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「奥様、大変申し上げにくいのですが……」
あれほど喜んでくれていた老医師の表情は翳りを帯びていた。
それからの言葉は、まるで自分がかけられた言葉ではないかのように、他人事のように感じた。
「あの人には言わないでください……」
アルフォンス様の失望した顔を見るのが怖かった。
「分かりました」
それだけ言い残すと、老医師は部屋から立ち去って行った。
「私の……赤ちゃん……」
レティシアはもう空っぽになってしまった下腹を擦る。
視界が滲んで前が見えない。
どれだけ嘆いても取り返しがつかない。
哀しいことに、結婚して数年の間に張り付いた笑顔を浮かべるのが得意になった。けれども、子どもを死なせてしまって、どんどん笑えなくなってきた。
最初は無理して笑っていたけど、次第に自分が何を考えているのか分からなくなってしまった。
せっかく出来た子どもも死んでしまった。
いいや……
「私が殺したようなものね……子どもも守れなかったような私には……価値がないわ……」
熱いものが頬を伝う。
「ごめんなさい」
もう誰もいなくなった下腹を擦る。
辛い。
辛くて仕方がない。
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