6 / 10
禁断の果実
しおりを挟む
「アダム!アップルパイを作ったの!」
食べてみて!とエバ様がお勧めになっておられます。
お昼時のテラスです。
皆様、微笑ましく?ご覧の様子。
微笑んでいらっしゃいますよね?皆様!
私も微笑みます。
良かったですね、アダム様。
「イヴ様」
名を呼ばれて振り返ると、フルール様とシリル様。
「一緒に食べませんこと?」
まあ!嬉しい!
いそいそとご一緒させて頂きます。
「あれ、良いの?」
シリル様が、アレと指差します。
「ホントね」
フルール様がそこへ同意。
「良いのです。あの方達はあい……」
愛しあっていると言おうとしたところで、その先を言えませんでした。
アダム様と視線が合ってしまったからです。
折角のアップルタイム(アップルパイを食するタイム)に水を差してしまいました。
んんっ、「良いのです」
気を取り直して、もう一度答えました。
放課後、図書室へ向かいました。
連載小説の次の巻が入っているのを聞いたので、是非とも借りねばと向かったのですが、途中の書架で足が止まりました。
料理本に混じって製菓の本が目に入り、思わず手に取ってしまいます。
『季節のパイとタルト』
表紙のイラストはアップルパイです。
暫し表紙を見つめて、中を開かずそっと棚に戻します。
多分、私は、生涯、アップルパイは作りません。
林檎の果実を人様に勧める事は、生涯、無いでしょう。
食べてみて!とエバ様がお勧めになっておられます。
お昼時のテラスです。
皆様、微笑ましく?ご覧の様子。
微笑んでいらっしゃいますよね?皆様!
私も微笑みます。
良かったですね、アダム様。
「イヴ様」
名を呼ばれて振り返ると、フルール様とシリル様。
「一緒に食べませんこと?」
まあ!嬉しい!
いそいそとご一緒させて頂きます。
「あれ、良いの?」
シリル様が、アレと指差します。
「ホントね」
フルール様がそこへ同意。
「良いのです。あの方達はあい……」
愛しあっていると言おうとしたところで、その先を言えませんでした。
アダム様と視線が合ってしまったからです。
折角のアップルタイム(アップルパイを食するタイム)に水を差してしまいました。
んんっ、「良いのです」
気を取り直して、もう一度答えました。
放課後、図書室へ向かいました。
連載小説の次の巻が入っているのを聞いたので、是非とも借りねばと向かったのですが、途中の書架で足が止まりました。
料理本に混じって製菓の本が目に入り、思わず手に取ってしまいます。
『季節のパイとタルト』
表紙のイラストはアップルパイです。
暫し表紙を見つめて、中を開かずそっと棚に戻します。
多分、私は、生涯、アップルパイは作りません。
林檎の果実を人様に勧める事は、生涯、無いでしょう。
1,652
あなたにおすすめの小説
完結 この手からこぼれ落ちるもの
ポチ
恋愛
やっと、本当のことが言えるよ。。。
長かった。。
君は、この家の第一夫人として
最高の女性だよ
全て君に任せるよ
僕は、ベリンダの事で忙しいからね?
全て君の思う通りやってくれれば良いからね?頼んだよ
僕が君に触れる事は無いけれど
この家の跡継ぎは、心配要らないよ?
君の父上の姪であるベリンダが
産んでくれるから
心配しないでね
そう、優しく微笑んだオリバー様
今まで優しかったのは?
【完結】亡くなった人を愛する貴方を、愛し続ける事はできませんでした
凛蓮月
恋愛
【おかげさまで完全完結致しました。閲覧頂きありがとうございます】
いつか見た、貴方と婚約者の仲睦まじい姿。
婚約者を失い悲しみにくれている貴方と新たに婚約をした私。
貴方は私を愛する事は無いと言ったけれど、私は貴方をお慕いしておりました。
例え貴方が今でも、亡くなった婚約者の女性を愛していても。
私は貴方が生きてさえいれば
それで良いと思っていたのです──。
【早速のホトラン入りありがとうございます!】
※作者の脳内異世界のお話です。
※小説家になろうにも同時掲載しています。
※諸事情により感想欄は閉じています。詳しくは近況ボードをご覧下さい。(追記12/31〜1/2迄受付る事に致しました)
蝋燭
悠十
恋愛
教会の鐘が鳴る。
それは、祝福の鐘だ。
今日、世界を救った勇者と、この国の姫が結婚したのだ。
カレンは幸せそうな二人を見て、悲し気に目を伏せた。
彼女は勇者の恋人だった。
あの日、勇者が記憶を失うまでは……
好きな人がいるならちゃんと言ってよ
しがと
恋愛
高校1年生から好きだった彼に毎日のようにアピールして、2年の夏にようやく交際を始めることができた。それなのに、彼は私ではない女性が好きみたいで……。 彼目線と彼女目線の両方で話が進みます。*全4話
痛みは教えてくれない
河原巽
恋愛
王立警護団に勤めるエレノアは四ヶ月前に異動してきたマグラに冷たく当たられている。顔を合わせれば舌打ちされたり、「邪魔」だと罵られたり。嫌われていることを自覚しているが、好きな職場での仲間とは仲良くしたかった。そんなある日の出来事。
マグラ視点の「触れても伝わらない」というお話も公開中です。
別サイトにも掲載しております。
嘘の誓いは、あなたの隣で
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢ミッシェルは、公爵カルバンと穏やかに愛を育んでいた。
けれど聖女アリアの来訪をきっかけに、彼の心が揺らぎ始める。
噂、沈黙、そして冷たい背中。
そんな折、父の命で見合いをさせられた皇太子ルシアンは、
一目で彼女に惹かれ、静かに手を差し伸べる。
――愛を信じたのは、誰だったのか。
カルバンが本当の想いに気づいた時には、
もうミッシェルは別の光のもとにいた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる