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番外編
これでも制御してる ★
しおりを挟む宿へ入って空いてる部屋を借りる手続きをする。
3日間入ってこないよう言い渡し、食事や水は部屋の外に置いてくれるよう依頼しておく。
部屋に入ると大きなベッドが一つと開放感がある大きな窓がある。
経営しているのが獣人だからか心得たように食事の手配などを請け負ってくれると話には聞いていた。
自分がこうして利用することになるとは思っていなかったが。
「さて、まずは言い訳を聞いてやるよ」
細くなっているだろう瞳孔を向けると久方ぶりにあったレイアが悲鳴を飲みこんだ。
心配しなくても俺はまだ冷静だ。
話次第ではブッ飛ぶかもしれねえけどな。
パートナーに関することでは理性が飛びやすい獣族や竜族だから、最後まで冷静でいられるかはわからない。
「結婚して最初の発情期に逃げたのはどういうワケだ?」
俺の発情期ではない。
竜族は発情期以外は触れられることすら嫌なのを知ってたから自分の発情期は必死に我慢してた。
待ちに待ったレイアの発情期の片鱗に狂喜乱舞したのも記憶に新しい。
発情期に入ったらどれだけ長く繋がっていられるかと隊長にも前もって長期の休暇を申請するくらい楽しみにしていたというのに。
ある日家に帰ったら突然消えていた。
『ごめんなさい』と書いたメモを残して。
どうしても俺の期待に応えられる気がしないと綴られた手紙を破り捨て、衝動のままに隊長に討伐へ行かせてくれと頼んだ。
でないと探し回ってヤバイことになりそうだった。
見つけ出して犯し尽くしてやろうかとマジであの時は思った。
俺の切羽詰まった様子を理解した隊長はその日に送り出してくれ、戦うことで衝動と怒りを発散し、一つ討伐を終えたらまた次の討伐へと向かってどうにか衝動を収めて戻ってきたんだ。
「それは、だって……。
あんな長期休暇取って」
「そりゃ取るだろ、結婚して初めての発情期だぞ」
「2週間もされたら私死んじゃう!」
休暇を2週間取ったからってずっとしてるとも限らねえだろ。
俺の言葉にレイアが反論する。
「ウォルド自分の発情期のときにずっと私が寝てる横で一人でしてたでしょ、何回だったか覚えてる!?」
「覚えてるわけねえだろ、そんなこと」
つーか数えてたのかよ。寝たフリしてたのは気づいてたけどな。
「毎晩4回以上よ!
そんなのが2週間続くなんてホント無理だと思ったんだもの!」
その時を思い出したのか身を守るようにぎゅっと自分を抱きしめるレイア。
胸が強調されて煽ってるようにしか見えねえってなんでわかんねえんだか。
「そんで? 他の男とヤッてきたってわけか」
俺の言葉にレイアがざっと青褪めた。
連れ込み宿に俺ではない男に肩を抱かれて入ったことは知っている。
たまたま知り合いが見てたっていう単純なことだ。
「一回でもすれば収まるかと思ったんだもん」
アホな発言に怒りで頭に血が昇る。
それで収まって帰ってこられたらこっちの感情が収まらねえよ。
「でもできなくて、衝動も収まらなくて……」
「で、そのまま逃げたってことか」
頷くレイアに怒りと呆れと欲望が噴き上がる感覚を覚える。
そのまま3年とかふざけてんのかとか言いたいことは腐るほどあるが。
「発情期に他の男に種付けされたらパートナーではいられねえ」
発情期にしたくないは百億万歩譲って許せるが、他の男の種を受け入れたらもう俺のパートナーでいる気はないってことだ。
白くなるほど血の気を無くしているレイアはそこまで考えてなかったんだろうが、絶対にダメな一線てのがある。
――どういうつもりだったかなんて関係ない。
唇の色まで悪くなっているのを見て、続けようとした言葉を止めた。
甘いなと思うが仕方ねえか。
色を失った頬に手の平を付けるとひんやりしていた。
熱を分け与えるように両頬を包んで視線を合わせる。
「で、俺の怒りを受け止める覚悟ができたってことか?」
王都に戻ってきたんならそういうことだろう。
別れる気があったわけじゃないのも新居として買った家がそのまま残っているからわかってる。書類だって郵送で出そうと思えば出せるがそんな便りが送られてきたこともない。
誕生日にだけ贈られてくる、食卓にいつも乗せてくれと言っていたつまみと酒。
新居は管理人に任せて城の宿舎に住んでるから最初の年は届いているのを見落とした。
急に一人になった新居にそのまま住めるほど図太くはねえ。
「できてない!
けど、どうしようもないんだもん。
離れてたら衝動は抑えられるけど、発情期が来る度にウォルドがいなくて。心が空っぽになる感じが耐えられなくて」
「お前本当にバカだな、抑えたって無くなりはしねえよ。
そういうもんなんだから」
頬に温かみが戻ってきたので頬から手を外す。
代わりに腰を引き寄せ尻を撫でる、つもりが手が勝手に揉んでるな。
感触に身体を震わせたレイアが涙の張った目で俺を見上げてくる。
「許して、くれるの?」
「許さねえ」
俺の返事にショックを受けたようにふらついたレイアを抱き上げてベッドに降ろす。
「許さねえから、止めねえよ。
お前が泣いて嫌がっても」
大きく開いた襟ぐりから手を差し込んで何年かぶりの柔らかさを堪能する。
覆いかぶさった姿勢のまま服を一枚一枚剥いでいく。
「抵抗すんなよ、押さえつけたくねえし」
真に受けたレイアが力を抜いて受け入れるように目を閉じた。
こんなときだけ素直になんなよな。
許せねえって思ってんのに、甘やかしたくなるじゃねえか。
「レイア」
「?」
恐る恐る目を開けたレイアへ、やっと会えた嬉しさを全面に出して笑う。
息をすることを忘れたみたいに呼吸を止めたレイアを小突き、口を開く。
「キスはいいだろ」
発情期でなくてもキスはしてた。
開いた口からのぞかせた舌にレイアの瞳がわずかに蕩けた。
噛みつくようにキスをして舌を絡める。
とろりと蕩けた目をするレイアに、これで欲情してねえっていうんだから詐欺だよなと思う。
獣族同士や人族相手ならどう考えても先に進んで良い合図だってのに。
腰のラインを撫でると拒否感にか肌を粟立てさせるレイアに寂しい気持ちになる。
親兄弟や同族の友人にもさんざん言われた。
相性が悪いから竜族だけはやめておけと。
でも仕方ねえ、どうにもならねえくらいレイアじゃなきゃ駄目だ。
惚れた弱みで止めることもできる。
けど、それじゃいつまでたってもこの関係は変わらねえ。
「レイア」
名前を呼び、視線を向けさせその瞳に映る感情を観察する。
頬を撫で甘やかすように小さく落とすくちづけにわずかに蕩けた表情が、胸の頂への刺激に眉を寄せる。
舌の先でくすぐるように乳房を刺激しながら、時折鎖骨の下や谷間の内側へ跡が残らないくらいに吸い付く。
エイルの恋人から聞いた発情期でないときに情を交わすコツを思い出しながら軽く柔らかい愛撫を繰り返す。
――反応をよく見て、少しでも嫌がる素振りを見せたら他の場所や軽い触れ方に変える。
――特に痛みを伴う行為は熱が冷めやすいので慎重に。
レイアの様子を見ながら拒否感が浮かんでないのを確かめる。
耳が微かに上がってきた息を拾い、口元を釣り上げた。
……聞いとくもんだな。
「……誰か他の女のこと考えてるでしょ」
「違えよ」
エイルの恋人のアドバイスを思い出してる、とエイルを想像してる、は大きく違うだろ。
「嘘、前はそんな触り方しなかったじゃない。
さっきの子から教えてもらったの?」
「マジ止めろ。 無えわ」
だってと煩い唇をキスで塞ぐ。
嫁と同じ竜族だろうがアレをそんな目で見たことは無え。
ようやく怒りと衝動を発散し終えて戻ってきた騎士団に新しく入っていた竜族。
それだけでも関わりたくなかったのに、いつも笑みを浮かべていてレイアよりもさらに感情がわかりづらい。
あの人族はよく恋人になどなれたなと思う。
「アイツの恋人にアドバイスはもらったけどな」
同僚の閨事情なんて興味無えから聞いたこともなかったが、関わったついでに聞いてみれば普段から情は交わしていると聞いて驚いた。
「そんなことしなくても逃げないわ」
レイアの言葉にそうじゃねえんだよと叫びたくなる。
「無理強いしたいわけじゃねえんだよ。
自分の欲望だけぶつけたって意味無え」
ちゃんとレイアにも気持ち良くなってほしい。
俺を心から受け入れてほしい。
嫌がってるのに無理やりヤッたって、嬉しくねえ!そんなの強姦と同じだろ!!
「ちゃんとお前のことも感じさせてヤりたい」
つ、と腿の内側を爪でなぞると息を震わせウォルドに縋るような目を向けた。
その反応に内心の歓喜と興奮を押し殺してゆっくりと舌を這わせる。
徐々に乱れ上がっていく息に好感触を感じ取りつつ、レイアの瞳を見つめる。潤んだ瞳は拒否ではなく不安とわずかな期待を乗せていて、俺の興奮を煽った。
蜜を零し始めたソコへ指を差し入れると身体が強張ったのを感じる。
「痛いか?」
意識を逸らすように問いを向けるとわずかだけ力が抜ける。
「ううん、痛くはないわ。
でも、……怖い」
存在を馴染ませるように内壁を撫で擦っているとそんなことを言われた。
「怖いって何が?」
全く感じていないわけではなく、快感を追い求めるように震え絡みついてくる感触。
突き入れた時のことを想像すると今すぐ熱を吐き出したくなる。
「自分が自分じゃなくなるみたいで、……怖い」
見られたくない、と囁くような声で落とされた言葉につくづく合わねえなと苦笑する。
獣族同士なら見たいし見せたいもんだ。
「乱れて何もかもわからなくなってる姿なんて醜いじゃない」
「お前が嫌でも俺は嬉しいぜ?」
本気でわからない顔をされる。
そんなの嬉しいに決まってんだろ。
「自分を失うくらい俺を欲しがって乱れる姿なんて最高だろ」
「……!」
俺のセリフにレイアが顔を真っ赤にして言葉を失った。
本当にそうなるんなら是が非でも見てえ。
その想像だけで膨張してくる分身に呆れつつレイアの中を広げる。
段々と蜜を増やし溶けてくる身体がまだ怖いのかシーツを強く掴んでいる手を取り、指を絡める。
それだけで表情を緩め安心しきった瞳を向けてくるんだからタチが悪い。
「レイア、愛してる」
数年ぶりにできた愛の囁きに頬が緩む。
やっと帰ってきた最愛の妻が腕の中にいることに喜びが湧き上がってくる。
「わ、私も……。 愛してるわ、ウォルド」
何年か越しの愛の言葉をもらったところでレイアの中へと押し入った。
充分に溶けたからか興奮に膨れ上がった俺の分身も難なく受け入れた。身体の方は。
「は……っ。 ~~っ!」
自身の内側を擦られる快感と乱れた姿を見せたくない理性が拮抗しているらしい。
声を抑えきつく目を閉じて快感に震える姿もいいが……。
「愛してるレイア」
頬や瞼の上にキスを落としながら愛していると囁きを繰り返す。
そろそろと開けた瞳には間違いなく情欲の炎が宿っていた。
「あっ、ああんっ! ウォルドぉ……!」
蕩けた瞳で俺を見つめながら名前を呼ぶ姿にたまらなく興奮する。
「レイアっ、レイア……!」
名前を呼ぶたびに目元や耳の先に口づけを落とす。
腰を揺らしながら奥へ進めるとレイアがうわ言のように何か呟いている。
まだ何か不安があるのか。
「どうした?」
「私、やっぱりおかしい……。
っ、気持ち良いもの。
発情期じゃないのに、こんなに感じるなんて……っ!」
やべえ、出そうだった。
気持ち良い、感じる、と言われたことのない言葉を聞かされるとクるな。
「俺が好きなんだから当たり前だろ」
涙を浮かべたレイアの眦へキスをして笑う。普通のことだと。
言われたことに思考がまだ追いついてない顔をしているレイアに当然なんだと何度も伝える。
「好きなヤツと久しぶりに会えて抱き合ってりゃ、幸せだし気持ち良いのは当然だ」
「そう、なの……?」
そうだと力強く答える。
「好きな相手だから気持ち良いし嬉しいんだろ。
発情期はそれが強くなるだけだ」
だから発情期だからってどうでもいい奴と寝て衝動が収まるかは別の問題だ。
俺が言いたいことがわかったのかレイアの顔がくしゃりと歪む。
「ウォルド、ごめんなさい!
あんなことして……っ」
「許さねえ」
他の男と発情期を過ごしていたと聞かされた時の絶望と怒りは未だはっきりと覚えている。
それは何があっても許せない。
離れることはできないけれど、なかったことにすることもできない。
「許さねえから……、もう二度とどこにも行くなよ」
他の誰かのものになるなんて許さない。
潤みを増したレイアの瞳から涙が零れ、伸ばした手で俺の肩を抱き寄せる。
「行、かない……。
ウォルドと一緒にいるっ、ウォルドしか欲しくないっ!」
自ら引き寄せるような太ももの感触に、堪らずレイアの奥で果てた。
「あっ! あああぁっ!!」
熱い飛沫を奥に放たれて真っ赤に染まった身を震わせる嫁のなんと愛らしく愛しいことか。
たまらず続けて腰を打ち付けたのは仕方のないことだろう。
熱は収まらなかったが、2回で止めてやった俺は実に嫁に甘いと思う。
でも休みは3日取ったからな。まだ終わると思うなよ。
せっかくだから蜜月期間をやり直すか。
なあ、レイア?
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