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ゴブリン対策会議
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「あ、リン」
「おークロト! 元気~? って、そうじゃなくて、噂のモンスター集団のこと偵察してきましたよ!」
どうやら、モンスターのことを探っていたのはリンだったらしい。
ギルドの人々がリンに注目する。
「町の南の森にワンサカといたよ……ゴブリンが」
ギルドがざわついた。
ゴブリンって、あのゴブリンだよな、有名な。
「ゴブリンか、厄介な相手だ」
ゲゼルビークが眉間にしわを寄せる。
「そうなんですか? 割と弱いイメージですけど」
「単体ではたいしたことはないですな、たしかに。しかしゴブリンは集団行動ができるという困った特性があるんですな」
「集団行動……協力するってことか」
「そうだ、奴らは人間の軍隊みたいにお互い役割分担して集団で襲ってくる。一体一体が好き勝手に暴れる獣の群れとはそこが違う」
それを引き継いでリンが偵察の報告を続ける。
「そうそう、しかも武器も使うのよ。私が見てきた限り、棍棒や石の剣で戦うゴブリンソルジャー、弓を使うゴブリンアーチャー、木の枝同然だけど簡易な杖を持ってるゴブリンメイジ、軍旗を掲げたゴブリンコマンダー、の四種類がいたわ。軍旗って言っても木の枝にぼろ布を着けてるだけだけど」
「え、そんなに種類が? しかもアーチャーとかメイジって、そんなことまでやるのゴブリンって」
「そこが厄介なのよ。いろんな兵種があって、コマンダーが指揮を執って戦う。だから数が多いほど単純な足し算以上の戦力になるってわけ。今回みたいな大量発生とはまさに最悪の相性」
たしかにこれは思ったより強そうだな。
武器使って集団で襲ってくるってそんな人間みたいなことするなんてずるじゃん。
「個々の戦力も知力もそこまでたいしたことはないけどね。でも、相当な強敵よ。なんとかしないと」
「数は?」
「ああ……細かくはわからないけど、全部で200はいると思うわ。半分以上がソルジャーで、アーチャーが50、メイジが30、コマンダーが10ってとこかしら」
結構ガチな編成だ。
これ普通に強敵だよな間違いなく。
そう感じたのは俺だけじゃないようで、ギルドにいる皆は作戦会議を始めた。
これだけの相手には、事前に対策を考えるのが大事だろう。
俺も一緒に考えていく。
だが、ギルドの人だけじゃない。
ここは……ヘルウルフェンの時に当たったAIの策を借りるときだ。
──────────────────────
《質問》
ゴブリンの軍団が町の襲撃計画を立てています。ゴブリンには近接戦闘にたけたゴブリン戦士が100体、ゴブリン弓兵が50体、ゴブリン魔術師が30体、ゴブリン指揮官が10体います。どのような戦術が有効でしょうか。
──────────────────────
《回答》
ゴブリンの軍団が攻撃を仕掛けてくるという状況では、以下のような戦術が有効であると考えられます。
防衛用の壁や塔を建てる:防衛用の壁や塔を建設し、それを中心にして戦うことで、敵の攻撃を防ぎながら、少ない人数で効果的に戦うことができます。
アーチャーによる援護:アーチャーは、遠距離から攻撃することができるため、敵が接近する前に攻撃することができます。ゴブリン弓兵に対しても、アーチャーが応戦することで、敵の攻撃を阻止することができます。
氷の魔術による凍結攻撃:氷の魔術を使い、敵を凍結させることができます。この攻撃を行うことで、敵の進行を一時的に止めることができます。また、ゴブリン魔術師に対しても、氷の魔術を使用することで、敵の攻撃を阻止することができます。
指揮官の排除:敵の指揮官を優先的に攻撃することで、敵軍の統率力を奪い、混乱を引き起こすことができます。指揮官を排除することで、敵軍の総力を削ぎ、勝利へとつなげることができます。
以上のような戦術を用いることで、ゴブリンの軍団に対して有効な戦術を展開することができます。ただし、実際の戦闘では、敵の動きに合わせて臨機応変に対応する必要があります。
──────────────────────
なるほど悪くない作戦に見える。
では、氷の魔術をどう使うかもっと具体的に聞いてみよう。
──────────────────────
《質問》
氷の魔術を使ってモンスターを倒すための具体的な方法を教えてください。
