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1 婚約者を寝取られ※
しおりを挟む魔術師学園の屋上で、婚約者デクランとの別れは唐突に訪れた。
「あっ、あっ、デクラン様っ……ミーアさまがっ……いらっしゃるのにっ……ああっ……」
「ミーアとは愛のない婚約なんだよ、ああ、君の中はすごく良いねっ……」
青空の下、そもそも学校だというのに、二人は激しく交わり合っていた。
寝転がる婚約者デクランの身体の上に跨り、可憐な金髪碧瞳の美少女が身体を激しく上下に動かしている。
ぐちゅぐちゅと水音が経ち、挙句、乱れた制服から漏れ出た白い二つの乳房がたゆたゆと激しく揺れ動いていた。
婚約者はこちらには気づかず、一心不乱に腰を動かし、彼女の蜜道に向かって突き上げ続ける。
「ああっ、そんなにされたら、わたくしっ……」
「ああ、もういっそ子どもを作って、婚約をなしにしたいよっ……!」
「そ、そんなっ、でもっ、デクラン様の子種が欲しっ……」
「ああ、俺も君に注ぎたいっ……限界だ、くっ……」
デクランが呻くと、蜜池に精を注がれた美少女は、「ああんっ……!」と一声啼いた。
彼らが私に気づいたのは、その時だ。
「ミーア!」
真っ青になっていた私にデクランが声をかけてくる。
しばらく間があった。
唇を噛み締めた彼は、私に真剣な眼差しで告げてくる。
「ミーア、君の魔力は国で最高峰のものだけど、君自身も制御出来ていないし、僕も制御しきれない……見ての通り、恋人まで出来てしまったんだ。婚約を破棄してほしい」
婚約者である優男、伯爵令息デクランの言葉に衝撃が走る。
彼の隣には、か弱い見た目の女性。黒髪黒瞳の私とは対照的に、金髪碧瞳の可憐な美少女だ。確か、魔力が少ないところが庇護欲をそそると、魔術学校でも男性人気がダントツの女生徒。
「デクラン……」
情事を見せつけられ、絶望していた私。
気づいた二人は、慌てて衣服を整えてから、開き直ったかのように告げてきた。
(こそこそしていたし、薄々もしかしたらとは思っていたけれど……)
悲しいが、彼の言う通り魔力の制御が出来ないことがある。そのせいで、魔力は学年一高いが、「出来損ない」と呼ばれてしまっていた。
思春期以来、ずっとこの体質に悩まされてきた。
どうにかしたいと考えたのだろう。侯爵である父は、伯爵家に頼み込んで、優秀な学生であるデクランを私の婚約者に指名したのだ。
(確かに名ばかりの婚約関係だったし……魔力を制御できないのも本当だけど……)
だが、周囲には迷惑をかけないように頑張ってきたつもりだ。デクランに迷惑をかけたことと言えば、屋敷に招待した時に、彼が置いていたアイスグラスを破壊したぐらいだった。
ちなみに――このグラスは私のものだったし、デクランは席を離れていた時だったので実害はなかったはずである。
「――すまない」
重ねがさね謝ってくるデクランと恋人の姿を見ていられなくて、私はその場を飛び出したのだった。
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