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ランクアップとパーティー勧誘と罠

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龍護が転生してから半年が過ぎようとしていた時、龍護はいつものように冒険者ギルドで依頼を受けようと初日から半年が経った時だった。

~~~冒険者ギルド~~~

「おめでとうございます!今日からリュウゴさんはDランク冒険者です!」

「半年でDランクって早くないですか?」

龍護は、いつも通りギルドに顔を出し初日から世話になっている受付嬢のシリヤが龍護にDランクになったのを伝えた。
龍護は、半年でDランクになるのは早いではないかと聞いた。

「そうですね。新人からDランクになるのは大体1年から1年半ぐらいですね」

「それなら早くないですか?」

「そうですが、リュウゴさんは毎日のようにクエストをこなして依頼者からも高評価を貰えるのが大きいですね」

「(転生特典や鑑定スキルのおかげだな)」

龍護の質問にシリヤはDランクになるのは1年以上掛かる事を伝え龍護は、異様の速さでランクアップに疑問に思った。
ランクアップその理由をシリヤは少し興奮気味に龍護のランクアップを説明した。
龍護は、自身の転生特典に内心感謝していた。

「今日は依頼はどうしますか?」

「そうだな」

「なあ」

「「?」」

シリヤは今回の依頼はどうするか聞いてきて、龍護はどうするか考えると龍護の後ろから声を掛ける男性の声が聞こえた。
二人は声のする方を向いた。そこには、男二人女一人の人物がいた。

「お前ってソロの冒険者だよな」

「……そうだけど」

「ああ、悪い俺の名は、カロだ」

声を掛けた男は、龍護がソロだと質問し龍護は警戒しながら答えた。
男は龍護が警戒しているのと悟ったのか、自身の名前を答えた。
カロと名乗った男は、両手剣を腰に装備させた好青年を思わせる姿をしていた。

「で、この二人が」

「ミリーよ」

「ガロルだ」

カロは、残りのメンバーの紹介し始めた。
ミリーは、腰に短剣を二本装備した活発そうなサイドテールの女と大剣を背中に背負い筋肉質な男だった。

「俺たちもDランクで別の街から来た冒険者なんだが、よかったらパーティー組まないか」

「なんで俺と?」

カロは龍護にパーティーを組まないかと誘った。
龍護は、警戒しながらパーティーの勧誘のの理由を聞いた。

「さっき偶然聞こえて今日Dランクになったんだろ」

「そうだけど」

「ただのお節介だけどさ、一泊二日で野外活動しないか」

「外野活動?」

龍護がDランクになったのを確認し、龍護はそれを肯定した。
カロは、龍護をパーティー勧誘と野外活動を提案した。
龍護は、聞き返した。

「ああ、Dランクになると野外野宿する事の依頼が出たりするんだ」

「でも、殆どのDランク冒険者は野宿出来る人って少ないの」

「そこで、街を転々している俺たちはDランクになったばかりの冒険者に声かけて野宿を教えてるんだ」

カロ、ミリー、ガロルが順番に勧誘の理由を答えた。

「アンタ達のメリットが無いような気がするが」

「メリットはどっちかと言うとギルド全体かな」

「?」

龍護は、カロ達の勧誘理由が無いと思い聞き出した。
カロが勧誘理由を答えた。
龍護は、カロの答えを理解できなかった。

「野宿出来る出来ないで、冒険者の質や生存率が変わるの」

「冒険者の質や生存率が上がれば街規模の緊急依頼での成功にも繋がる」

「俺たちが他の冒険者に色々教えて、その冒険者がまた違う冒険者に俺たちが教えた事を教える」

「……」

ミリーが野外での野宿の重要性を説明し、ガロルは野外での先の可能性を説明し、カロが教えた結果が次に繋がる事を話した。

「そうすることでギルド全体の質を上げることに繋がるんだ」

「(なんか胡散臭いな)」

カロはギルド全体の利益が出ると答えた。
だが、龍護は3人の答えに警戒心をカロ達に気づかれないように高めた。

「いいじゃないですか!」

龍護は、パーティー勧誘をどうするか悩んでいると黙って聞いていたシリヤが勧誘に賛成をした。

「彼らの言う通りDランクにもなると野外活動もありますし、ここより大きい街なら実習訓練も出来ますがこの街ではそれも出来ません」

「……」

「彼らの誘いを受けたらどうですか」

「…そうですね。よろしく頼む」

「ああ、こちらこそよろしく」

シリヤは、Dランクになってからの野外活動の必要性を龍護に説明し、龍護はシリヤの説明を聞き、カロ達の誘いを提案した。
龍護は少し考えカロの誘いを受けた。
カロも笑顔で龍護を受け入れた。

