551 / 715
第551話 分かたれた袂
しおりを挟む
「私達よりも先に派遣された騎士団も、1人の捕虜を残し全滅しているのですよ!?」
「恐らくは卑劣な罠によるものでしょう。騎士団にあるまじき行為ではありますが、長期の滞在により気が緩んでしまった。村民からの施しに懐柔され、油断しきっていたところを騙し討ち……といったところでしょう。魔王のやりそうなことだ」
「どれだけ自信家なのですか! まだ、そうと決まった訳ではないでしょう。捕虜を返してもらえるなら、その者から聴取すればよいだけ。何が起こったのかを聞けば、どちらが悪いのかがハッキリします」
最早シャーリーそっちのけで言い争うリリーとオーレスト。
その仲違いが、リリーの狙いであることもシャーリーはわかっていた。
(全部九条の言う通りになってるけど、損な役回りを引き受けちゃったなぁ……。バイスはいいけど、王女様はちょっと可哀そうよね……)
リリー達を追い返す――と、一口に言っても難しい。簡単には諦めないだろう事はわかっている。
恐らく話術では敵わない。現に九条は、やりたくない仕事であっても何かと理由を付けては引き受けてしまっているのだ。
粘られ続けて根負けするのは、結局いつも九条の方。
(九条は、優しすぎるから……)
だからこそ、シャーリーがここにいる。
(私なら非情になれる……。リリー様には悪いけど、九条の為なら自分の手が汚れるくらい、なんてことない……)
シャーリーが決意を新たにすると、コクセイが僅かに身体を揺らす。
それは、余計な事を考えず集中しろという合図でもあった。
「リリー様! そこまで言われるのでしたら、ギムレット騎士団の実力を見せようではありませんか!」
オーレストの言葉に、陣形を組み始めた騎士団。
最前列には、鉄壁の防御を思わせる巨大な盾を構えた騎士たち。その後方には、身長よりも長いランスを構えた騎兵が並ぶ。
リリーとバイス。そしてヒルバークは傍観するつもりなのか、巻き込まれないようにと必要以上に距離を取っていた。
「はぁ……バカねぇ。……でも、こっちだって九条から預かった戦力を無駄に減らしたくはないからさ。物量で黙らせてあげる」
「物量だと? ふん。たかがスケルトンやゾンビ、どれだけいたところで……」
オーレストの言葉を遮り、シャーリーは大きく息を吸い込んだ。
「出なさいッ! コット・オールドディフェンダー!」
その声に反応し、防壁付近の地面が音を立てて盛り上がる。
まるでモグラの大量発生。しかし、それはモグラというにはデカすぎた。
湿った土が波を打ち、そこから這い出てきたのは、スケルトンでもゾンビでもないデスナイト。身長2メートルを超える死霊騎士だ。
その手に持たれた大剣は、人間基準で言う両手剣とほぼ同等大きさを誇り。もう片方の手には、その巨体の約半分を覆えるほどの盾を持つ。
そのどちらもが錆び付き変色してしまってはいるが、脆さは全くと言っていいほど感じない。
ダンジョンで言うなら、地下40層以下で出現するとされているアンデッド系の魔物。
それが、コット村を囲む防壁の前に、ズラリと列を成し並び立つ。
シャーリーの声が届いた所までが起動範囲。その数は、優に50を超えていた。
「――ッ!?」
勿論それだけではない。シャーリーの隣に現れたのは、ワダツミ。
更には、巨大な熊が防壁の上から顔を出すと、騎士団は最早蛇に睨まれた蛙であった。
「自分達の戦力を過信して相手を分析しようとしないから、バカだって言ってるの。あんたらは人間を相手にすることが多いからわかんないんだろうけど、魔王を相手にするのなら狩人を連れてくるべきだったわね」
とはいえ、結果は変わらない。尻尾を巻いて逃げ出すか、玉砕覚悟で戦うか……。
「ほら、かかって来なさいよ。先手は譲ってあげる」
余裕を見せるシャーリーだが、そうじゃない。選択する権利と同時に、考えるだけの時間を与えたのだ。
リリーがコット村から拒絶された事実を報告してもらわなければならない為、オーレストをここで殺す訳にはいかない。
故の圧倒的戦力差。それを前にすれば、誰だって身の程を知るだろう。
確かにバカな貴族はいるが、少なくとも監視役を任されるだけの信頼があるのなら、間違った選択はしないはず。
「何を悩んでるのよ。簡単でしょ? 威勢よく突撃ぃって叫びなさいよ。完膚なきまでに叩きのめしてあげるからさ。そんで、アンタらの血肉がコット村の防衛に一役買うの。オーレスト……だっけ? アンタはこの先無能って呼ばれるだろうけど、その時はどうせ死んでるから気になんてならないでしょ? 騎士団の命よりもプライドの方が大事だもんね?」
それで本当に突撃を指示するようなら本物のバカだが、冷静になった今であれば気付くはずだ。
真偽はどうあれ、金の鬣をも葬ったとされるギムレット騎士団を失う事への重要性。
当然、それはオーレストの過失となる。本人が帰らぬ人となれば、責任の所在は家へと移る。
貴族であるのなら、家格を落とす行為は避けるはず。それは、オーレスト個人のプライドよりも重いものだ。
先程まで放たれていた騎士団からの威圧感も、既に無い。
それでも逃げ出そうとしないのは、日々の訓練の賜物か、恐怖に足が竦んだだけか……。
フルプレートのおかげで表情までは確認できないが、天を突くほど勇ましかったランスは下がり、その切っ先は小刻みに震えていた。
「……撤退の準備を……」
先程とは程遠い覇気のなさ。頑なに無表情を貫いているのは、悔しさを悟られない為だろう。
陣形を崩し警戒はしながらも下がって行く騎士団を前に、オーレストはシャーリーを睨み続けていた。
「なんだ……意外と冷静じゃない。まぁ、これでわかったでしょ? 次はこれに対抗できるだけの戦力を揃えてくることね」
勝ち誇った笑みを浮かべながらも、内心安堵していたシャーリーではあったが、まだ仕事は残っている。
「……まだ何か用?」
シャーリーが気付いた視線。それはリリーからのものだ。
当然、それが何を意味しているのかもわかっている。
「もう諦めなさいよ。そもそも王女様が、やりたくもない仕事を九条に頼んだのが悪いんでしょ? 自業自得じゃない」
リリーだって、責任の一端は感じてはいた。そう言われるだろう事は覚悟していたが、リリーはオーレストほど表情を隠すのが上手くはなかった。
ぎゅっと握られた両手。後悔からか視線を落とし、唇を強く噛み締める。
「王族なら王族らしく、王宮に引きこもってなさい。九条も言ってたわよ? 住む世界が違うんだ――ってね」
矢筒から1本の矢を取り出し、ヨルムンガンドに番えたそれを射掛けたシャーリー。
狙いも定めず適当に放ったようにも見えたそれは、リリーの足元に突き刺さる。
それには、蒼く輝く3つのリングが掛けられていた。
シャーリー、アーニャ、そして九条に与えた派閥の証だ。
「さようなら王女様。短い間だったけど王族派閥なんて夢が見られたし、私は結構楽しかったよ……」
ゆっくりと跪くよう膝を折ったリリー。その小さな肩を震わせながらも3つのリングを握り締め、俯いたまま動きを止めた。
それは、神に祈りを捧げているかのようでもあり、声を殺し泣いているかのようでもあった。
「恐らくは卑劣な罠によるものでしょう。騎士団にあるまじき行為ではありますが、長期の滞在により気が緩んでしまった。村民からの施しに懐柔され、油断しきっていたところを騙し討ち……といったところでしょう。魔王のやりそうなことだ」
「どれだけ自信家なのですか! まだ、そうと決まった訳ではないでしょう。捕虜を返してもらえるなら、その者から聴取すればよいだけ。何が起こったのかを聞けば、どちらが悪いのかがハッキリします」
最早シャーリーそっちのけで言い争うリリーとオーレスト。
その仲違いが、リリーの狙いであることもシャーリーはわかっていた。
(全部九条の言う通りになってるけど、損な役回りを引き受けちゃったなぁ……。バイスはいいけど、王女様はちょっと可哀そうよね……)
リリー達を追い返す――と、一口に言っても難しい。簡単には諦めないだろう事はわかっている。
恐らく話術では敵わない。現に九条は、やりたくない仕事であっても何かと理由を付けては引き受けてしまっているのだ。
粘られ続けて根負けするのは、結局いつも九条の方。
(九条は、優しすぎるから……)
だからこそ、シャーリーがここにいる。
(私なら非情になれる……。リリー様には悪いけど、九条の為なら自分の手が汚れるくらい、なんてことない……)
シャーリーが決意を新たにすると、コクセイが僅かに身体を揺らす。
それは、余計な事を考えず集中しろという合図でもあった。
「リリー様! そこまで言われるのでしたら、ギムレット騎士団の実力を見せようではありませんか!」
オーレストの言葉に、陣形を組み始めた騎士団。
最前列には、鉄壁の防御を思わせる巨大な盾を構えた騎士たち。その後方には、身長よりも長いランスを構えた騎兵が並ぶ。
リリーとバイス。そしてヒルバークは傍観するつもりなのか、巻き込まれないようにと必要以上に距離を取っていた。
「はぁ……バカねぇ。……でも、こっちだって九条から預かった戦力を無駄に減らしたくはないからさ。物量で黙らせてあげる」
「物量だと? ふん。たかがスケルトンやゾンビ、どれだけいたところで……」
オーレストの言葉を遮り、シャーリーは大きく息を吸い込んだ。
「出なさいッ! コット・オールドディフェンダー!」
その声に反応し、防壁付近の地面が音を立てて盛り上がる。
まるでモグラの大量発生。しかし、それはモグラというにはデカすぎた。
湿った土が波を打ち、そこから這い出てきたのは、スケルトンでもゾンビでもないデスナイト。身長2メートルを超える死霊騎士だ。
その手に持たれた大剣は、人間基準で言う両手剣とほぼ同等大きさを誇り。もう片方の手には、その巨体の約半分を覆えるほどの盾を持つ。
そのどちらもが錆び付き変色してしまってはいるが、脆さは全くと言っていいほど感じない。
ダンジョンで言うなら、地下40層以下で出現するとされているアンデッド系の魔物。
それが、コット村を囲む防壁の前に、ズラリと列を成し並び立つ。
シャーリーの声が届いた所までが起動範囲。その数は、優に50を超えていた。
「――ッ!?」
勿論それだけではない。シャーリーの隣に現れたのは、ワダツミ。
更には、巨大な熊が防壁の上から顔を出すと、騎士団は最早蛇に睨まれた蛙であった。
「自分達の戦力を過信して相手を分析しようとしないから、バカだって言ってるの。あんたらは人間を相手にすることが多いからわかんないんだろうけど、魔王を相手にするのなら狩人を連れてくるべきだったわね」
とはいえ、結果は変わらない。尻尾を巻いて逃げ出すか、玉砕覚悟で戦うか……。
「ほら、かかって来なさいよ。先手は譲ってあげる」
余裕を見せるシャーリーだが、そうじゃない。選択する権利と同時に、考えるだけの時間を与えたのだ。
リリーがコット村から拒絶された事実を報告してもらわなければならない為、オーレストをここで殺す訳にはいかない。
故の圧倒的戦力差。それを前にすれば、誰だって身の程を知るだろう。
確かにバカな貴族はいるが、少なくとも監視役を任されるだけの信頼があるのなら、間違った選択はしないはず。
「何を悩んでるのよ。簡単でしょ? 威勢よく突撃ぃって叫びなさいよ。完膚なきまでに叩きのめしてあげるからさ。そんで、アンタらの血肉がコット村の防衛に一役買うの。オーレスト……だっけ? アンタはこの先無能って呼ばれるだろうけど、その時はどうせ死んでるから気になんてならないでしょ? 騎士団の命よりもプライドの方が大事だもんね?」
それで本当に突撃を指示するようなら本物のバカだが、冷静になった今であれば気付くはずだ。
真偽はどうあれ、金の鬣をも葬ったとされるギムレット騎士団を失う事への重要性。
当然、それはオーレストの過失となる。本人が帰らぬ人となれば、責任の所在は家へと移る。
貴族であるのなら、家格を落とす行為は避けるはず。それは、オーレスト個人のプライドよりも重いものだ。
先程まで放たれていた騎士団からの威圧感も、既に無い。
それでも逃げ出そうとしないのは、日々の訓練の賜物か、恐怖に足が竦んだだけか……。
フルプレートのおかげで表情までは確認できないが、天を突くほど勇ましかったランスは下がり、その切っ先は小刻みに震えていた。
「……撤退の準備を……」
先程とは程遠い覇気のなさ。頑なに無表情を貫いているのは、悔しさを悟られない為だろう。
陣形を崩し警戒はしながらも下がって行く騎士団を前に、オーレストはシャーリーを睨み続けていた。
「なんだ……意外と冷静じゃない。まぁ、これでわかったでしょ? 次はこれに対抗できるだけの戦力を揃えてくることね」
勝ち誇った笑みを浮かべながらも、内心安堵していたシャーリーではあったが、まだ仕事は残っている。
「……まだ何か用?」
シャーリーが気付いた視線。それはリリーからのものだ。
当然、それが何を意味しているのかもわかっている。
「もう諦めなさいよ。そもそも王女様が、やりたくもない仕事を九条に頼んだのが悪いんでしょ? 自業自得じゃない」
リリーだって、責任の一端は感じてはいた。そう言われるだろう事は覚悟していたが、リリーはオーレストほど表情を隠すのが上手くはなかった。
ぎゅっと握られた両手。後悔からか視線を落とし、唇を強く噛み締める。
「王族なら王族らしく、王宮に引きこもってなさい。九条も言ってたわよ? 住む世界が違うんだ――ってね」
矢筒から1本の矢を取り出し、ヨルムンガンドに番えたそれを射掛けたシャーリー。
狙いも定めず適当に放ったようにも見えたそれは、リリーの足元に突き刺さる。
それには、蒼く輝く3つのリングが掛けられていた。
シャーリー、アーニャ、そして九条に与えた派閥の証だ。
「さようなら王女様。短い間だったけど王族派閥なんて夢が見られたし、私は結構楽しかったよ……」
ゆっくりと跪くよう膝を折ったリリー。その小さな肩を震わせながらも3つのリングを握り締め、俯いたまま動きを止めた。
それは、神に祈りを捧げているかのようでもあり、声を殺し泣いているかのようでもあった。
32
あなたにおすすめの小説
異世界で魔法が使えない少女は怪力でゴリ押しします!
ninjin
ファンタジー
病弱だった少女は14歳の若さで命を失ってしまった・・・かに思えたが、実は異世界に転移していた。異世界に転移した少女は病弱だった頃になりたかった元気な体を手に入れた。しかし、異世界に転移して手いれた体は想像以上に頑丈で怪力だった。魔法が全ての異世界で、魔法が使えない少女は頑丈な体と超絶な怪力で無双する。
底辺から始まった俺の異世界冒険物語!
ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。
しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。
おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。
漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。
