王道

こんぶ

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第一話 頑張っていたら、俺のレベルは千を超えていた

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「ふぅー。今日の風も、やはり生暖かい。気持ち悪いぜぇー!」

「そんなに爽やかに気持ち悪いぜぇー!って言った奴は初めて見るけどな」

「…そうか。この町も変わらないな…」

「師匠!?」

「っていうか、この前俺、めーっちゃ久しぶりにステータスボード見たらさぁ」

「おん」

「レベル千超えてたわ」

「ほー。おめでと」

「ありがとー」

「っていうか、お前も暇人くそニートだね~。レベル千って、お前どんだけだよ」

「まぁね~」

「暇人はこれだから」

「お前もニートのくせに」

「ぬっ!」

二人は会話をする。この二人は親友同士であり、よくこの木の下で会話をする事が多い。

「レベルねぇー」

レベル…

RPGゲームによくあるアレだ。しかし、この世界のレベルとは、大して意味のないものである。

あるとき、人々に何故かレベルという概念がついた。

それは、世界を震撼させた、が、レベルを上げる方法が誰も分からなかった。

しかし、ここでレベルを上げる方法を考案した者がいた。

その人は、どうやってレベルを上げたのかと言うと…

ブランコに乗ったのだ。

そして、ビュンビュンに速度を出した。

そして、ジャンプして、着地した。

その男は、高所恐怖症だった。

そして、ステータスボードと呼ばれる特殊な貴金属でその男のステータスを測ると…

なんとレベルが二もあったのだ。

そして人々はブランコに乗り出した。
しかし、ブランコに乗ることがレベルを上げる方法ではなかった。
極度の恐怖、それがレベルを上げてくれるのだ、とその男は語る。
そして、人々は自分の怖がっていることにチャレンジし始めた。
それは、この木の下にいる男が、五歳の頃の話である。
何日か後、大勢の人間はレベルを上げた。


しかし、世界はここで落胆する。

レベルを上げても、特に何の効果も無いことに。

だから、人々はレベルを上げるのをやめた。

しかし、ここに、レベルを上げたいと思う無垢な少年が一人いた!

「こら、ラフくん!そんなことしちゃあいけません!!」

「嫌だ!だって大人は皆これに夢中なんだよ?人の感情とか青春とか浪漫をステータスに詰める…一見ファンタジー小説を作るために面倒くさいからつけたような何の面白みもない設定だけれど!僕は今!それに興奮してるんだぁーっ!」

「ラフくん!」

そうして、少年は水泳(トラウマ)を始めた。

「ピッピッ、ほら、ラフくん、頑張って」

「はぁっはあっ、母さん…死んじゃう…」

「いやぁー、ラフは偉いわねー自分の怖いことにチャレンジ出来るなんて」

「ほわぁ~…」

少年は、えもいわれぬ感情を手にしていた!

それは、褒められる、という事だ。

自分の怖いことにチャレンジする。その英雄的な行動、ステータスよりも、そっちの方がよっぽど価値がある──と、少年は思った。

そして現在二十一歳

「拳で」

「ちがくない!?」

このぐうたらな男こそ、本作の主人公、ラフォーレティーナである。

そしてその親友、彼女居ない歴=年齢の、田原 総一(二十一歳)と、二人は親友である。

そして二人には共通している事があった。

それは、ニートという事である!!

「そんな胸張って言えることじゃねーし。そもそも俺ニートじゃないから。一応アルバイトしてるから」

「…」

田原は一応アルバイトしている。
ラフォーレティーナはアルバイトをしていない。
この差である。

この差はマリアナ海溝よりも深い溝となっている。

(…どうにかしてこの状況を変えなければ…)

さて、どうしたものか、とラフォーレティーナは考える。

(っ!?)

そうだ、と。
幸いな事にラフォーレティーナは見た目だけは好青年である。

ならば、町の女に養ってもらえば良い。

丁度近くに、果物かごを手に提げた、白い装束に身を纏う、ボインな女性がいた。

白い顔に美顔。ラフォーレティーナのドストライクだった。

「もし~!!」

「…?」

女は気づいてこちらを向く。

ラフォーレティーナは走り出した。

「あのー、よろしければー」

自己紹介をしようとした瞬間──

「あっ」

地面の飛び出た石に気づかず、勢いよく転ぶ。

「いっ…てぇ」

「…ぅう」

どうやら美人な女の人も巻き込んでしまった様だ。

その時ラフォーレティーナは、ムニュリとした感触を顔に感じる。


(…ッは!?これは…まさか…ラッキースケベ!?まさかこんなところでお目にかかれるとは…ありがたや…)


と言うところで、ラフォーレティーナははまっているであろう胸から顔を抜かそうとし…

抜かそうとし…

「あへ?」

その時、声がこもっているのが分かった。

「ぁひゃん!」

女が叫ぶ。


あれ?これ、

「はむはむ」

「あっ、ちょっ!何するんですか!」

女は嫌そうな声を上げる。


あー。

そっち来たか。

そっちのパティーンね…了解了解…




「秘技…」

「っ!?」

瞬間、ラフォーレティーナから途轍もない程の膂力を感じる。

それは、この世の生物とは思えない程の力だった。





「──DOGEZA」

「…!」

「…」

「…衛兵さーん、変態がいまーす」

「…よし、帰るか。過去に」

「…おいこら、ちょっと待てよ」

「あら?」

ラフォーレティーナの右手を、鬼が握っていた。

「あらあら?」

「しっかり裁かれてちょーだい」

「アハアハアハ」

その後、誤解を解くのに数時間要したらしい。



まぁ、そのおかげでその女とは知り合いになれた訳だが。

名前はキティちゃん。決してハローな訳では無いからな。

そして、驚いたのが、遠くから見たときはそこまで気にしなかったのだが、案外キティちゃんはぽっちゃりしていたという事だ。(痩せたら絶対可愛い。もう確信持ってるわ)

ラフォーレティーナは木の下に戻り、田原に何かあったか聞く。

「なぁ、田原、なんかあったか?」

「んぁ?お前の両親がそこに居るけど…」

「あっ」

「ん?」

「「おいこら、ラフ」」

「あー」

「ラフ、頑張れよ」

「あっ、はい。」

「つーか、メタい話をすると、第一話からエロに頼る話は大体失敗するぜ」

「メタイぃぃぃい!」


「じゃ、頑張って」

「あー、面倒くせぇ」


ラフォーレティーナは、両親の元に行き、戦死したという。








    
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