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Ⅶ
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しおりを挟む「僕にまた会えなかったらどうするつもりだったの?」
「会えないわけない。早いか遅いかの問題だったと思う」
「どういうこと?」
「俺結局、お前がいた街からはすぐ引っ越しちゃったけど、なんか『また絶対に会える』って確信があったんだよね。もし大学を卒業する頃までに会えなかったら、あの街を手掛かりにして、優月に会いに行こうって決めてたからさ。優月がどうなっていても、また知り合いになりたいと思った。昔の思い出を覚えていなくても、1から友達になりたいと思った。だから……」
彼に抱かれている僕の体が熱くなる。
「俺の世界にお前がいないことなんて絶対にありえなかった」
堂々としてるけどすごく変なこと言ってると思う。
でもこんな変なことで嬉しくなる僕も変だと思う。
だからまあいっかって、思うことにした。
それで、どうだかね、って嫌味ったらしく翔に言った。
「翔ってちやほやされてるし。絹っていう人に引き摺られて電車に乗ったりひっきりなしに女の子から通話が来たりさ、聞いてたよ僕。君、僕にすごくときめくことを言っておきながら、女の子と通話して好きとか嫌いとか言ってるんだもん、意味分かんなかった」
翔は心当たりを探すように唸っていたけど、そのうちあの時か、と腑に落ちたみたいだった。
「とりあえず、絹は自分のブランドのお抱えモデルが欲しくて、たまたま都会を通りかかった俺をスカウトしたんだよ。断ってるんだけどしつこくてさ。今回は本当に困ってたみたいだから手伝ったけど。それだけ。でも正直言うと、俺は絹の人柄好きだな。もちろんライクの方で。気の良い人だ。なんだかんだ言って俺を立ててくれるし、言っていることに同意できることが多い」
俺をモデルにしようとしていること以外は、と彼は付け加える。
駅のプラットホームで彼女に会ったから、僕もなんとなく、彼女の気の良さそうな所は感じた。気がいいというか、全てにおいて公平な感じがした。偏見も贔屓もないフラットな雰囲気だった。翔が好きだというものなんとなく理解できる。
「絹さんのことは信じよう。でも女の子との通話はだめ」
「あの人たちとは友だちだよ、同級生」
「向こうは気があるみたいだった」
「どうだろうね、仲のいいグループの中の人だから……みんなで遊びに行ったり、食べに行ったり、そんな感じだった。高校生みたいでしょ」
みたいっていうか高校生だったけどね、と彼は付け加える。
「君が思わせぶりな態度を取ったんじゃないの? 僕にそうしたみたいにさ」
なんか僕、自分でも驚くくらいやきもち焼いてる。
自分で自分のことうわあって思うけど、翔は馬鹿正直に打ち明けてくれた。
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