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第1章 魔法を極めた王、異世界に行く
14:ダンジョン-その後
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「と言うことで、ダンジョンを制覇してきたぞ」
「いやちょっと何言ってるかわからないです」
アジトに着くと、エリィが夕飯のスープを作っている最中だった。帰り道はのんびりと歩いて帰ってきたが、途中からいい匂いが漂ってきたわけだ。エリィのスープは匂いからして絶品だし、しっかりと腹も膨れる。
忘れる前にダンジョンとアジトを繋ぐ転送点を設置しようと思ったが、まずはスープを確認してもバチは当たらないだろう。
「お? そういや肉は少なくなってたと思ったが……」
「うん! 聞いて聞いて! 今日狩りにも行ってきたの!」
どうやら俺が出かけた後、家の雑用や家事などを一通りしたらいつも以上に時間が余ったらしい。そうだそうそうだろう、エリィは魔法修行をしながら、体力を始めとした身体能力の向上にも努めている。家事もいつもと同じように疲れた状態で行うのと、朝から元気が有り余った状態で行うのでは効率なども段違いだ。
だから俺が帰ってくるまでの時間が余り、1人であまり疲れない魔力操作やイメージなどの修行に手を出したが、なんとなくそれでは休みにならない、と。
でも時間が余るなら何かいていようと考え、肉が少ないのを確認して狩りに出かけていたらしい。
ただ闇雲に森に出ても獲物を捕らえられるとは思えない。それも魔力布衣を纏っていれば、勘のいい動物たちには逃げられてしまう。だから俺と一緒に行動してるときに、俺がどんなことをしていたかを考えたのだとか。
その結果、魔力を薄く伸ばして周囲を警戒する気配察知を編み出したと。天才かな? 俺の動きや何をしているかを思い出してると、俺から魔力が伸びていたことを思い出して実践したそうだ。
相手には感知されない程度の魔力を伸ばして、周囲10mぐらいまでは何かがいるとわかるぐらいにはなったらしい。あとは見つけた動物をハンティングするだけだ。気配察知に引っかかった獲物の近くまで音を殺して近付き、魔法で一撃で仕留める。
さらに狩った魔物の皮で暖を取れるように色々工夫までしてある。今後は寒い時期も訪れるだろうし、エリィがいて本当に助かる。今後は服なども作っていくのもいいだろう。
俺が知らない間にも成長する弟子は、本当に喜ばしいものだ。
「エリィも自分がどれくらい強くなったか知りたいだろう? だから今度からダンジョンにも潜っていこう」
「えええええ!? あのダンジョンですか!? 冒険者が夢見て散ることも多いあのダンジョンですか!?」
作っていたスープの味見をしていたエリィが噴き出す。もったいない。何をそんなに驚くようなことがあるのだろうか。
俺はアジトの前の木を伐採し、広場を作りながら端っこの方に転送点を設置しながら言葉をつづけた。
「なぁに。地下5階までしかないし、そもそも敵も強くない。ボスも今のエリィなら問題ないだろう」
「うぅ……それももしかして……」
「もちろん修行だ!」
全てを諦めたような顔をするエリィ。どんなダンジョンを想像してるかわからないが、どう考えてもあのダンジョンは優しい部類だろう。
個人的にはもっと地下に進む階段があれば楽しめたが……まぁまだ全盛期には程遠いしな。
まだまだ時間もあることだし、ゆっくりとこの世界を堪能しよう。
それから、数日に一回はダンジョンでの修行が始まった。
「いやちょっと何言ってるかわからないです」
アジトに着くと、エリィが夕飯のスープを作っている最中だった。帰り道はのんびりと歩いて帰ってきたが、途中からいい匂いが漂ってきたわけだ。エリィのスープは匂いからして絶品だし、しっかりと腹も膨れる。
忘れる前にダンジョンとアジトを繋ぐ転送点を設置しようと思ったが、まずはスープを確認してもバチは当たらないだろう。
「お? そういや肉は少なくなってたと思ったが……」
「うん! 聞いて聞いて! 今日狩りにも行ってきたの!」
どうやら俺が出かけた後、家の雑用や家事などを一通りしたらいつも以上に時間が余ったらしい。そうだそうそうだろう、エリィは魔法修行をしながら、体力を始めとした身体能力の向上にも努めている。家事もいつもと同じように疲れた状態で行うのと、朝から元気が有り余った状態で行うのでは効率なども段違いだ。
だから俺が帰ってくるまでの時間が余り、1人であまり疲れない魔力操作やイメージなどの修行に手を出したが、なんとなくそれでは休みにならない、と。
でも時間が余るなら何かいていようと考え、肉が少ないのを確認して狩りに出かけていたらしい。
ただ闇雲に森に出ても獲物を捕らえられるとは思えない。それも魔力布衣を纏っていれば、勘のいい動物たちには逃げられてしまう。だから俺と一緒に行動してるときに、俺がどんなことをしていたかを考えたのだとか。
その結果、魔力を薄く伸ばして周囲を警戒する気配察知を編み出したと。天才かな? 俺の動きや何をしているかを思い出してると、俺から魔力が伸びていたことを思い出して実践したそうだ。
相手には感知されない程度の魔力を伸ばして、周囲10mぐらいまでは何かがいるとわかるぐらいにはなったらしい。あとは見つけた動物をハンティングするだけだ。気配察知に引っかかった獲物の近くまで音を殺して近付き、魔法で一撃で仕留める。
さらに狩った魔物の皮で暖を取れるように色々工夫までしてある。今後は寒い時期も訪れるだろうし、エリィがいて本当に助かる。今後は服なども作っていくのもいいだろう。
俺が知らない間にも成長する弟子は、本当に喜ばしいものだ。
「エリィも自分がどれくらい強くなったか知りたいだろう? だから今度からダンジョンにも潜っていこう」
「えええええ!? あのダンジョンですか!? 冒険者が夢見て散ることも多いあのダンジョンですか!?」
作っていたスープの味見をしていたエリィが噴き出す。もったいない。何をそんなに驚くようなことがあるのだろうか。
俺はアジトの前の木を伐採し、広場を作りながら端っこの方に転送点を設置しながら言葉をつづけた。
「なぁに。地下5階までしかないし、そもそも敵も強くない。ボスも今のエリィなら問題ないだろう」
「うぅ……それももしかして……」
「もちろん修行だ!」
全てを諦めたような顔をするエリィ。どんなダンジョンを想像してるかわからないが、どう考えてもあのダンジョンは優しい部類だろう。
個人的にはもっと地下に進む階段があれば楽しめたが……まぁまだ全盛期には程遠いしな。
まだまだ時間もあることだし、ゆっくりとこの世界を堪能しよう。
それから、数日に一回はダンジョンでの修行が始まった。
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