母が父を迎えるところであった。
灯りを絞った薄闇に、玄関ホールばかりが煌々と灯りが灯されている。そこに父の姿が現れて、マグノリアは思わず詰めていた息を吐いた。
足早に進む父からは表情が良く見えない。
母が父に近寄り、一言二言何かを言って、それに父が答えているのだが、ここまではその内容は聴こえなかった。
あっと言う間に父達は奥の執事室へ通じる通路へと姿を消して、後には再び静寂が戻った。
「マグノリア、戻りましょう」
姉の囁き声に促されて、手摺りの陰から身を起こす。そのまま元来た廊下を暗がりの中自室へ戻る。
「明日、お父様が説明して下さるわ。何もかもそれからよ。」
姉の言葉に頷くことしか出来ない。朝が来るのが怖い。折角、自分から動いて得られたヴィクターとの縁が、このまま朝日に溶かされ形を無くしてしまうのではないかと、そんな事が起こったなら、どれほど絶望してしまうのだろうと、自分がもう直ぐ迎える未来が恐ろしく思えた。
「お父様を信じましょう。貴族達の矜持を信じましょう。陛下であれ王太子であれ、我欲に駆られた横暴が罷り通る国では駄目なのだと、必ず声を上げる家があるのだから。我が家はその急先鋒よ。貴女を馬鹿な若造の痴情に絡め取らせなどさせないわ。」
マグノリアの部屋の前で、姉はマグノリアを抱き締めて、その背中を撫で摩すり安堵を促す。その温かさに救われて、マグノリアが寝台で漸く微睡む頃には、東の空が桃色に染まり始めていた。
「マグノリア。お前に婚約の申し込みを頂戴している。」
いつもより早く食堂に入り、両親が揃うのを姉と待っていたマグノリアに、父は極めて厳しい顔でそう告げた。
もうその表情だけで、次に何を言われるのか解ってしまった。
碌な返事も返せず項垂れたマグノリアには構わずに、父は続きを述べた。
「ヴィクター第一殿下からだ。」
「え?」
「殿下がお前を御所望だ。」
「お父様、」
「だが、お目出度うにはまだ早い。」
「ニコラス殿下でしょうか。」
「うむ。お前の話しは聞いている。」
そこで父は「はあ」と溜め息を一つついた。
「どうも近頃のニコラス殿下は危なっかしい。あれもこれもとご自分の欲から強請ってばかり。国が我欲でどうにでもなると思われるのだろうか。お前の言った通りであったな。あの令嬢はこのまま国を傾けそうだ。ご自分達の世界を望まれるのなら、どうかお二人で子供部屋にでも籠もって頂いて、そこで好きなだけ積み木の城を建ててもらいたいものだな。」
ニコラスは、どうあってもメリーエンダにマグノリアを充てがいたいのだろう。
顔色を失うマグノリアに、父は意識して声音を明るいものにした。
「全てがニコラス殿下の好き勝手にはならんさ。国は玩具箱では無いのだ。あまり過ぎた事をお求めになるなら、話しは元の木阿弥、件の令嬢を正妃に迎える事すら叶わなくなると、宰相から苦言を呈されていた。」
「それで、殿下は、」
「あれは一体何を考えておられるのだろうな。陛下も陛下だ。お子は他にもおられる。お一人は既に成人なされておられる。」
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