この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――
迷宮アドバイザーと歩む現代ダンジョン探索記~ブラック会社を辞めた俺だが可愛い後輩や美人元上司と共にハクスラに勤しんでます
秋月静流
ファンタジー
俺、臥龍臼汰(27歳・独身)はある日自宅の裏山に突如できた洞窟を見つける。
語り掛けてきたアドバイザーとやらが言うにはそこは何とダンジョン!?
で、探索の報酬としてどんな望みも叶えてくれるらしい。
ならば俺の願いは決まっている。
よくある強力無比なスキルや魔法? 使い切れぬ莫大な財産?
否! 俺が望んだのは「君の様なアドバイザーにず~~~~~っとサポートして欲しい!」という願望。
万全なサポートを受けながらダンジョン探索にのめり込む日々だったのだが…何故か元居た会社の後輩や上司が訪ねて来て…
チート風味の現代ダンジョン探索記。
修学旅行のはずが突然異世界に!?
中澤 亮
ファンタジー
高校2年生の才偽琉海(さいぎ るい)は修学旅行のため、学友たちと飛行機に乗っていた。
しかし、その飛行機は不運にも機体を損傷するほどの事故に巻き込まれてしまう。
修学旅行中の高校生たちを乗せた飛行機がとある海域で行方不明に!?
乗客たちはどこへ行ったのか?
主人公は森の中で一人の精霊と出会う。
主人公と精霊のエアリスが織りなす異世界譚。
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
転生特典〈無限スキルポイント〉で無制限にスキルを取得して異世界無双!?
スピカ・メロディアス
ファンタジー
目が覚めたら展開にいた主人公・凸守優斗。
女神様に死後の案内をしてもらえるということで思春期男子高生夢のチートを貰って異世界転生!と思ったものの強すぎるチートはもらえない!?
ならば程々のチートをうまく使って夢にまで見た異世界ライフを楽しもうではないか!
これは、只人の少年が繰り広げる異世界物語である。
セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~
空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。
もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。
【お知らせ】6/22 完結しました!
ガチャと異世界転生 システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!
よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。
獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。
俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。
単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。
ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。
大抵ガチャがあるんだよな。
幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。
だが俺は運がなかった。
ゲームの話ではないぞ?
現実で、だ。
疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。
そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。
そのまま帰らぬ人となったようだ。
で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。
どうやら異世界だ。
魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。
しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。
10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。
そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。
5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。
残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。
そんなある日、変化がやってきた。
疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。
その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる