549 / 715
第549話 望まぬ初陣
しおりを挟む
「リリー姫殿下、御出陣ッ!」
王城の南門が音を立てて開かれると、辺りに鳴り響くファンファーレ。
沿道を埋め尽くす民衆からは、それをかき消してしまうほどの大歓声が巻き起こる。
先頭の白馬に跨り城門を潜り抜けたのは、立派なハーフプレートの鎧を纏った第4王女のリリー。
麗しくも凛々しい顔立ちで、真っ直ぐ前を見つめる姿はまさに威風堂々。その内心とは裏腹に、微塵も不安を感じさせることなく沿道の子供達に笑顔を振り撒く余裕すら見せている。
その両脇を固めるのは、ガルフォード卿と近衛隊長のヒルバーク。更には後続に続く1人の貴族と40名の騎士達は、全てアルバートの手の者だ。
「少し見ないうちに、リリー様もご立派になられて……」
「なんでも、魔王に騙されていたリリー様を、アルバート陛下がお救いになられたとか……」
「その報復にと自らが立ち上がるとは……。流石は姫騎士と謳われるだけはある」
「崩御なされたアドウェール様に加え、巨大魔獣騒ぎ……。この先、一体どうなってしまうのかとも持ったが、これなら王都も安泰だ」
「……だが、いくらリリー様とはいえ、相手は魔王。アルバート陛下がそれを許すとは思えんが……」
「きっと我々庶民には、想像もつかない崇高なお考えがあるのだろう……」
「あの強大な魔獣を倒したというアルバート様直属のギムレット騎士団が付いているのだ。きっと吉報を持ち帰って来るに違いない」
バイスとヒルバークの顔が曇って見えるのは、気のせいではない。
聞きたくなくても聞こえてしまう沿道からの声に、反論したいところではあるが、それは許されてはいないのだ。
今回の遠征の成否はリリー次第。ある程度の自由が許されてはいるが、それは全て報告されることになる。
そのいかんで、未だ囚われの身となっているネストの運命が決まると言っても過言ではない為、下手な行動をとる訳にはいかない。
「民の期待を裏切ってしまうと思うと、気が重いですね……」
大盛況の中、リリーたち一行が王都を出ると、毅然としていたリリーの態度は一変。
馬の首にもたれ掛かり、最早やる気の欠片も感じられないだらけ具合。
言うなれば分かり切った負け戦だ。騎士団を連れてはいるが、そもそもリリーに武力行使をする気はなかった。
「同感です。私には着地点の見当もつきません」
「かと言って、戦ったところで勝てる気もしねぇけどな。一体どうすりゃ正解なのか……」
街道の石畳を叩くリズミカルな蹄の音に混じり、2人から漏れ出る溜息。
本来であれば、アルバートに過ちを認めさせたうえで交渉に赴くという順序をなぞるべきなのだが、アルバートに考えを改める気はなく、かと言って先に九条を説得するというのも筋違い。
到底受け入れられないだろう事もわかってはいるが、現状のコット村がどうなっているのかを確認できるいい機会でもあると、リリーは考えていた。
「で? 結局どうするおつもりで?」
「謝罪は当然でしょう。 謝って許される範囲はとっくに超えてしまっていますが、九条から出された条件は全て呑むくらいはしなければ……」
「甘いですねぇ。そんなことで、本当に魔王を倒せるのですか?」
ニヤニヤといやらしい笑みを浮かべながらも、後方から馬を寄せてきたのはオーレスト侯爵。
魔法学院では、リリーやアレックスとの級友でもあったブライアンの父である。
白髪交じりの中年男性。息子同様ふくよかな体つきは、とてもではないが戦えるとは思えない。
故に一人だけ鎧を着ていないのは場違い極まりないのだが、それは彼に合うサイズの鎧がなかったからではなく、リリーの監視役として派遣されているからだ。
「お呼びじゃねぇんだよ。素人はすっこんでな」
爵位で言えば、バイスよりもオーレストの方が格上だ。
にも拘らず、バイスは自分の苛立ちを隠そうともせずオーレストを睨みつけ、更には道端に唾を吐き捨てた。
「ガルフォード卿、態度がよろしくありませんな……。アンカース卿がどうなってもよろしいと?」
監視役の機嫌を損ねれば、当然そうなる事は承知済み。
そして、リリーがバイスに苦言を呈するのがいつものやり取りではあるのだが、今回ばかりは違った。
