ゴーイングマイウェイなマッド・アルケミストは救世の旅に出る。〜幼馴染が召喚勇者? 知らんなぁ〜

邪神ミケネコタマス

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第14話

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 クリフェストへの道を走りながら、隼人達4人は様々な話をした。ボックスの身の上話から、隼人やナツキ、クマゴロウがどういう存在なのかについて。審問官や錬金術、魔力災害と賢者の石、その他色々な事について。情報共有を兼ねた懇親会のようなソレは、隼人が思っていたよりも早く終わりを告げる。

 突然、隼人達の前に巨大な山が現れる。何気ない草原地帯に突如現れたそれは形容しがたい程に巨大で、そして不自然だった。その山は樹木が1本も生えておらずただ岩だけで出来ている。その岩山の裾を円状に切り抜いて、崖の街〈クリフェスト〉は在った。四方を高い崖に囲まれた特異な街。街道が面している側の崖は比較的低く、反対側に行くほど崖は高くなっていく。そして〈クリフェスト〉が接している崖の中で最も高い崖には、半ば埋め込まれるような形で領主城が聳えていた。

「うわぁ~...なんか異世界って感じ」
「ここは変わった街だからな。あの山は昔の凄い魔術師が魔術で作ったって話だぜ」
「あの山を...!?」
「それは不可能。魔術は時間経過で解除される」
「でもよ、その魔術師の末裔がクリフェスト治めてんだぜ」
「推測。その魔術師は錬金術師。錬金術は時間経過で解除されない」
「あんな事、俺出来ないぞ...。いや、賢者の石使えば何とかなるかもだけど」

 他愛ない話をしながら、ピーコックはクリフェストに近付く。入る為の審査などはおろか、壁すらない街だ。ピーコックはクリフェストの住人とそこを訪れた旅人達の視線を大いに惹いた。驚いて逃げていく人、興味深そうに近寄ってくる人。クリフェストに近付くにつれて街道の左右に広がる家々は増えていき、人の数も増えていく。

「この辺にしとこうか」

 隼人はピーコックを停め、ナツキ達と共に降りる。ザワリと野次馬が広がり、口々に噂を始めた。隼人は全員が降りるとピーコックを亜空間に収納し、野次馬から「おぉー」という感嘆を貰う。そんな野次馬達をどう解散させるか思案していると、ざわめきを切り裂いて凛とした女性の声が響いた。

「何事か! 通せ!」

 野次馬が瞬時に割れ、軽鎧の兵達が隼人達に近付いてくる。先陣を切るのは青髪ポニーテールの凛とした女性兵士だ。

「クリフェスト憲兵隊である! ここで何をしている!」
「いや、連れが珍しかった...みたいな?」

 隼人はクマゴロウを指して遠慮がちに言う。それに釣られてクマゴロウを見た女性は、暫しクマゴロウを見詰めると理解するのを諦めた。

「話は詰所で聞こう。大人しく着いてこい」
「はい」
「りょ」
「グァ」

 女性兵士に連れられて野次馬を抜ける隼人達3人。野次馬達はそれを見ると残念そうに解けて行く。隼人はこっそりナツキに問いかけた。

「アイツは?」
「消えた。でもそれでいい」
「あー。元々アレだからか」
「何をコソコソしている!」
「排尿希望」
「...詰所まで待て。すぐそこだ」
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