~~~街外~~~

「じゃあ行こうか」

「ああ」

龍護はカロ達と共に街の外に出て野外活動が始まった。

[キュウウウウ!]

「はっ!」

「やるね」

「そっちこそ」

龍護は、角の生えたウサギである魔物『ホーンラビット』を片手剣で切り裂いた。
カロは龍護の戦いに称賛し、龍護もそれを返した。

~~~野外・夜~~~

「ほら」

「ありがとう」

龍護達は、日が暮れ野宿の準備をした。
テントを張り夕食の準備をし、カロは、出来た夕食のスープを龍護に渡した。
龍護はスープの入った器を受け取った。
龍護は、受け取った器を見つめた。

「どうした。食べないのか?」

「ああ、頂くよ」

器を見つめていた龍護にカロが声を掛け、龍護は食べ始めた。

「うまいな」

「だろ」

龍護は、スープを称賛し、カロは自慢げな笑みを浮かべる。
龍護達の光景は、端から見ればキャンプを楽しんでいる光景だった。
しかし、

「!?な、なんだ!?」

「効いたか」

「ど、どういう事だ!?」

龍護は、突然呂律が回らくなりスープの器を落としたのだ。
カロは、立ち上がり歪んだ笑みを浮かべて意味有りげに言った。
その言葉に龍護は必死に声を荒げてカロ達に聞いた。

「俺達は、お前みたいな冒険者を誘ってこうして麻痺薬を使って動けなくなってから装備をいただき獲物は奴隷商に売る、いいアイディアだろ」

「こ、こんな事して奴隷商は買い取らないぞ」

「安心しろ、世の中には裏奴隷商があるんでな、そこなら大丈夫だ」

カロは、自身が冒険者を騙し捕まえた者を奴隷にする事を話した。
その口ぶりからは、これが初めてでは無いことが分かる。
その話を聞いた龍護は、奴隷について話した。本来奴隷は借金か犯罪者もしくは、貧しい村なので売られることがある。
ただし、誘拐やこういった薬を使って騙して無理やり奴隷にするのは違法である。
しかし、世の中には裏で本来奴隷に出来ない者を奴隷にする場所もある。更に、違法奴隷それを立証するのも難しいのだ。

「アナタみたいなソロの冒険者はいいカモね」

「……なるほどね」

「「「?」」」

ミリーは、歪んだ笑みを浮かべながら龍護の事を見下して言った。
それを聞いた龍護は、静かに納得したように言うと、カロ達は龍護の言っていることに疑問に思った。
次の瞬間、

「おら!」

「が!?」

「【スタン】」

「ぐお!?」

「な、なんで」

「キャ!?」

「【バインド】」

「全く、まさかとは思ったが一番当たってほしくなかった予想に当たったな」

龍護は近くにいたカロを殴り、麻痺魔法でガロルとミリーの動きを封じ、拘束魔法で魔力で出来た縄で、3人を拘束した。
龍護は何もなかったように呆れながら拘束されているカロ達をため息を吐きながら見ていた。

「な、なんで薬が効かないんだ」

「ああ、俺の毒耐性レベル5なんだ。後、俺のスープに麻痺毒があるのも知っていたよ」