「黙りなさいオーレスト! やり方は私達に一任されています」
「――ッ!?」
先程までのだらけ具合が嘘であったかのような叱責を飛ばすリリー。
想定外の反撃に、オーレストは言葉を詰まらせた。
第4王女派閥の力が弱まったとはいえ、リリーが王女な事に変わりはない。
リリーがその気になれば、アルバート以外、誰も逆らうことは許されないのだ。
「……失礼しました……。ですが、目標はあくまで魔王の討伐。それだけは、肝に銘じておきますよう」
そう言い残し、後方へと下がるオーレスト。
それに気を良くしたバイスが満面の笑みを浮かべたのも束の間、リリーの真剣な表情に内心慌てて笑顔を消した。
大事の前の小事。浮かれている場合ではないのは、誰もがわかっている事だ。
リリーがいくら頭を悩ませようと、平和的解決の糸口すらつかめていない。
結局は九条の出方次第。話し合いに応じてもらえるかすら怪しい状況である。
自分達だけならばいい。しかし、騎士団を連れての来訪となれば、リリーに争う気はなくとも誤解される可能性は高い。
(勘のいい九条なら、気付いてくれるかもしれない……。何故ネストだけがいないのかを……)
しかし、気付かなければどうするのか……。監視の前での安易な発言は命取りだ。
そのまま暫く無言を貫き、幾つもの可能性を模索するリリー。
そこで考え方を180度変えてみた。九条をどうにかするよりも、オーレストと騎士団をどうにかした方が早いんじゃないかと……。
とはいえ、現状では多勢に無勢。リリーにバイスにヒルバーク。3人だけでは荷が重い。
(わざと九条に戦いを挑めば、私達以外を狙ってくれたりは……。いや、リスクが高すぎますね……)
可能性はなくはない。しかし、リハーサルなしのぶっつけ本番。確実性には欠ける。
(そうだ! カガリ! カガリが出て来てくれれば!)
カガリが嘘を見抜く事は知っている。ならば、堂々と敵対して見せればいいのである。
誰にもバレることなく、九条にだけ自分の意図を伝えられる唯一の手段だ。
暗雲立ち込める状況に光明を見出し、リリーは僅かに表情を緩め、バイスとヒルバークはその一瞬を見逃さなかった。
それが、何なのかまではわからない。しかし、リリーの瞳に宿った光は、事態が好転したのだろうと思わせるほどの変化だった。
王城の南門が音を立てて開かれると、辺りに鳴り響くファンファーレ。
沿道を埋め尽くす民衆からは、それをかき消してしまうほどの大歓声が巻き起こる。
先頭の白馬に跨り城門を潜り抜けたのは、立派なハーフプレートの鎧を纏った第4王女のリリー。
麗しくも凛々しい顔立ちで、真っ直ぐ前を見つめる姿はまさに威風堂々。その内心とは裏腹に、微塵も不安を感じさせることなく沿道の子供達に笑顔を振り撒く余裕すら見せている。
その両脇を固めるのは、ガルフォード卿と近衛隊長のヒルバーク。更には後続に続く1人の貴族と40名の騎士達は、全てアルバートの手の者だ。
「少し見ないうちに、リリー様もご立派になられて……」
「なんでも、魔王に騙されていたリリー様を、アルバート陛下がお救いになられたとか……」
「その報復にと自らが立ち上がるとは……。流石は姫騎士と謳われるだけはある」
「崩御なされたアドウェール様に加え、巨大魔獣騒ぎ……。この先、一体どうなってしまうのかとも持ったが、これなら王都も安泰だ」
「……だが、いくらリリー様とはいえ、相手は魔王。アルバート陛下がそれを許すとは思えんが……」
「きっと我々庶民には、想像もつかない崇高なお考えがあるのだろう……」
「あの強大な魔獣を倒したというアルバート様直属のギムレット騎士団が付いているのだ。きっと吉報を持ち帰って来るに違いない」
バイスとヒルバークの顔が曇って見えるのは、気のせいではない。
聞きたくなくても聞こえてしまう沿道からの声に、反論したいところではあるが、それは許されてはいないのだ。
今回の遠征の成否はリリー次第。ある程度の自由が許されてはいるが、それは全て報告されることになる。
そのいかんで、未だ囚われの身となっているネストの運命が決まると言っても過言ではない為、下手な行動をとる訳にはいかない。
