247 / 298
連続する狂気
7
しおりを挟む
「…はい」
健太は虚ろな目を田宮に向けた。だが、その瞳の奥は力強いものがある。
「利根川と日村も一緒に来てくれ」
四人は田宮を先頭に、用意した部屋に向かった。
部屋の椅子に腰掛けると、田宮は一枚の写真を健太に手渡した。
「この人物に見覚えありませんか?」
写真の中には、笑顔で写る一人の青年の姿があった。
「…いえ、見た事ないです」
健太には見覚えがなかった。
「その人物は、速水小羽という二十五歳の男性です。心当たりありませんか?」
田宮は手帳を開き、書き込まれた情報を読み上げた。
「…速水小羽…いえ、聞いた事もないです…この人がどうかしたんですか?」
健太は写真を見詰めながら問い掛けた。
「半年前、史乃原剣太さんという男性が殺されました」
「えっ!?…しのはらけんたって」
健太は写真から田宮に視線を変えた。その目は驚きに満ちている。
「…篠原さんとは漢字が違うのですが、読み方は篠原さんと全く一緒です」
「…その篠原さんと、俺が何か関係あるんですか?」
健太は息を飲んだ。そして、田宮の答えを待った。
「…速水小羽は探偵を使って、複数のしのはらけんたという名の人物を探していました…その中に殺された史乃原剣太さんと、あなたが含まれています」
健太は目を見開いた。そして、沈黙した。
「…ふぅ」
何かを考えるように黙っていた健太が、深い息を吐いた。
「速水は史乃原剣太さん殺害容疑が掛けられています…ここ五年で、しのはらけんたと読む名前の男性が五人も殺されています…全てがそうかは分かりませんが、警察は速水の犯行と見て、捜査を始めました」
田宮は言い終えると、健太を見詰めた。その瞳はどこか哀れんでいるようだ。
黙っていた健太が口を開いた。
「…何故、俺と同じ名前の人が次々と殺されているんですか?」
「速水は十歳の時にも篠原謙太という少年を殺しています」
「…十歳の時に」
健太の脳裏に、霞が話してくれた、約束ノートに縛られた一人の少年の影が浮かんだ。
「…速水は約束ノートに心を支配されているんでしょう」
田宮が言った。
「…約束ノート」
呟く健太の頭に、霞の姿が浮かんだ。そして、確信した。霞が話してくれた少年が、速水小羽だという事を。
「十歳の時、速水には好意を抱く少女がいました。しかしその少女から、自分には運命の人が居ると聞かされたようです。…速水は無意識に約束ノートに書いたそうです。少女と結婚する為に、運命の人であるしのはらけんたを殺すと」
健太は虚ろな目を田宮に向けた。だが、その瞳の奥は力強いものがある。
「利根川と日村も一緒に来てくれ」
四人は田宮を先頭に、用意した部屋に向かった。
部屋の椅子に腰掛けると、田宮は一枚の写真を健太に手渡した。
「この人物に見覚えありませんか?」
写真の中には、笑顔で写る一人の青年の姿があった。
「…いえ、見た事ないです」
健太には見覚えがなかった。
「その人物は、速水小羽という二十五歳の男性です。心当たりありませんか?」
田宮は手帳を開き、書き込まれた情報を読み上げた。
「…速水小羽…いえ、聞いた事もないです…この人がどうかしたんですか?」
健太は写真を見詰めながら問い掛けた。
「半年前、史乃原剣太さんという男性が殺されました」
「えっ!?…しのはらけんたって」
健太は写真から田宮に視線を変えた。その目は驚きに満ちている。
「…篠原さんとは漢字が違うのですが、読み方は篠原さんと全く一緒です」
「…その篠原さんと、俺が何か関係あるんですか?」
健太は息を飲んだ。そして、田宮の答えを待った。
「…速水小羽は探偵を使って、複数のしのはらけんたという名の人物を探していました…その中に殺された史乃原剣太さんと、あなたが含まれています」
健太は目を見開いた。そして、沈黙した。
「…ふぅ」
何かを考えるように黙っていた健太が、深い息を吐いた。
「速水は史乃原剣太さん殺害容疑が掛けられています…ここ五年で、しのはらけんたと読む名前の男性が五人も殺されています…全てがそうかは分かりませんが、警察は速水の犯行と見て、捜査を始めました」
田宮は言い終えると、健太を見詰めた。その瞳はどこか哀れんでいるようだ。
黙っていた健太が口を開いた。
「…何故、俺と同じ名前の人が次々と殺されているんですか?」
「速水は十歳の時にも篠原謙太という少年を殺しています」
「…十歳の時に」
健太の脳裏に、霞が話してくれた、約束ノートに縛られた一人の少年の影が浮かんだ。
「…速水は約束ノートに心を支配されているんでしょう」
田宮が言った。
「…約束ノート」
呟く健太の頭に、霞の姿が浮かんだ。そして、確信した。霞が話してくれた少年が、速水小羽だという事を。
「十歳の時、速水には好意を抱く少女がいました。しかしその少女から、自分には運命の人が居ると聞かされたようです。…速水は無意識に約束ノートに書いたそうです。少女と結婚する為に、運命の人であるしのはらけんたを殺すと」
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)その後
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合つまた。
その後、大学を卒業した祐輔(ユウスケ)の新たなストーリーが始まった。
全15話を予定
【完結】不貞された私を責めるこの国はおかしい
春風由実
恋愛
婚約者が不貞をしたあげく、婚約破棄だと言ってきた。
そんな私がどうして議会に呼び出され糾弾される側なのでしょうか?
婚約者が不貞をしたのは私のせいで、
婚約破棄を命じられたのも私のせいですって?
うふふ。面白いことを仰いますわね。
※最終話まで毎日一話更新予定です。→3/27完結しました。
※カクヨムにも投稿しています。
秘書と社長の秘密
廣瀬純七
大衆娯楽
社内の調査のため、社長・高橋健一はこっそり秘書・木村由紀と不思議なアプリで入れ替わることに。
突然“社長役”を任された由紀と、自由に動ける立場を手に入れた高橋。
ふたりの秘密の入れ替わり作戦は、どの様な結末になるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる