ゴーイングマイウェイなマッド・アルケミストは救世の旅に出る。〜幼馴染が召喚勇者? 知らんなぁ〜

邪神ミケネコタマス

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第1話

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 足立 隼人。高校生。友達、彼女無し。言われた事のみをこなし、それ以外は寝て過ごすような怠惰な性格。基本的に無気力である原因は、ただ1つ。今や目を合わせる事すら無くなった幼馴染、葉宮 衛人の影響だ。超人衛人。もしくはスーパーマン。そんなあだ名を授かる程に優秀な衛人と常に比べられ、セットで評価されてきた隼人は努力が身を結んだところで意味が無い事を知っていた。だから努力などしない。時間の無駄だと断言していた。

 そんな無気力さが災いしてか。帰り道、飛び出した猫に驚いてハンドルを切りすぎた車が隼人に突っ込んできた時。隼人の胸中は至って静かだった。避ける事はおろか、反射的に頭を庇う事さえせずに。ただ恐怖に引き攣った運転手の顔を見つめていた。時速60kmを超える速度で動く鉄の塊が隼人の腹部に突き刺さり、そのまま壁に押し込もうとした刹那。隼人の足元のコンクリートがひび割れて、そこからエネルギーの波動が吹き出した。波動は隼人の足から全身を走り、その影響で隼人の肉体は粒子化して魔力へ変換される。

 とある世界の小さく汚い部屋を発生源とする魔力の波動は、複数の世界を駆け巡った。そして先々の世界に混乱を齎したあと、反作用でも受けたように発生源の世界へ向けて収束していく。色々なモノを引き連れて。そしてその中に、隼人の魂もあった。

 魔力の波動に乗って異なる世界へやってきた隼人の魂は、近場にあった肉体へ宿る。しかしそれは最早肉体というのも烏滸がましい程に腐り果てたもので。半ば白骨化していた。そんな肉体に宿った魂は、本来ならあの世へ昇天する筈だった。しかしその腐乱死体が握る賢者の石が昇天を阻み、賢者の石に染み付いたとある男の生存本能と底無き欲望が隼人の魂と腐乱死体を繋ぎ合わせた。

 とはいえ、隼人自身が目を覚ますのは。腐乱死体がすっかり白骨死体に変わってからだった。
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