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本編
21.それから
実は私は国立図書館に務める司書であり、今回のフロンティア滞在はわざわざ休暇を取っての行動でした!
つまり。
休暇を取った2週間のうちに、何としてもロベスピエールの縁ある誰か、もしくは何かの情報をゲットする気満々での旅路だった。
生活する為には働かなければならない。
働くばかりの毎日では、潤いがない。潤い = 好きな研究に勤しみたい! と言うかオタクとしての欲望に従いオタク活動に勤しみたいが、そればかりでは、生活が成り立たない。この苦しいジレンマよ!
そんなこんなの覚悟の上での、往復だけで丸6日を要する今回の旅、私のオタ活に費やせる時間は正味8日!
そのうち取材と称してフロンティアの街で聞き取り調査に費やした時間、まる3日。
焦り始めた頃、私は幸運にもマザーテレサ(今はそう名乗ってる元グレース様の事ね)と出会う事が出来た。
なんと言う bonheur !
残る5日間、私達は同じ転生者としての気安さか、仲良くオタク話をしたり、懐かしのアニメ話したり、ドラクエ話したりと、とてもとても充実した時間を過ごさせて頂いた。ハラショー!( *°ω°* )/
マザーはとても話題が豊富で、打てば響くようなエスプリある返しをしてくれて、年の差はあるのに感じさせなくて、もうもう!
私はマザーが大好きだーーー!
(*」´□`)」
声を大にして言いたいっっ!
まさか、こんなに楽しくてこんなに笑えて、充実した時間を過ごさせて頂けるなんて!
私はなんて幸せ者なんだろう!
前世苦労した分のご褒美なのか?!
ご褒美なら仕方ないな!
神はいたのだ!
しかも! マザーは私に宝物までくれたのだ!!
なんと! ロベスピエールの日記や手帳や彼の遺稿の数々!! マニア垂涎のお宝ですよ奥さん! (誰やねんw)
私の神はマザーだった!!
(*」´□`)」
ロベスピエールは首都の自宅で亡くなったけど、彼の死後、彼の仲間の手によってこの遺品がマザーの手元に送られてきたらしい。
「これは、世に発表してもいい物ですか?」
恐る恐る問う私にマザーは笑って是と答えてくれた。
「但し、わたくしが死んだ後にして頂戴ね。なんだか恥ずかしいから」
そう言って、はにかんだマザーは超愛らしかった。ハグしてキスしまくりたいくらい可愛かった!!
理性が勝ったからしなかったけど!
こんなおばあちゃまに、私もなりたい。
◇
夢のような日々はあっという間に過ぎ去り、私は首都での図書司書という日常に戻った。昼は仕事、帰宅した後は、お預かりした膨大なロベスピエールの資料を纏めるオタ活だ。
忙しいのは間違いないが、日々の充実感には変えられない。人間、潤いが無いとダメ、絶対。
いつか、彼の日記を纏めて回顧録として発表したい。
彼の日記を読む度に、彼の魂と一緒に私の魂もオルレアンの空を飛んでいる。
◇
ロベスピエールの日記には、日々の業務に追われる苦労と、愛する妻に会えない苦悩とが1対3の割合で書かれていた。あんた、どんだけ妻好きやねん。
妻になる前の愛しい女性に向けて、迸る熱い情熱を綴った日々の日記は、なんだかこんなプライベートを覗き見して良いのだろうかと疑問に思ったり。
彼の、首相任命された日の日記が秀逸だ。
さぞかし、これから始まる政界での日々に向けての決意表明っぽい言葉が並んでるかと思えば。
『帝国暦768年10月1日 晴れ
グレースの夢を見た。
昨日も見たが、今朝見たグレースはまた格別に美しかった。
もっとも、彼女はいつ見てもその美しさが損なわれる事はない。
だからきっと、今日は良い1日になる。』
なんだ、これ。
ロベスピエールって、こんな人だったんだなぁ……と遠い目になりながら、今、私は毎日を生きている。
【本編・終】
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