【R18】ちっちゃい騎士様の××はすっごくおっきい

おうぎまちこ(あきたこまち)

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(決して、フール公爵令息と婚姻話が上がっているから、処断を軽くしてはどうかと提案しているわけではない)

 実は――フール公爵令息と若手騎士団員たちが、街の外れにある森の一角を根城にして悪だくみを働いていることを知ってしまったのだ。

『あのチビ、どうせ自分は大したことないくせに、有事の時は若い俺たちを動かしてどうにかしようって思ってるんだろう!』

『年功序列で騎士団長の位についてるだけのくせに……!』

『何がきほんをおろそかにするなだよ、ふざけるなっての……!』

『せっかくだし、仕事中に酒飲んだぐらいで処分してくるような器の小さな騎士団長はさ、皆で署名でもして解雇にしてやろうぜ、叔父上である国王陛下に進言してやるよ』

 意気揚々と話すフールに皆が賛同していたのだ。

(実は若手の騎士団員たちはクロヴィス騎士団長のことを見た目で判断して舐めてきている)

 数年前にあった戦争では、かなりの功績を称えたのは、今の二十代以上の者たちなら当然知っているのだが……。もうクロヴィス騎士団長も実働部隊ではなく、騎士団長として騎士団を率いたり、事務的な作業が主となっている。

(平和なご時世になったし、今の十代の新入り騎士たちに至っては……若い頃の彼の功績を知らないから……)

 だけど、このままだと――クロヴィス騎士団長が解雇の憂き目にあってしまうかもしれない。

(けれども、内容を直接クロヴィス騎士団長に告げるのも憚られるわ。だから、ここで私がどうにかしないと……)

 私はキリリと返した。

「私がフールたちに直々に注意しておきますから」

 しかしながら、クロヴィス騎士団長が立ち上がると――机の反対にいる私へと向かって歩んでくる。

「いいや、騎士団長である俺が直々に注意してくる」

「待ってください、団長」

 止めようとする私のことを――クロヴィス騎士団長がじろりと見てきた。

「どうして、そんなにフールのことを庇ってくる?」

「あいつを庇ってなどおりません。あの者たちの注意など私だけで十分だと思っただけです」

「ダメだ。お前は女だ。男たちだけの場所への任務に一度だって行かせたことはないだろう?」

 クロヴィス騎士団長の発言に対し、私は強がった。

「こんな上背のでかい女を女というなどと――団長、私を女に見るような男はフールぐらいのものですよ。私自身、こんな男女の自分など、女と思ってさえおりません。それでは行って参り――」
 
 その時。
 突然、視界が反転した。

(何が起きたの……?)

 天井のシャンデリアが視界に入ってきた後。
 背中が冷たくて硬い何かに押し付けられていた。
 身体に柔らかな重みがのしかかる。

「身長が高かろうがな、女は女なんだよ、レオナ」

「あ……」

「お前を女だと認識している男が――フールだけなわけないだろう?」

 ――執務机の上にクロヴィス騎士団長から押し倒されているのだと理解するのに時間がかかった。
 ちょうど自分の豊満な胸の上、彼の頭が乗っている。
 彼の掌が私の胸にぐにゃりと沈み込んできた。

「……あ……んっ」

 たまらず甘ったるい声が漏れ出る。
 そうして――。
 クロヴィス騎士団長が端正な表情を歪ませながら、淡々と告げてくる。


「お前は女だって――騎士団長の俺が分からせてやるよ」

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