1 / 1
死神
しおりを挟む「ご主人様、目をお覚ましください。
申し訳ないのですが、お時間でございます。」
体を揺さぶられ、目を覚ませばそこには小綺麗なタキシードを着た老人が立っていた。
真っ白な白髪頭がヘルメットのようにジェルでシチサンに固められ、漫画からそのまま出てきたような執事の格好をしている。
「えっと、僕は電車で寝ていたような気が、、、」
老人から目線を外し、周りを見渡すと、どうやら古い館の一室に僕はいるようだ。
座っていたはずの電車のソファは、アンティーク調の木製チェアに変わっている。
どこかしらか古臭いが香り、体を動かせば、床が軋む。
中世期のイギリスのような内装に僕は圧倒される。
驚きを隠せない僕を見かねて、
執事の格好をした老人が話し出す。
「安心してください。走馬灯現象により"亡くなった直後の記憶"が失われることはよくあることです。数時間経てば…」
亡くなった?
ちょっと待ってくれ。僕はまだ死んでいない。
電車に揺られ、寝てしまっただ…け?
ここで僕は異変に気付く。
ミンチした肉をすり潰すような気色悪い音が聞こえ、足元を見下ろせば、自分の内臓が床にこぼれ落ちていた。
「う、うわぁ!!なんだよ、これ!ぼ、僕の内臓が、、!!」
さっきまで新品だったスーツは血に染まり、魔法にかけられたかのようにみるみる体と服がボロボロになっていく。
そして、B級映画に出てくるゾンビ姿になった僕は察した。
僕は死んだのだ、と。
「よろしければ、死ぬ直後の記憶を
思い出していただくために、状況説明を
致しましょうか?」
非日常的な光景にも関わらず、顔色を
変えず淡々と話を進める老人が
気色悪く感じたが、僕はゆっくりと
うなづいた。
ゆっくりとした口ぶりで老人は
「まず、ご主人様。あなたは“森川美緒”
によって殺されました。」
僕は思わず、言葉を失った。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
ちゃんと忠告をしましたよ?
柚木ゆず
ファンタジー
ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私フィーナは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢アゼット様に呼び出されました。
「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」
アゼット様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は最愛の方に護っていただいているので、貴方様に悪意があると気付けるのですよ。
アゼット様。まだ間に合います。
今なら、引き返せますよ?
※現在体調の影響により、感想欄を一時的に閉じさせていただいております。
“いつまでも一緒”の鎖、貴方にお返しいたします
柊
ファンタジー
男爵令嬢エリナ・ブランシュは、幼馴染であるマルグリット・シャンテリィの引き立て役だった。
マルグリットに婚約が決まり開放されると思ったのも束の間、彼女は婚約者であるティオ・ソルベに、家へ迎え入れてくれないかというお願いをする。
それをティオに承諾されたエリナは、冷酷な手段をとることを決意し……。
※複数のサイトに投稿しております。
使い捨て聖女の反乱
あんど もあ
ファンタジー
聖女のアネットは、王子の婚約者となり、瘴気の浄化に忙しい日々だ。 やっと浄化を終えると、案の定アネットは聖女の地位をはく奪されて王都から出ていくよう命じられるが…。 ※タイトルが大げさですがコメディです。
【完結】精霊に選ばれなかった私は…
まりぃべる
ファンタジー
ここダロックフェイ国では、5歳になると精霊の森へ行く。精霊に選んでもらえれば、将来有望だ。
しかし、キャロル=マフェソン辺境伯爵令嬢は、精霊に選んでもらえなかった。
選ばれた者は、王立学院で将来国の為になるべく通う。
選ばれなかった者は、教会の学校で一般教養を学ぶ。
貴族なら、より高い地位を狙うのがステータスであるが…?
☆世界観は、緩いですのでそこのところご理解のうえ、お読み下さるとありがたいです。
予言姫は最後に微笑む
あんど もあ
ファンタジー
ラズロ伯爵家の娘リリアは、幼い頃に伯爵家の危機を次々と予言し『ラズロの予言姫』と呼ばれているが、実は一度殺されて死に戻りをしていた。
二度目の人生では無事に家の危機を避けて、リリアも16歳。今宵はデビュタントなのだが、そこには……。
愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる