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5 4人の邂逅
59 ミリー
私はシーツをぎゅっと握ると同時に口を開く。
「まあ、夫婦二人の話は二人の問題だから、どうにか解決してもらいましょう」
「ああ? 起き抜けにどこに行くんだよ、ミリー?」
「決まってるわ――王都に異動するように言われているの――今からその準備よ」
「アイザックには会いにいかないのか?」
しばらく病室の中はしんと静まり帰っていた。
「まだアイザックとミリーさんが正式に別かれたわけじゃない。私とアイザックは別に恋人同士だったわけでもないのに不実な関係になってしまっていたわ。それは許されることじゃない」
「そんなこと言ったって、あいつらが別れたら問題はないだろうが――」
「私の……気持ちの問題なの……今回はたまたまうまくような流れだけれど……本当は心を通わせてはいけない間柄だった」
そう――不倫は不倫なのだ。
「――だから、私とアイザックはここでお別れよ」
「ミリー……だが……」
「けじめよ……そのまま、なあなあになるのは――私の矜持が許さない」
こうなったら、私が引かないことを幼馴染のバッシュが一番知っている。
「そうか……だが、あいつは――お前のことをあきらめないだろうさ」
「そうだったら良いわね……だけど、アイザックはマリーンさんとのことがストレスで、たまたま私のことがよく見えていたのかもしれないし……」
「そんなことあるはずねえだろう……」
「だけど、もし、私が王都にいったのだとしても、それでもアイザックが私のことを求めてくれるのなら……」
そうしたら、その時は――。
「じゃあ、バッシュ兄さんは、マリーンさんと赤ちゃんと幸せにね」
「おい、せっかくだから、俺たちと一緒に王都に戻って――」
私は首を横に振った。
「仕事だから――一人で向かうわ……」
そうして――私はアイザックには会わずに僻地を旅立ったのだ。
「まあ、夫婦二人の話は二人の問題だから、どうにか解決してもらいましょう」
「ああ? 起き抜けにどこに行くんだよ、ミリー?」
「決まってるわ――王都に異動するように言われているの――今からその準備よ」
「アイザックには会いにいかないのか?」
しばらく病室の中はしんと静まり帰っていた。
「まだアイザックとミリーさんが正式に別かれたわけじゃない。私とアイザックは別に恋人同士だったわけでもないのに不実な関係になってしまっていたわ。それは許されることじゃない」
「そんなこと言ったって、あいつらが別れたら問題はないだろうが――」
「私の……気持ちの問題なの……今回はたまたまうまくような流れだけれど……本当は心を通わせてはいけない間柄だった」
そう――不倫は不倫なのだ。
「――だから、私とアイザックはここでお別れよ」
「ミリー……だが……」
「けじめよ……そのまま、なあなあになるのは――私の矜持が許さない」
こうなったら、私が引かないことを幼馴染のバッシュが一番知っている。
「そうか……だが、あいつは――お前のことをあきらめないだろうさ」
「そうだったら良いわね……だけど、アイザックはマリーンさんとのことがストレスで、たまたま私のことがよく見えていたのかもしれないし……」
「そんなことあるはずねえだろう……」
「だけど、もし、私が王都にいったのだとしても、それでもアイザックが私のことを求めてくれるのなら……」
そうしたら、その時は――。
「じゃあ、バッシュ兄さんは、マリーンさんと赤ちゃんと幸せにね」
「おい、せっかくだから、俺たちと一緒に王都に戻って――」
私は首を横に振った。
「仕事だから――一人で向かうわ……」
そうして――私はアイザックには会わずに僻地を旅立ったのだ。
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