16 / 24
ちっちゃなストーカー⑤
しおりを挟む
俺はいつも通り学校が終わると家に帰ってきた。……のだが、今は家に入らず少し遠くから電柱の影に隠れて覗いていた。
なぜなら、家の前をうろつく不審者を発見したからだ。いや、実際はめぐるなんだけど。学校に来なかったがしっかりと制服はきている。逆にそのせいか余計に怪しく見えるのは気のせいだろうか。取り敢えず声をかけてみることにした。
「何やってんだ」
「っ!!!」
後ろから声をかけたのがまずかったらしくビクビクっと身体を震わせたかと思うと固まってしまった。
「お~い、だいじょぶか~?」
手を顔の前で振ってみるが反応がない。はて、どうしたものか。
「またな、めぐる」
俺はそのままめぐるを放置して家に入ることにした。
「待ちなさいよ!」
「なんだよ」
「なんだよじゃないわよ! なーに放置してそのまま帰ろうとしてんのよ!」
「めんどくさいやつだな」
「めんどくさい言うなぁ!」
このままだとずっと言い合いが続きそうなので俺は一旦落ちつくために一呼吸おいて聞いた。
「何やってたんだ、学校にもこないで」
「それは……」
めぐるは言いにくそうにもじもじとしている。まさか、俺ん家に泥棒に!? 何もないのでお引き取りください。
「ペンダント」
「?」
「佑斗がなくしたペンダントを探してたのよ」
「まじかよ。まさか、朝からずっとか?」
「うん」
昨日なくなった事が分かったペンダント。昔めぐるから貰ったものだけどまさかそれを探してたなんて。
「でも、なんで……」
そうだ、なくしたと言ってもたかがペンダントだ。そこまで必死に探す理由が分からない。
「それは…………と、取り敢えずいいでしょ! とにかくあれを探してるの。佑斗も学校が終わったんなら手伝ってよ」
「それがな、めぐる。実はさペンダント見つかったんだよね」
そう言いながら鞄からだして見せる。
「えっ? ど、どこにあったのよ」
「いやーそれがさ…………」
時刻は四時間ほど前に遡ってお昼休み。
「あの、これ!」
勇気を振り絞った声と共に前に差し出されたのは俺のペンダントだった。
「これ……俺のペンダント。どうして赤井さんが?」
「あの、ね……」
相変わらずビクビクしながらだけど赤井さんはゆっくりと話してくれた。
「実は入学式の日の事なんだけど。実は廊下を歩いているときに君とぶつかったんだよ」
「あーそう言えばなんか誰かとぶつかったような気が……って、まさか」
「その時にね、このペンダントが落ちたんだよ」
なるほど、そりゃあれだけ家の中を探しても見つからないわけだ。
「それでね、すぐに返そうと思ったんだけどすぐに女の子に引きずられていっちゃって……」
「渡せなかったと」
「うん」
あぁ今思い出すだけでもあの時のみんなの視線は嫌だったなぁ。全部めぐるのせいだな、うん。
俺は話がさらに長くなりそうだったので赤井さんを連れて食堂に行き向かい合って座った。
「それで、その後なんだけど返したくてもどこのクラスかも学年も分からないしで返せなくて」
「まぁ確かに、でも先生に届けるとかでもよかったんじゃない?」
「…………そうですね!」
俺の答えにそんな方法があったのかとでも言うように手をポンと叩いた。この子……少し天然ちゃんなのだろうか。
「でも、その後ここでやっと見つけたんです! 逃げてしまったけど…………」
「そう言えばそうだったな」
「実は私は他人と話すのが、特に男の人は苦手で……ごめんなさい」
「あ、謝らなくてもいいよ、誰にだって苦手な事はあるしね」
「でもだからってあんなストーカーみたいな事…………あぁぁぁぁぁぁぁ」
赤井さんは思い出して恥ずかしくなったのかテーブルにバタンッと突っ伏してしまった。
「でも、今日は勇気をだして話しかけてくれたんでしょ? ちゃんと返して貰ったしほんとにありがとう」
赤井さんは少しだけ顔をあげると照れと恥ずかしさで顔を真っ赤にしながら小さな声で
「ど、どういたしまして」
と聞こえた。
時刻は戻って16時過ぎ、自宅前。
「てな事があったんだよ」
「あーーーそーーー」
「なんだよ」
「別にぃーーー」
「気になるだろ」
「そう? じゃあ遠慮なく」
そう言うとめぐるは雪をまるめだした。そして、
「えい」
俺に向かって投げてきた。
「イテッ、何すんだぁ……ぁ……」
と、やり返そうと思ったらすでに全力ダッシュで逃げていた。いったい何だっつうんだ。
