竜族の女騎士は自身の発情期に翻弄される

紗綺

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言葉にしたら ★

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伸ばした舌に細い指が乗せられる。
先端、中程、奥へと。蛇行し舌を撫でる指先に興奮を煽られる。
動かないようにしているのに与えられる刺激が舌を震わせる。
堪えきれず漏れる吐息にアルヴィスが口元を釣り上げ、笑う。

「エイル、もっと舌出して」

指を離したアルヴィスに言われるままに差し出すとちゅっと舌を吸われる。
いつもより強めの刺激に背筋が震えた。

舌を絡めながらエイルの襟元から手を差し入れ肩にかかる服を下ろしていく。
鎖骨から肩のラインを撫でる指が腕を伝い、手の甲を滑りエイルの指先に触れる。
きゅっと指を握ると共に唇を吸われてびくりと身体が揺れた。

唇が離れていって上がった息を整える。
掴まれた指を解き、アルヴィスの手の甲から手首までをなぞるとわずかに動揺の籠った吐息が聞こえた。

「イイ……?」

気持良かったのか動揺しただけなのかわからなくて聞いてしまう。
目元を赤らめたアルヴィスが、答えの代わりに頬を撫でた。
悦んでくれた反応に胸に熱が灯った気がする。

ふふ、と満足感に吐息を漏らすとアルヴィスが妖しげな笑みを浮かべた。

「お前に与えられていると思うだけで良い」

すごく興奮する、と耳元で囁く声にエイルも興奮を煽られるようだった。






服を脱ぎお互いに触れながら高め合い、何度もくちづけ合う。
アルヴィスに言われて羞恥に悶えたけれど、実際エイルが感じる場所とアルヴィスが良いと感じる場所は近いようだ。
されたことのある愛撫を思い出しながら触れると息を乱すアルヴィスに欲望と愛しさが湧いてくる。
ああ、人族が日常から情を交わす理由が少し理解できたかも。
愛情表現のひとつなんだなと。
エイルの秘所に指を差し入れたアルヴィスが嬉しそうに口元を緩める。
様子を確かめるように深くへと進めるそこは指を受け入れる前からとろとろになっていた。
硬く立ち上がったアルヴィス自身に目を留める。
この前みたいに触ってほしいかなと思ったけど「今エイルに触られたら出る」と固辞される。
そう言われるとちょっと興味が湧く。視線を受けたアルヴィスに止めろと強めに言われてしまった。
限界だというのは本当みたいでエイルを押し倒すと臨戦態勢の自身を押し当てた。

「ふっ、くぅ……ん」

ゆっくりと腰を進めるアルヴィスの動きが止まった。

「ど、して……?」

熱く硬い熱塊を埋め込まれたままの内壁は自ら高めようとするようにきゅうきゅうとアルヴィス自身を締め付ける。
自身の身体の反応に悶え、与えられない快楽を欲する。熱くて思考がぼやけてくる。

「エイル、俺が欲しい?」

期待と興奮に掠れる声で問うてくる。
なんてことを言わせようとしてくるのかと力の入らない身体で首をふるふると振る。羞恥に赤く染まっているのがわかるほど顔が熱い。

「言ってほしい。 
ダメか?」

切実な瞳で訴えるアルヴィスに唇を震わせる。
ずるい、酷い、そんな言葉が頭でぐるぐる回って。言葉にはならない。
エイルが拒否すればアルヴィスは無理強いはしないかもしれない、でも……。
は、と息を吐いてアルヴィスの指を取る。

「アルヴィスは……?」

指を絡め首を傾げる。
言って?と視線で促すとアルヴィスが身体を震わせた。

「あぁっ!」

中に埋め込まれたものが急に大きくなり壁を圧迫する。
苦しそうな息を吐いたアルヴィスが欲望にギラつかせた目でエイルを睨む。

「……欲しい、エイルが。
今すぐお前を貫いてぐちゃぐちゃにしたい。
奥の奥まで突いて一番深くに俺を刻みたいんだ」

すでに赤くなっている肌がさらに熱を増したのを感じた。

「ほしい……」

エイルの身体は勝手にアルヴィスを締め付けて離さない。
身体の方がずっと素直にアルヴィスを欲していた。

「アルヴィスをちょうだい?」

大好きな青を見つめながら絡めた指に力を籠める。
エイルが言い終わる前にぐっと腰を推し進めたアルヴィスの熱に巻かれて、エイルは一瞬で達した。






達した身体へ何度も何度も腰を打ち付けられ声を堪える。

「エイル、口開けて、声聞かせて」

アルヴィスの懇願に首を振るのがやっとだ。

「~~~っ!」

奥を抉られて全身を震わせる。声を抑えられたのはぎりぎりだった。
ぴたりと動きを止めたアルヴィスが頬を撫で張り付いた髪を除け視線を合わせる。
最奥に位置した熱塊はまだ達しておらず、力強い脈動を伝えてくる。

「イヤ? どうして?」

動きが止まったことで荒れた息でなんとか答えることはできるようになったけれど、自身の内側からじわじわと炙るような熱が思考力を奪っていく。

「だって、口開けたら、か……」

「か?」

口を開いたところで動きを再開させて声を上げさせるなんて意地悪でもないのが更にエイルを追い詰める。

「か、咬んじゃう……」

咬み跡を残してしまうかもしれない。
この前よりも、酷く。
エイルの懸念を聞いたアルヴィスが口を横に引いて笑った。うれしそうだけどなんだか背中がぞわぞわする笑み。

「咬めばいいし、跡もつければいい」

痛いよ?と猜疑の視線を向けるけれど一顧だにしない。

「お前に与えられるなら痛くてもいいし……。
跡を残してくれるならそれも嬉しい」

そう言ってエイルの胸元に作った跡にキスを落とした。
これと同じだと、そういう意味だろう。
絶対違うと思うけど。
本人が良いって言ってるならもういいや。

前付けた傷跡はもう無い。
舌でなぞって少しだけ歯を押し当てる。
この前よりも手前、視線を下ろせば見える位置に。
エイルの意図に気づいたアルヴィスが肩を震わせ、最奥に留まっていた熱塊をさらに奥へと擦りつける。

「や、ぁあっ!!」

急な動きに堪えるどころじゃなく声が出た。
これ以上ないほど奥へ熱を押し付けられたかと思えば腰を引いてまたじわじわと熱を押し広げながら奥まで進む。
繰り返される行為は終わりが見えない。
も、ムリ……。
朝の光が差し込む中、自分が軽くだけ付けた跡が目に入りアルヴィスを引き寄せる。
エイルが強く咬み跡を残すのと、アルヴィスが最奥を抉り熱を吐くのは同時だった。


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