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第1章 魔法を極めた王、異世界に行く
20:盗賊団-3
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俺はブルーを呼び止めた。
「ブルー、エリィには言わないで欲しいんだが、ここに人間が入ってきてる」
「えっ? そうなの? 何も感じないよ?」
「まぁまだ遠いからな。ちょっとそいつらに用事があるから、ブルーはそいつらが来るまでアジトで待機してもらってていいか?」
「わかった。そうだよね、僕の姿見たら逃げちゃうもんね」
後でたっぷり肉を食わせる約束をすると、上機嫌になりながらブルーがアジトへと向かっていく。
何やら嬉しそうな顔をしているブルーと入れ違うようにしてエリィが出て来た。
たっぷりある食材と鍋。今日はどうやらスープのようだ。
俺はエリィが夕飯を作ってる間、俺は気配察知を展開したまま瞑想に入る。
侵入者の動きはちゃんと把握できるし、エリィが気配察知を出来ているかの確認もできる。
魔力布衣は常に行うように話してあるが、夕飯の準備でそこまで頭がまわっていないのだろうか。侵入者が不意打ちをかけてくるなら、エリィを守る必要があるな。まぁ何をしてこようが、侵入者の魔力の大きさからも必ず守り抜く自信はあるが。
侵入者が近くまで来た。どうやら彷徨って森の奥まで来たわけではなさそうだな。人数は5人で、全員こっちを観察しつつ殺気が漏れている。
さらに俺が武器を持っていないこと、エリィも夕飯の準備をしていて2人しかいないことに油断している……簡単に言えば雑魚だな。
今のエリィなら十分に対応できる。むしろホブゴブリン並みに呆気なく終わらせられるだろう。まぁそこに心配事もあるんだが……。
どうやら奴らは腰の剣を取り出して、真っ向からこっちを脅す方法を取ったらしい。
下品な笑い声と同時に大きな声を出してきた。
「おい! 殺されたくなかったら、女と食い物をよこしな!!」
頭の悪そうなセリフと共に敵が現れた。俺も目を開けて相手を見てみたが、やっぱりただの盗賊だわ。いや山賊か? それとも森賊か? なんにせよやっぱり雑魚にしか見えない。
エリィの方を見ると……顔が青ざめている。あー、もしかして悪意の視線に怖気付いているのか? それはちょっとまずいな。
何も喋らずキョロキョロしている俺がビビってるのかと勘違いしたのか、にやけ顔を止めようともせず盗賊が声を荒げた。
「おら! 死にてーのか!? ……あん? なんだオメェ、亜人か?」
「お頭ぁ! ありゃハーフエルフでっせ!」
「はっ! 穢らわしい半亜人かよ!」
一際偉そうな奴がエリィを蔑むような目線で見下した。その視線にエリィが小さい悲鳴をあげる。
街で植え付けられたトラウマが蘇ったのだろうか。エリィが盗賊を見て小さく震え始めている。
「でもお頭? ありゃいい肉付きしてるぜ?」
「ほーう、確かに。遊んでやらなくもねーな。それから奴隷商に売りゃいい金になりそうだな」
「へっへっへ」
汚い顔の奴らがゆっくりと近付いてくる。エリィは身の危険を感じて俺の後ろに隠れるようにしがみついてきた。
いやー、仕方ない。エリィのトラウマも一緒に払拭するとしますか。
「ブルー、エリィには言わないで欲しいんだが、ここに人間が入ってきてる」
「えっ? そうなの? 何も感じないよ?」
「まぁまだ遠いからな。ちょっとそいつらに用事があるから、ブルーはそいつらが来るまでアジトで待機してもらってていいか?」
「わかった。そうだよね、僕の姿見たら逃げちゃうもんね」
後でたっぷり肉を食わせる約束をすると、上機嫌になりながらブルーがアジトへと向かっていく。
何やら嬉しそうな顔をしているブルーと入れ違うようにしてエリィが出て来た。
たっぷりある食材と鍋。今日はどうやらスープのようだ。
俺はエリィが夕飯を作ってる間、俺は気配察知を展開したまま瞑想に入る。
侵入者の動きはちゃんと把握できるし、エリィが気配察知を出来ているかの確認もできる。
魔力布衣は常に行うように話してあるが、夕飯の準備でそこまで頭がまわっていないのだろうか。侵入者が不意打ちをかけてくるなら、エリィを守る必要があるな。まぁ何をしてこようが、侵入者の魔力の大きさからも必ず守り抜く自信はあるが。
侵入者が近くまで来た。どうやら彷徨って森の奥まで来たわけではなさそうだな。人数は5人で、全員こっちを観察しつつ殺気が漏れている。
さらに俺が武器を持っていないこと、エリィも夕飯の準備をしていて2人しかいないことに油断している……簡単に言えば雑魚だな。
今のエリィなら十分に対応できる。むしろホブゴブリン並みに呆気なく終わらせられるだろう。まぁそこに心配事もあるんだが……。
どうやら奴らは腰の剣を取り出して、真っ向からこっちを脅す方法を取ったらしい。
下品な笑い声と同時に大きな声を出してきた。
「おい! 殺されたくなかったら、女と食い物をよこしな!!」
頭の悪そうなセリフと共に敵が現れた。俺も目を開けて相手を見てみたが、やっぱりただの盗賊だわ。いや山賊か? それとも森賊か? なんにせよやっぱり雑魚にしか見えない。
エリィの方を見ると……顔が青ざめている。あー、もしかして悪意の視線に怖気付いているのか? それはちょっとまずいな。
何も喋らずキョロキョロしている俺がビビってるのかと勘違いしたのか、にやけ顔を止めようともせず盗賊が声を荒げた。
「おら! 死にてーのか!? ……あん? なんだオメェ、亜人か?」
「お頭ぁ! ありゃハーフエルフでっせ!」
「はっ! 穢らわしい半亜人かよ!」
一際偉そうな奴がエリィを蔑むような目線で見下した。その視線にエリィが小さい悲鳴をあげる。
街で植え付けられたトラウマが蘇ったのだろうか。エリィが盗賊を見て小さく震え始めている。
「でもお頭? ありゃいい肉付きしてるぜ?」
「ほーう、確かに。遊んでやらなくもねーな。それから奴隷商に売りゃいい金になりそうだな」
「へっへっへ」
汚い顔の奴らがゆっくりと近付いてくる。エリィは身の危険を感じて俺の後ろに隠れるようにしがみついてきた。
いやー、仕方ない。エリィのトラウマも一緒に払拭するとしますか。
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