──────────────────────
《回答》
氷の魔術を使ってモンスターを倒すためには次のような方法があります。
氷の壁を作る: 敵から自分や仲間を守るために、氷の壁を作ることができます。敵の攻撃を防ぎ、自分たちが攻撃するポジションをとることができます。
氷の雨: 敵グループ全体に対して氷の雨を降らせます。敵に対するダメージを与えるとともに、敵のモビリティーを制限することができます。
氷の矢: 個別の敵に対して氷の矢を放つことができます。敵に直接的なダメージを与えることができます。
氷の雪嵐: 敵グループ全体に対して強力な氷の雪嵐を降らせます。敵に大量のダメージを与え、敵を倒すことができます。
このような方法を試すことで、氷の魔術を使ってモンスターを倒すことができるかもしれません。また、敵のタイプや状況に応じて、最適な方法を選択することが大切です。
──────────────────────
ふむふむ。
氷の雪嵐なんていう技は使えないが、他のは悪くない。
さっきの質問への回答と組み合わせて考えてみよう。
防衛用の壁や塔を建てるのが有効と言っている。そして氷の壁を作ることが有効と言っている。
であれば、氷で壁を作ってそれを利用して戦うのは悪くないアイディアだ。
そして最初の質問では、遠距離攻撃してくる弓兵を優先的に排除すべきと言っている。そのためにこちらも弓を利用するべきだと。
そこで壁が利用できそうだな。
壁で弓を防ぎつつ、こちらは壁を利用して弓を撃てば一方的に敵の遠距離攻撃を排除できる。地の利は実際大事だからな。
また相手のモビリティを奪うのが有効っていうのは、この前のヘルウルフェン戦でも証明されてるし、やっておきたい。
特に相手の前衛を近寄らせないようにできるし、それで時間を稼いで弓兵で数を減らす戦法は有効だろう。
そうやっている間に、指揮官の排除……コマンダーを優先的に倒していくという作戦が良さそうだ。
そして瓦解したところを個別に撃破していく。
うん、これだな。
よしこのAIと俺の合作を提案しよう。
「みんな、ちょっと作戦考えたんだけど――」
「おークロト! 元気~? って、そうじゃなくて、噂のモンスター集団のこと偵察してきましたよ!」
どうやら、モンスターのことを探っていたのはリンだったらしい。
ギルドの人々がリンに注目する。
「町の南の森にワンサカといたよ……ゴブリンが」
ギルドがざわついた。
ゴブリンって、あのゴブリンだよな、有名な。
「ゴブリンか、厄介な相手だ」
ゲゼルビークが眉間にしわを寄せる。
「そうなんですか? 割と弱いイメージですけど」
「単体ではたいしたことはないですな、たしかに。しかしゴブリンは集団行動ができるという困った特性があるんですな」
「集団行動……協力するってことか」
「そうだ、奴らは人間の軍隊みたいにお互い役割分担して集団で襲ってくる。一体一体が好き勝手に暴れる獣の群れとはそこが違う」
それを引き継いでリンが偵察の報告を続ける。
「そうそう、しかも武器も使うのよ。私が見てきた限り、棍棒や石の剣で戦うゴブリンソルジャー、弓を使うゴブリンアーチャー、木の枝同然だけど簡易な杖を持ってるゴブリンメイジ、軍旗を掲げたゴブリンコマンダー、の四種類がいたわ。軍旗って言っても木の枝にぼろ布を着けてるだけだけど」
「え、そんなに種類が? しかもアーチャーとかメイジって、そんなことまでやるのゴブリンって」
「そこが厄介なのよ。いろんな兵種があって、コマンダーが指揮を執って戦う。だから数が多いほど単純な足し算以上の戦力になるってわけ。今回みたいな大量発生とはまさに最悪の相性」
たしかにこれは思ったより強そうだな。
武器使って集団で襲ってくるってそんな人間みたいなことするなんてずるじゃん。
「個々の戦力も知力もそこまでたいしたことはないけどね。でも、相当な強敵よ。なんとかしないと」
「数は?」
「ああ……細かくはわからないけど、全部で200はいると思うわ。半分以上がソルジャーで、アーチャーが50、メイジが30、コマンダーが10ってとこかしら」
結構ガチな編成だ。
これ普通に強敵だよな間違いなく。
そう感じたのは俺だけじゃないようで、ギルドにいる皆は作戦会議を始めた。
これだけの相手には、事前に対策を考えるのが大事だろう。
俺も一緒に考えていく。
だが、ギルドの人だけじゃない。
ここは……ヘルウルフェンの時に当たったAIの策を借りるときだ。
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《質問》
