王妃の手習い

桃井すもも

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どうしてこの方は、いつも唐突なのだろう。

そうして、私の心の塵芥を根刮ぎ吹き飛ばしてしまうのだろう。

 
穏やかな毎日を過ごしていた。

学園では、卒業を目前にして限りの見える刻を噛みしめるように大切に過ごしていた。

母国に戻る自分が想像できなくて、もしかしたら、もう居場所など無いのではないかしらと、そうであれば、私は此処へ残るのだろうかなどと、有りもしない事をあれこれ考えたりもした。

そんな腑抜けた心持ちは、遠く離れた母国からも視えたらしく、

嵐は唐突に訪れた。


********


多分、とっても怒っていらっしゃるわ。

こんなお顔、見たことが無いもの。

微笑んでいるのに怒っている。
流石は殿下。器用「オフィーリア。」

思考に被せられるという凄技を披露されて、オフィーリアははっと我に返る。

ああ、やっぱりとても美しい金の髪。

少し御髪を切られたかしら。
短くなられているわ。


オフィーリアは烟る金髪を凝視することは出来るのに、その下の瞳を視る事は出来ないでいた。

先程まで両隣に座っていたウォルポール侯爵夫妻は、既に退席している。

他にも人はいるけれど、今日はオフィーリアの味方では無いように思えた。


「久しぶりだね。我が恋人。」

(恋人ですって!)

「元気だっただろうか。」

(?)

「私は、元気で過ごしていたよ。それなりに。」

(.....)

「ああ、解りづらくてすまなかった。こう言えば良いかな?  
拝啓、親愛なるオフィーリア嬢。」

(!!)


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