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病院
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「病院?…病院ってご病気になった人が行く所でしょ?」
「そうだよ」
「…僕、ご病気なの?」
「…違うよ…健太君、何で病院に居るのか分からないの?」
「んーと…分かんない」
健太は困った顔をしている。
「健太君、さっきまで寝てたでしょ?寝る前は何してたか覚えてる?」
「んーとね、ご飯食べたよ。カレーライスだったよ。んーと、それから歯磨きして、みんなでおねんねしたの」
健太は記憶を辿るように、視線を上に向け答えている。
「…そっか…健太君、今日検査するから、それまでお腹空いちゃうだろけど、ご飯食べないの我慢できる?」
「検査?…僕、強い子だから我慢する!」
健太は明るい笑顔で答えた。
「よし、偉い子だ!じゃあ先生は行くね。このお姉ちゃんと一緒に待っててね」
「よろしくね!」
千夏は笑顔で言った。
「うん!」
健太も笑顔を返した。
出勤したてだった沢尻は、仕事の準備をする為に病室から出て行った。
「じゃあ、お姉ちゃんと待ってようね」
「うん」
健太は顔を真っ赤にして答えた。
「お話でもする?」
「うん」
洋子以外に大人の女性に免疫のない健太は、体をくねらせ答えている。
「かわいい!」
健太の恥じらう仕草を見て、可愛い物好きな千夏は思わず抱き付いた。
健太は更に顔を真っ赤にさせ、煙りが出そうな勢いだ。
心臓の鼓動は激しくなったが、次第に落ち着いていった。
母親に抱かれる行為を知らない健太は、千夏の温もりに安らぎを感じたのだ。
「うふふ」
健太から体を離した千夏は微笑んだ。
「健太君は大きくなったら何になりたいの?」
「……」
「健太君?」
放心状態の健太の顔を覗き込み、千夏は問い掛ける。
「…ん?なーに?」
幸せな感情に包まれていた健太は、よおやく我に返った。
「そうだよ」
「…僕、ご病気なの?」
「…違うよ…健太君、何で病院に居るのか分からないの?」
「んーと…分かんない」
健太は困った顔をしている。
「健太君、さっきまで寝てたでしょ?寝る前は何してたか覚えてる?」
「んーとね、ご飯食べたよ。カレーライスだったよ。んーと、それから歯磨きして、みんなでおねんねしたの」
健太は記憶を辿るように、視線を上に向け答えている。
「…そっか…健太君、今日検査するから、それまでお腹空いちゃうだろけど、ご飯食べないの我慢できる?」
「検査?…僕、強い子だから我慢する!」
健太は明るい笑顔で答えた。
「よし、偉い子だ!じゃあ先生は行くね。このお姉ちゃんと一緒に待っててね」
「よろしくね!」
千夏は笑顔で言った。
「うん!」
健太も笑顔を返した。
出勤したてだった沢尻は、仕事の準備をする為に病室から出て行った。
「じゃあ、お姉ちゃんと待ってようね」
「うん」
健太は顔を真っ赤にして答えた。
「お話でもする?」
「うん」
洋子以外に大人の女性に免疫のない健太は、体をくねらせ答えている。
「かわいい!」
健太の恥じらう仕草を見て、可愛い物好きな千夏は思わず抱き付いた。
健太は更に顔を真っ赤にさせ、煙りが出そうな勢いだ。
心臓の鼓動は激しくなったが、次第に落ち着いていった。
母親に抱かれる行為を知らない健太は、千夏の温もりに安らぎを感じたのだ。
「うふふ」
健太から体を離した千夏は微笑んだ。
「健太君は大きくなったら何になりたいの?」
「……」
「健太君?」
放心状態の健太の顔を覗き込み、千夏は問い掛ける。
「…ん?なーに?」
幸せな感情に包まれていた健太は、よおやく我に返った。
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