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二人
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工場の裏口のようなドアから、二人は建物の中に侵入した。
工場内は閉鎖されているにも関わらず、何故か電気が付いている。小羽は来た事があるように、迷う事無くどんどん中へと進んでいる。健太はその後ろを付いて行っている。小羽は健太が逃げないと思って前を歩いているのだろう。
小羽がとある部屋の前で立ち止まった。
「この部屋だよ」
ドアを開けた小羽は、部屋の中に入って行く。健太は躊躇う事無く後に続いた。
部屋は薄暗い。どれほどの広さの部屋なのかさえ、健太には分からなかった。
「ここに座って」
薄暗い中、小羽の声が聞こえた。健太はぼんやりと見える、小羽が触る椅子に近付いた。
椅子に腰掛けた健太は、小羽を力強い眼差しで見上げた。
「…これでいいのか?早く家族に会わせろ」
「分かってる分かってる、慌てないで」
小羽はそう言うとしゃがみ込み、床に落ちているロープを拾い、健太の後ろに回り込んだ。
「…縛るのか?」
健太は振り返らずに尋ねた。
「そうだよ。健太君の家族を連れて来るから、逃げないようにね」
健太の背中と椅子の背もたれを密着させるように、小羽はロープで縛り上げていく。健太は薄暗い部屋の中で抵抗する事無く、ただじっと前方を見詰めている。
「…よし、できた」
健太を縛り終えた小羽が歩き出した。そして、ドア付近に設置されている電気のスイッチを押した。部屋は一瞬で光りに包まれ、その全貌を露わにした。
テニスコート一面程の広さの部屋。ステンレス製の棚がいくつもあるが、その全てが空だ。棚の他には、健太を縛り付けてあるパイプ椅子と、無人のパイプ椅子がある。それ以外は目立ったものはない。
健太は眩しさで閉じた瞼をゆっくりと開けた。小羽はゆっくりと笑顔で健太に近付いて行く。
「早く家族を連れて来い」
健太は小羽を睨み付けた。
小羽は無人の椅子の背もたれを掴むと、健太の前に置いた。そして背もたれに腕をだらっと載せ、逆向きに座った。
「健太君ごめんね。健太君の家族は、ここには居ないんだ」
そう言った小羽は微笑んだ。
「ふざけんな!どこに居るんだよ!」
健太は縛り付けられた体を激しく揺らし、叫んだ。
「ごめんごめん、僕は健太君の家族の誘拐とは、何の関係もないんだ」
工場内は閉鎖されているにも関わらず、何故か電気が付いている。小羽は来た事があるように、迷う事無くどんどん中へと進んでいる。健太はその後ろを付いて行っている。小羽は健太が逃げないと思って前を歩いているのだろう。
小羽がとある部屋の前で立ち止まった。
「この部屋だよ」
ドアを開けた小羽は、部屋の中に入って行く。健太は躊躇う事無く後に続いた。
部屋は薄暗い。どれほどの広さの部屋なのかさえ、健太には分からなかった。
「ここに座って」
薄暗い中、小羽の声が聞こえた。健太はぼんやりと見える、小羽が触る椅子に近付いた。
椅子に腰掛けた健太は、小羽を力強い眼差しで見上げた。
「…これでいいのか?早く家族に会わせろ」
「分かってる分かってる、慌てないで」
小羽はそう言うとしゃがみ込み、床に落ちているロープを拾い、健太の後ろに回り込んだ。
「…縛るのか?」
健太は振り返らずに尋ねた。
「そうだよ。健太君の家族を連れて来るから、逃げないようにね」
健太の背中と椅子の背もたれを密着させるように、小羽はロープで縛り上げていく。健太は薄暗い部屋の中で抵抗する事無く、ただじっと前方を見詰めている。
「…よし、できた」
健太を縛り終えた小羽が歩き出した。そして、ドア付近に設置されている電気のスイッチを押した。部屋は一瞬で光りに包まれ、その全貌を露わにした。
テニスコート一面程の広さの部屋。ステンレス製の棚がいくつもあるが、その全てが空だ。棚の他には、健太を縛り付けてあるパイプ椅子と、無人のパイプ椅子がある。それ以外は目立ったものはない。
健太は眩しさで閉じた瞼をゆっくりと開けた。小羽はゆっくりと笑顔で健太に近付いて行く。
「早く家族を連れて来い」
健太は小羽を睨み付けた。
小羽は無人の椅子の背もたれを掴むと、健太の前に置いた。そして背もたれに腕をだらっと載せ、逆向きに座った。
「健太君ごめんね。健太君の家族は、ここには居ないんだ」
そう言った小羽は微笑んだ。
「ふざけんな!どこに居るんだよ!」
健太は縛り付けられた体を激しく揺らし、叫んだ。
「ごめんごめん、僕は健太君の家族の誘拐とは、何の関係もないんだ」
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