なぜなら、家の前をうろつく不審者を発見したからだ。いや、実際はめぐるなんだけど。学校に来なかったがしっかりと制服はきている。逆にそのせいか余計に怪しく見えるのは気のせいだろうか。取り敢えず声をかけてみることにした。
「何やってんだ」
「っ!!!」
後ろから声をかけたのがまずかったらしくビクビクっと身体を震わせたかと思うと固まってしまった。
「お~い、だいじょぶか~?」
手を顔の前で振ってみるが反応がない。はて、どうしたものか。
「またな、めぐる」
俺はそのままめぐるを放置して家に入ることにした。
「待ちなさいよ!」
「なんだよ」
「なんだよじゃないわよ! なーに放置してそのまま帰ろうとしてんのよ!」
「めんどくさいやつだな」
「めんどくさい言うなぁ!」
このままだとずっと言い合いが続きそうなので俺は一旦落ちつくために一呼吸おいて聞いた。
「何やってたんだ、学校にもこないで」
「それは……」
めぐるは言いにくそうにもじもじとしている。まさか、俺ん家に泥棒に!? 何もないのでお引き取りください。
「ペンダント」
「?」
「佑斗がなくしたペンダントを探してたのよ」
「まじかよ。まさか、朝からずっとか?」
「うん」
昨日なくなった事が分かったペンダント。昔めぐるから貰ったものだけどまさかそれを探してたなんて。
「でも、なんで……」
そうだ、なくしたと言ってもたかがペンダントだ。そこまで必死に探す理由が分からない。
「それは…………と、取り敢えずいいでしょ! とにかくあれを探してるの。佑斗も学校が終わったんなら手伝ってよ」
「それがな、めぐる。実はさペンダント見つかったんだよね」
そう言いながら鞄からだして見せる。
「えっ? ど、どこにあったのよ」
「いやーそれがさ…………」
時刻は四時間ほど前に遡ってお昼休み。
「あの、これ!」
勇気を振り絞った声と共に前に差し出されたのは俺のペンダントだった。
「これ……俺のペンダント。どうして赤井さんが?」
「あの、ね……」
相変わらずビクビクしながらだけど赤井さんはゆっくりと話してくれた。
「実は入学式の日の事なんだけど。実は廊下を歩いているときに君とぶつかったんだよ」
「あーそう言えばなんか誰かとぶつかったような気が……って、まさか」
「その時にね、このペンダントが落ちたんだよ」
なるほど、そりゃあれだけ家の中を探しても見つからないわけだ。
「それでね、すぐに返そうと思ったんだけどすぐに女の子に引きずられていっちゃって……」
「渡せなかったと」
「うん」
あぁ今思い出すだけでもあの時のみんなの視線は嫌だったなぁ。全部めぐるのせいだな、うん。
俺は話がさらに長くなりそうだったので赤井さんを連れて食堂に行き向かい合って座った。
「それで、その後なんだけど返したくてもどこのクラスかも学年も分からないしで返せなくて」
「まぁ確かに、でも先生に届けるとかでもよかったんじゃない?」
「…………そうですね!」
俺の答えにそんな方法があったのかとでも言うように手をポンと叩いた。この子……少し天然ちゃんなのだろうか。
「でも、その後ここでやっと見つけたんです! 逃げてしまったけど…………」
「そう言えばそうだったな」
「実は私は他人と話すのが、特に男の人は苦手で……ごめんなさい」
「あ、謝らなくてもいいよ、誰にだって苦手な事はあるしね」
「でもだからってあんなストーカーみたいな事…………あぁぁぁぁぁぁぁ」
赤井さんは思い出して恥ずかしくなったのかテーブルにバタンッと突っ伏してしまった。
「でも、今日は勇気をだして話しかけてくれたんでしょ? ちゃんと返して貰ったしほんとにありがとう」
赤井さんは少しだけ顔をあげると照れと恥ずかしさで顔を真っ赤にしながら小さな声で
「ど、どういたしまして」
と聞こえた。
時刻は戻って16時過ぎ、自宅前。
「てな事があったんだよ」
「あーーーそーーー」
「なんだよ」
「別にぃーーー」
「気になるだろ」
「そう? じゃあ遠慮なく」
そう言うとめぐるは雪をまるめだした。そして、
「えい」
俺に向かって投げてきた。
「イテッ、何すんだぁ……ぁ……」
と、やり返そうと思ったらすでに全力ダッシュで逃げていた。いったい何だっつうんだ。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ママはヤンママ女子高生! ラン&ジュリー!!
オズ研究所《横須賀ストーリー紅白へ》
キャラ文芸
神崎ラン(♂)の父親の再婚相手は幼馴染みで女子高生の高原ジュリー(♀)だった。
ジュリーは金髪美少女だが、地元では『ワイルドビーナス』の異名を取る有名なヤンキーだった。
学校ではジュリーは、ランを使いっ走りにしていた。
当然のようにアゴで使われたが、ジュリーは十八歳になったら結婚する事を告白した。
同級生のジュリーが結婚するなんて信じられない。
ランは密かにジュリーの事を憧れていたので、失恋した気分だ。
そう言えば、昨夜、ランの父親も再婚すると言っていた。
まさかとは思ったが、ランはジュリーに結婚相手を聞くと、ランの父親だと判明した。
その夜、改めて父親とジュリーのふたりは結婚すると報告された。
こうしてジュリーとの同居が決まった。
しかもジュリーの母親、エリカも現われ、ランの家は騒然となった。
煙草屋さんと小説家
男鹿七海
キャラ文芸
※プラトニックな関係のBL要素を含む日常ものです。
商店街の片隅にある小さな煙草屋を営む霧弥。日々の暮らしは静かで穏やかだが、幼馴染であり売れっ子作家の龍二が店を訪れるたびに、心の奥はざわめく。幼馴染としてでも、客としてでもない――その存在は、言葉にできないほど特別だ。
ある日、龍二の周囲に仕事仲間の女性が現れ、霧弥は初めて嫉妬を自覚する。自分の感情を否定しようとしても、触れた手の温もりや視線の距離が、心を正直にさせる。日常の中で少しずつ近づく二人の距離は、言葉ではなく、ささやかな仕草や沈黙に宿る。
そして夜――霧弥の小さな煙草屋で、龍二は初めて自分の想いを口にし、霧弥は返事として告白する。互いの手の温もりと目の奥の真剣さが、これまで言葉にできなかった気持ちを伝える瞬間。静かな日常の向こうに、確かな愛が芽吹く。
小さな煙草屋に灯る、柔らかく温かな恋の物語。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
**2026.01.02start~2026.01.17end**
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
異世界帰りの少年は現実世界で冒険者になる
家高菜
ファンタジー
ある日突然、異世界に勇者として召喚された平凡な中学生の小鳥遊優人。
召喚者は優人を含めた5人の勇者に魔王討伐を依頼してきて、優人たちは魔王討伐を引き受ける。
多くの人々の助けを借り4年の月日を経て魔王討伐を成し遂げた優人たちは、なんとか元の世界に帰還を果たした。
しかし優人が帰還した世界には元々は無かったはずのダンジョンと、ダンジョンを探索するのを生業とする冒険者という職業が存在していた。
何故かダンジョンを探索する冒険者を育成する『冒険者育成学園』に入学することになった優人は、新たな仲間と共に冒険に身を投じるのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる