指先

M子

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親友 3

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気がつくと
高く上がっていた日は
ユックリと傾いてきた

風向きが変わったのか
蚊取り線香の香りが
室内に漂う

有紀はかなり満腹になったのか
寝転がりながらポンポンとお腹を叩く

「ねぇ明日香、帰るの明日?明後日?」

「んー…明後日にしておくかな…まだ会ってない人もいるし…会えるかどうかわからないけど…」

「…そうなんだぁ…明後日…か。海外に行く前にもう一度会えるといいなー」

当たり前のように多くは聞かない有紀

「…暇があったら遊びに来なよ有紀!」

「えー!パスポートないよ!じゃあ作らないとね!」

笑いながらそう答える有紀

「有紀は英語私より得意だったんだから!」

「やだ、もう忘れたよ~」

きゃっきゃっ
きゃっきゃっ

少女のようにはしゃぐ明日香と有紀
いつまでも笑っていられる

そんな会話がいつまでもいつまでも続いた

***

今日、有紀が来るまで
昨日の夜の事を
悶々と考えていた明日香

今日だって菜摘はきっと
来たかっただろう…
何でも知っていなければ
気が済まない性格なのだから

とか

晴美はこのまま孤立していかないか
大翔くんはよくなるのか

とか

晴美の子の怪我は本当に事故?
それともやはり事件?

とか

本当に菜摘に…

とか恐ろしい事まで

田舎にいると色んな事が耳に入り
頭の中がモヤモヤと疲れてしまう

こうなるから本当は誰とも会わずに
実家に来たかったのに…

明日香うつむき
有紀の顔をパッと見た

「な、何?」

有紀は少しギョッとした顔をした

「私達さ~、年取ったね!」

「何よ、明日香やめてよ!」

「アラサーか~二人とも~」

「やめてよ!まだまだ独身組なんだから~」

「独身組~?結婚できない女達の間違いでしょ~」

「悪いけど私はするつもりだよ明日香!専業主婦になりたいんだから!」

「専業主婦?ムリムリ、有紀には向いてないって」

「言ったな~っ!」

そういって
また二人でじゃれた

明日香には
田舎に帰って来てからやっと
いい思い出が出来た瞬間だった

もう帰らないかもしれない

庭ではセミが威勢よく鳴いている

そんな
田舎の最後の幸福な時間が
極僅かだが送れた








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