「民の期待を裏切ってしまうと思うと、気が重いですね……」
大盛況の中、リリーたち一行が王都を出ると、毅然としていたリリーの態度は一変。
馬の首にもたれ掛かり、最早やる気の欠片も感じられないだらけ具合。
言うなれば分かり切った負け戦だ。騎士団を連れてはいるが、そもそもリリーに武力行使をする気はなかった。
「同感です。私には着地点の見当もつきません」
「かと言って、戦ったところで勝てる気もしねぇけどな。一体どうすりゃ正解なのか……」
街道の石畳を叩くリズミカルな蹄の音に混じり、2人から漏れ出る溜息。
本来であれば、アルバートに過ちを認めさせたうえで交渉に赴くという順序をなぞるべきなのだが、アルバートに考えを改める気はなく、かと言って先に九条を説得するというのも筋違い。
到底受け入れられないだろう事もわかってはいるが、現状のコット村がどうなっているのかを確認できるいい機会でもあると、リリーは考えていた。
「で? 結局どうするおつもりで?」
「謝罪は当然でしょう。 謝って許される範囲はとっくに超えてしまっていますが、九条から出された条件は全て呑むくらいはしなければ……」
「甘いですねぇ。そんなことで、本当に魔王を倒せるのですか?」
ニヤニヤといやらしい笑みを浮かべながらも、後方から馬を寄せてきたのはオーレスト侯爵。
魔法学院では、リリーやアレックスとの級友でもあったブライアンの父である。
白髪交じりの中年男性。息子同様ふくよかな体つきは、とてもではないが戦えるとは思えない。
故に一人だけ鎧を着ていないのは場違い極まりないのだが、それは彼に合うサイズの鎧がなかったからではなく、リリーの監視役として派遣されているからだ。
「お呼びじゃねぇんだよ。素人はすっこんでな」
爵位で言えば、バイスよりもオーレストの方が格上だ。
にも拘らず、バイスは自分の苛立ちを隠そうともせずオーレストを睨みつけ、更には道端に唾を吐き捨てた。
「ガルフォード卿、態度がよろしくありませんな……。アンカース卿がどうなってもよろしいと?」
監視役の機嫌を損ねれば、当然そうなる事は承知済み。
そして、リリーがバイスに苦言を呈するのがいつものやり取りではあるのだが、今回ばかりは違った。
「黙りなさいオーレスト! やり方は私達に一任されています」
「――ッ!?」
先程までのだらけ具合が嘘であったかのような叱責を飛ばすリリー。
想定外の反撃に、オーレストは言葉を詰まらせた。
第4王女派閥の力が弱まったとはいえ、リリーが王女な事に変わりはない。
リリーがその気になれば、アルバート以外、誰も逆らうことは許されないのだ。
「……失礼しました……。ですが、目標はあくまで魔王の討伐。それだけは、肝に銘じておきますよう」
そう言い残し、後方へと下がるオーレスト。
それに気を良くしたバイスが満面の笑みを浮かべたのも束の間、リリーの真剣な表情に内心慌てて笑顔を消した。
大事の前の小事。浮かれている場合ではないのは、誰もがわかっている事だ。
リリーがいくら頭を悩ませようと、平和的解決の糸口すらつかめていない。
結局は九条の出方次第。話し合いに応じてもらえるかすら怪しい状況である。
自分達だけならばいい。しかし、騎士団を連れての来訪となれば、リリーに争う気はなくとも誤解される可能性は高い。
(勘のいい九条なら、気付いてくれるかもしれない……。何故ネストだけがいないのかを……)
しかし、気付かなければどうするのか……。監視の前での安易な発言は命取りだ。
そのまま暫く無言を貫き、幾つもの可能性を模索するリリー。
そこで考え方を180度変えてみた。九条をどうにかするよりも、オーレストと騎士団をどうにかした方が早いんじゃないかと……。
とはいえ、現状では多勢に無勢。リリーにバイスにヒルバーク。3人だけでは荷が重い。
(わざと九条に戦いを挑めば、私達以外を狙ってくれたりは……。いや、リスクが高すぎますね……)
可能性はなくはない。しかし、リハーサルなしのぶっつけ本番。確実性には欠ける。
(そうだ! カガリ! カガリが出て来てくれれば!)
カガリが嘘を見抜く事は知っている。ならば、堂々と敵対して見せればいいのである。
誰にもバレることなく、九条にだけ自分の意図を伝えられる唯一の手段だ。
暗雲立ち込める状況に光明を見出し、リリーは僅かに表情を緩め、バイスとヒルバークはその一瞬を見逃さなかった。
それが、何なのかまではわからない。しかし、リリーの瞳に宿った光は、事態が好転したのだろうと思わせるほどの変化だった。
34
あなたにおすすめの小説
異世界で魔法が使えない少女は怪力でゴリ押しします!
ninjin
ファンタジー
病弱だった少女は14歳の若さで命を失ってしまった・・・かに思えたが、実は異世界に転移していた。異世界に転移した少女は病弱だった頃になりたかった元気な体を手に入れた。しかし、異世界に転移して手いれた体は想像以上に頑丈で怪力だった。魔法が全ての異世界で、魔法が使えない少女は頑丈な体と超絶な怪力で無双する。
底辺から始まった俺の異世界冒険物語!
ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。
しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。
おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。
漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。
この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――
迷宮アドバイザーと歩む現代ダンジョン探索記~ブラック会社を辞めた俺だが可愛い後輩や美人元上司と共にハクスラに勤しんでます
秋月静流
ファンタジー
俺、臥龍臼汰(27歳・独身)はある日自宅の裏山に突如できた洞窟を見つける。
語り掛けてきたアドバイザーとやらが言うにはそこは何とダンジョン!?
で、探索の報酬としてどんな望みも叶えてくれるらしい。
ならば俺の願いは決まっている。
よくある強力無比なスキルや魔法? 使い切れぬ莫大な財産?
否! 俺が望んだのは「君の様なアドバイザーにず~~~~~っとサポートして欲しい!」という願望。
万全なサポートを受けながらダンジョン探索にのめり込む日々だったのだが…何故か元居た会社の後輩や上司が訪ねて来て…
チート風味の現代ダンジョン探索記。
修学旅行のはずが突然異世界に!?
中澤 亮
ファンタジー
高校2年生の才偽琉海(さいぎ るい)は修学旅行のため、学友たちと飛行機に乗っていた。
しかし、その飛行機は不運にも機体を損傷するほどの事故に巻き込まれてしまう。
修学旅行中の高校生たちを乗せた飛行機がとある海域で行方不明に!?
乗客たちはどこへ行ったのか?
主人公は森の中で一人の精霊と出会う。
主人公と精霊のエアリスが織りなす異世界譚。
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
転生特典〈無限スキルポイント〉で無制限にスキルを取得して異世界無双!?
スピカ・メロディアス
ファンタジー
目が覚めたら展開にいた主人公・凸守優斗。
女神様に死後の案内をしてもらえるということで思春期男子高生夢のチートを貰って異世界転生!と思ったものの強すぎるチートはもらえない!?
ならば程々のチートをうまく使って夢にまで見た異世界ライフを楽しもうではないか!
これは、只人の少年が繰り広げる異世界物語である。
セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~
空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。
もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。
【お知らせ】6/22 完結しました!
ガチャと異世界転生 システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!
よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。
獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。
俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。
単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。
ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。
大抵ガチャがあるんだよな。
幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。
だが俺は運がなかった。
ゲームの話ではないぞ?
現実で、だ。
疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。
そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。
そのまま帰らぬ人となったようだ。
で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。
どうやら異世界だ。
魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。
しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。
10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。
そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。
5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。
残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。
そんなある日、変化がやってきた。
疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。
その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる