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M子

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「ピコピコ」

明日香のスマホが鳴った

「LINE?」

「あ、うん、他社の人からみたい?会社の人なら私が休みなの知っていて連絡してこないはずだから」

明日香はそう言ってスマホの画面を見た

「あー、新医療科学社の営業さんか…」

ふいにポツリと呟く

「あ、知ってる医療メーカーだ」

有紀はまた焼きそばを食べ始めたらしく
モグモグと口を動かしながら言った

「…こんなん、後にしてって感じ」

ブツブツと愚痴を溢しながら
明日香は画面を閉じた

「なに?」

「あー、新しい機械試したいみたいで誰か探してるみたい」

「うちで使えるなら、聞いてみようか?」

有紀の病院は老人が多い
果たしてこれは役に立つのか?

「これ…目の動きを使って文字を読み込み、コンピューターにしゃべらせるって奴なんだけど…」

明日香は申し訳なさそうに
有紀に聞いてみた

「あぁ…うちは痴呆が多いからなぁ…でも、脳疾患で失語症になった患者さんとか、気管切開した患者さんには試せるかもしれないね…婦長に相談してみようか?」

有紀は楽しそうに答えた
新しい玩具をもらったように

「あの…後、悪いんだけど私、海外に出ちゃうじゃない?直接、ここの会社の営業さん…沼田さんって言うんだけど、有紀の連絡先、直接教えちゃっても平気?」

「別に?平気だよ?」

有紀はスマホを取り出し
ケロッとしていた

「あ、明日香のLINEも教えておいてね!」

「うん、オッケー」

明日香は故郷に戻って初めて人に
連絡先を教えた

「ちなみにこっちに来て有紀以外、教えてないんだー誰にも…」

「えっ!本当に?じゃ大事にしなきゃ!」

有紀はにっこり笑い
ギュッとスマホを抱き締めた

誰にも言わないでっ何て言わなくても
わかってくれる有紀
安心する

「でも凄いな明日香、そんなデーター作れたりするんだ?尊敬しちゃうよ!」

「そんな、私だけ一人で作る訳じゃないよ!何人かでチームでやるんだもの、試作品が通らない事の方が多いし…」

「そうなの?因みに何で今回は海外に転勤なの?」

「向こうのチームに呼ばれたのよ、行くのも半年から一年…ま、何年間になるかはっきりわからないけどね…」

「流石…頭の違いがありすぎる~」

「有紀だってすごいじゃん!生半可な気持ちじゃ看護師になれないよ!私、傷口とか怖いもん!」

明日香はケラケラと笑いながら
有紀を見た

「久々に会えたのに…また、会えなくなるのか」

「何言ってるの、有紀ったら」

明日香は少し気恥ずかしくなって
下を向いた

「ピコピコ」

今度は有紀のLINEが鳴った

「あれ、さっき言っていた沼田って人だ…」

「うわっ、相変わらず仕事早いわ」

明日香は眉間にシワを寄せた

「ごめんね、有紀…よろしく」

「了解!」

有紀はスッキリとした顔で
ニコッと笑った













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