~~~回想~~~

『ほら』

『ありがとう』

龍護は、カロからスープの器を受け取り鑑定スキルを使った。
その鑑定結果は、

・毒入りスープ

麻痺薬が入っているスープ

※毒耐性レベル4以上で無効化出来る

『(は~、そんな事だと思った)』

『どうした。食べないのか?』

『ああ、頂くよ』

鑑定結果は、スープに麻痺の毒薬が入っている結果になった。
龍護は、鑑定結果に予想通りだと内心ため息を付く。
カロは、龍護に食べない事を聞いたが、龍護は悟られないようにすぐに食べ始めた。

「!?レベル5だと」

「暇な時に微量な毒や麻痺魔法使って耐性レベルを上げてたんだよ」

カロが龍護の毒耐性レベルに驚いていた。
龍護は、普段から毒を購入しては少しづつ服用しながら解毒魔法を使い、回復魔法と毒耐性のレベルを上げていった。
ちなみに龍護のステータスは、

リュウゴ・キタガタ 
 男
 13歳
 Lv11
 HP680/680
 MP540/540
 筋力280
 耐性220
 敏捷240
 魔耐210
 幸運1420
 スキル
 物理耐性Lv6・料理Lv8・裁縫Lv5・体術Lv6・剣術Lv3・棒術Lv3・鑑定Lv6+(物価鑑定)・火魔法Lv2・水魔法Lv2・風魔法Lv3・土魔法Lv1・雷魔法Lv2・光魔法Lv2・闇魔法Lv3・回復魔法Lv3・交渉術Lv4・毒耐性Lv5・麻痺耐性Lv4・呪い耐性Lv5・熱耐性Lv3・寒耐性Lv3・異臭耐性Lv4・解体Lv2・採取Lv2・聞き耳Lv2・調合Lv1・アイテムボックス∞
 上級スキル
 明鏡止水・ネット通販(金貨0枚・銀貨15枚・銅貨59枚)
 称号
 転生者・忍耐者・罪を背負いし者・罪と向き合いし者
 カーススキル
 七つの大罪(沈着)
 ・憤怒
 ・強欲
 ・暴食
 ・色欲
 ・嫉妬
 ・怠惰
 ・傲慢
 加護
 アテナの加護・スサノオの加護

耐性スキルのレベル上げは間違っていないが一般の冒険者は普通はしない。
回復魔法を持っているのが少ないのと毒などの耐性スキルを上げるため毒を服用しないといけないので上げるのを躊躇してしまう。
なので本来は解毒ポーションを所持している。
それで耐性スキルを得ることが多い。

「まさか、はじめて耐性スキルが役に立ったのが、奴隷狩りだとわな」

「くそ!?」

龍護は、自身の耐性スキルの活用が人の悪事を解く事に嘆いていた。
カロは、苦虫を噛み潰す。

「夜が明けたら冒険者ギルドに突き出すからな」

「わ、私は反対だったのよ!?」

「ミリー!?」

「テメェ!?」

「知るか、言い訳はギルドでするんだな、……ん」

龍護はこれからの予定を3人に伝えると、ミリーが涙目で龍護に弁解をするが、それを聞いたカロとガロルが激怒した。
龍護は呆れながら3人を見ながら弁解を一蹴すると龍護は何かに気がついた。

[グルルルルル]

「「「!?」」」

「料理の匂いで引き寄せたか」

龍護達の周りに10匹の黒い毛皮のブラックウルフが出て来た。
カロ達3人は驚いたが、龍護は冷静にブラックウルフを見据えながら剣を鞘から抜き構えた。

「お前らじっとしてろ。すぐ片付ける」

[グオオオ!]

「は!」

龍護がカロ達に伝えるとそれがゴング代わりになったのかブラックウルフの1匹が龍護に襲いかかった。
龍護はタイミングを合わせてブラックウルフの首を跳ねる。

[[ガアアアア!!]]

「【ウィンドアロー】」

「おら!」

今度は2匹が龍護に迫りが、龍護は1匹に風の矢で眉間に当てもう1匹を剣で切った。

~~~数分後~~~

「討伐完了、収納」

「「「……」」」

戦闘が始まって数分後、ブラックウルフ10匹を討伐し、死体をアイテムボックスに収納した。
龍護の戦いを見ていたカロ達は唖然していた。

こうして龍護の初めての野外活動が終わった。
    
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