ゴブリンの軍団が町の襲撃計画を立てています。ゴブリンには近接戦闘にたけたゴブリン戦士が100体、ゴブリン弓兵が50体、ゴブリン魔術師が30体、ゴブリン指揮官が10体います。どのような戦術が有効でしょうか。
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《回答》
ゴブリンの軍団が攻撃を仕掛けてくるという状況では、以下のような戦術が有効であると考えられます。
防衛用の壁や塔を建てる:防衛用の壁や塔を建設し、それを中心にして戦うことで、敵の攻撃を防ぎながら、少ない人数で効果的に戦うことができます。
アーチャーによる援護:アーチャーは、遠距離から攻撃することができるため、敵が接近する前に攻撃することができます。ゴブリン弓兵に対しても、アーチャーが応戦することで、敵の攻撃を阻止することができます。
氷の魔術による凍結攻撃:氷の魔術を使い、敵を凍結させることができます。この攻撃を行うことで、敵の進行を一時的に止めることができます。また、ゴブリン魔術師に対しても、氷の魔術を使用することで、敵の攻撃を阻止することができます。
指揮官の排除:敵の指揮官を優先的に攻撃することで、敵軍の統率力を奪い、混乱を引き起こすことができます。指揮官を排除することで、敵軍の総力を削ぎ、勝利へとつなげることができます。
以上のような戦術を用いることで、ゴブリンの軍団に対して有効な戦術を展開することができます。ただし、実際の戦闘では、敵の動きに合わせて臨機応変に対応する必要があります。
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なるほど悪くない作戦に見える。
では、氷の魔術をどう使うかもっと具体的に聞いてみよう。
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《質問》
氷の魔術を使ってモンスターを倒すための具体的な方法を教えてください。
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《回答》
氷の魔術を使ってモンスターを倒すためには次のような方法があります。
氷の壁を作る: 敵から自分や仲間を守るために、氷の壁を作ることができます。敵の攻撃を防ぎ、自分たちが攻撃するポジションをとることができます。
氷の雨: 敵グループ全体に対して氷の雨を降らせます。敵に対するダメージを与えるとともに、敵のモビリティーを制限することができます。
氷の矢: 個別の敵に対して氷の矢を放つことができます。敵に直接的なダメージを与えることができます。
氷の雪嵐: 敵グループ全体に対して強力な氷の雪嵐を降らせます。敵に大量のダメージを与え、敵を倒すことができます。
このような方法を試すことで、氷の魔術を使ってモンスターを倒すことができるかもしれません。また、敵のタイプや状況に応じて、最適な方法を選択することが大切です。
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ふむふむ。
氷の雪嵐なんていう技は使えないが、他のは悪くない。
さっきの質問への回答と組み合わせて考えてみよう。
防衛用の壁や塔を建てるのが有効と言っている。そして氷の壁を作ることが有効と言っている。
であれば、氷で壁を作ってそれを利用して戦うのは悪くないアイディアだ。
そして最初の質問では、遠距離攻撃してくる弓兵を優先的に排除すべきと言っている。そのためにこちらも弓を利用するべきだと。
そこで壁が利用できそうだな。
壁で弓を防ぎつつ、こちらは壁を利用して弓を撃てば一方的に敵の遠距離攻撃を排除できる。地の利は実際大事だからな。
また相手のモビリティを奪うのが有効っていうのは、この前のヘルウルフェン戦でも証明されてるし、やっておきたい。
特に相手の前衛を近寄らせないようにできるし、それで時間を稼いで弓兵で数を減らす戦法は有効だろう。
そうやっている間に、指揮官の排除……コマンダーを優先的に倒していくという作戦が良さそうだ。
そして瓦解したところを個別に撃破していく。
うん、これだな。
よしこのAIと俺の合作を提案しよう。
「みんな、ちょっと作戦考えたんだけど――」
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